改めて、異世界転生の場合┈┈case-2





私って本当は根暗なんだ。

そして馬鹿。


でも馬鹿はともかく、根暗って何でか評価良くないんだよね。

何でなんだろ?

別に人それぞれってことでいいじゃんね?



けどそう思ってくれないのが人間なんだー。


だからって虐められたりするのはヤダし、だったらまだウザがられる方が良いかなって!


というわけでハイテンションなウザキャラになりましたー!




もうあんな扱いにはなりたくないから。




ハイテンションに生きてけば何でもどうとでもなるって思ってたし信じてた。


実際暗かった頃の私に比べたら、天と地、月とすっぽん、とろろとめかぶ!


それぐらいの差がそこにはあったんだー!



…でもハイテンションの力を、私はきっと過信しすぎてた。


悩んでる子がいたから、いつも通りハイテンションに接してみた!



そしたらキレられた。

刺された。

死んじゃった。




























そう、全部実は完璧に覚えてた・・・・・・・

神様に言われた時は忘れたフリをしちゃった。


…どうしても認めたくなかったから。

…ハイテンションの持つ力を否定したくなかったから。

…嘘だと思ったから。




でもやっぱり嘘じゃなかった。


テンションだけじゃダメなんだって、また死んだ時にようやく分かった。


死んだ瞬間は完全に心が壊れちゃってたから分かんなかったけどね?




分かったのは死んだ後に心を治してもらった時。


治してくれた神様に聞いたら、私をあんな酷い世界に転生させた元凶の神が殺され、そいつと敵対してた神様が私の魂を助けてくれたらしい。



初めてハイテンション以外を信じてみようと思った。


この人は私に似てると感じたから。

本性を隠している感じ?


本当はきっとこんなに明るい人じゃない。

多分腹黒い。

だからこそ信じられると思った。


だって失敗ばかりの私と違って、裏表があっても成功してる実例なんだから。

このお方の言う通りにすれば、きっと同じになれる気がしたから。



このお方が殺せと言うなら従おう。

例えその相手が邪神という危険な存在だとしても。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





あのお方は魔力に関する異能も残してくれたらしい。

やっぱり信じるべきはあのお方!


前世のように小さい頃に売られる事もなかったし、おかげで無事に魔法を使えるようになれた!

やっぱり信じるべきはあのお方!


魔力の質も量も高くて、無事成長出来た私の人生はイージーモード!

やっぱり信じるべきはあのお方!



あー神様神様神様神様。

神様最高。


最初の人生の時にあのお方に出会えてたら、もっと良かったのにとは思う。

二度目の人生の時も。



けど我慢したからお方に出会えたんだと考えれば、これまでの人生なんて何でもない!

…もう精神病むのだけはごめんだけど。



そうだ!

この世界にあのお方の信仰を広めよう!!

あのお方を信じて信仰して崇拝してから、馬鹿な私でも変われたと思うから!


あのお方を信じる者は救われるんだよ!!

それ以外が馬鹿って事になる!!!

あはははははは!!!



























布教を始めてから全てが狂い始めた。


邪神を殺す為に、その準備を兼ねて送られた世界っていう事は。

この世界で信じられている神も、邪神・・だっていう可能性を考えるべきだった。



変われたと思って、舞い上がっちゃったんだと思う。


それかそんな事にすら気付けないぐらい、やっぱり私の馬鹿な部分は変われてないのかもしれない。



邪神を信じてるこの世界の人達にとって、邪神と敵対している神様は、受け入れられない存在なのかもしれない。


もしくは宗教を大々的に掲げたせいで、逆に邪神側に私が神様側の人間だってバレちゃったのかもしれない。



馬鹿な私にはどれも確信を持てない事だけど、私があのお方の宗教を拡散しようとした時点で失敗した事は間違いなかった。



どれだけ魔力が強かろうと、世界の全人類と邪神の手下、その全部を敵に回して勝てるわけないじゃん?




私って馬鹿なのかな?

毎回調子にのったせいでやらかすんだよ。



二度あることは三度あるっていうのかな。






いや、馬鹿は死んでも治らない、かな。









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転生例 No.12 …学生:B

転生先 …剣と魔法の世界

死亡原因 …集団包囲からの飽和攻撃にて、栄養補給が出来ず餓死。

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