最低。
西洞院 奏
いつものクソジジイ
部活終わりに食うアイスが一番うまい!
あっ、別に毎日食ってるわけじゃないよ?
私だってここぞって時に食べるんだ。
そしたらいつものクソジジイが、
「女が足開いて買い食いなんざするな!」
って言ってきて私もカッチーンてきてさ、
「うるせえクソジジイ!」って言っちゃった。
クソジジイと会うことが結構多くて
毎日最低よ。ほんと。
今日は天気が悪かった。
だから雨降るなよーって思ってるとさ?またあのクソジジイよ、
「こんな日に傘も持たんのかい?雨降るに決まっとるじゃろ!」
私も大噴火よ、
「いらねーよ!」つってさ。
6時限目、雨が降ってきた。
この世にゃ神も仏もおらんのか。
ずぶ濡れなりながら帰っていたら、あのクソジジイが傘をさして笑いながら、
「ほらな?」
もう最低。なんなの毎日毎日。
そんな毎日過ごしてて、夏休みに入った。
私の部活は基本午後からだったからあのクソジジイと会うことも滅多になくなった。
そしてお盆休み。部活もなし。課題はあり。
15日までの課題を出しに行く道すがら、
ふと目をやると、あのクソジジイの家から大量の荷物を運んでる夫婦がいた。
2人とも30代くらいかな?
私はその光景を見てなんか嫌な予感がした。
そしてその夫婦に聞いてみた。
「すいませーん。この家のクソ…、おじいさんは元気ですか?」
その夫婦は顔を見合わせて、ため息をつき、
その重い口をひらいた。
「おじいちゃんはね、今月の最初になくなってしまったのよ。」
私は一礼して、急いで学校に向かった。
不思議とスピードが速くなる。
ああ、そうか。亡くなっちまったのか。
精々するよ。
これで二学期から気持ちよく学校にいける。
そうは思えなかった。
これから登校する度に思い出すじゃねーか。
最期までクソジジイだな。おい。
最低。 西洞院 奏 @Nishi_
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。最低。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます