第2話始まり

リューズ「父さん、母さん..行ってくるよ」


俺は今年16歳になり第二等魔法学院に入学することになった。第一等を目指していたが試験にて魔力の操作及び知識が不十分と見なされ受験失敗、次点の全寮制である第二等に合格し入学することになった。


ミント「何かあったらすぐに頼っていいんだからな。俺たちは家族なんだから...」


マリア「夜更かしはあまりせず早寝早起きをしなさい。そして毎日バランスのとれた食事を三食とるのよ、それから・・・・・・・


リューズ「わかってるよ母さん。健康に気を遣ってちゃんとした生活を心掛けるよ」


マリア「とにかく無茶なことだけはしないようにね。リューズは父さんに似て頑張りすぎちゃうことがあるから..あと周りの子や先生に失礼のないようにね。」


ミント「お前なら大丈夫だと思うがガラの悪い輩はどの学院にも必ずいる。絡まれたとしても穏便に済ませるのが吉だ。間違っても痛い目に合わせてやろうだなんて考えるなよ。」


マリア「ぜっっっったいに魔法を使っての喧嘩なんてしないようにね。怪我をするのは仕方ないとして他人を無闇に傷つけるのは許さないからね。」


リューズ「わかった、わかったから。もう行かないと列車に間に合わなくなる!」


ミント・マリア「いってらっしゃい!!」


リューズ「行ってきまーす!!!!」


僕の新しい青春はここから始まる!





列車に間に合いませんでした....


リューズ「噓だろ!?全然青春始まってねーよ!第一歩目を踏み出す前にスタートの地雷で消し飛んだわ!うわあぁぁぁぁぁぁぁ!俺のバカヤロォォォー!」


「あ、あの。大声を出されてどうかされましたか?」


リューズ「僕は前に進もうと壁に向かって走っていたようです。ハハハこんな惨めな人間、笑ってやってくださいよ。」


「わ、笑ったりしませんよ!」


リューズ「ああ、人間じゃない汚らわしい老廃物の如き生命体には笑うことすらもったいないと。そうかもしれませんね。僕は人間が当たり前にできることをできなかった落ちこぼれどころかこぼれ落ちる器にすら入れなかった生命体もどきです。」


「もう、そんなに自分を卑下する必要はありませんよ。お話を聞く限り列車に乗り遅れたみたいですが、もしよければ私が話を通しますから一緒に乗りませんか?」


リューズ「一緒に乗るってまさか..」


「はい。私、今年からですが第一等の生徒なんです。あ、私の見当違いでしたらご迷惑をおかけしてしまいすみません!」


リューズ「た、助かりまずぅ。臓器でもなんでも出すんで乗せて下ざいぃ。」


「見返りは要りませんよ。困っている人がいたら助けるのが人情ですから。それでは今から話を通してきますね。」


第一等は専用の交通機関があり、列車はその一つだ。基本的に在校生以外は乗れないが特別な理由があり、それが認められれば乗車許可が下りる。今回のように第一等の生徒に話を付けてもらうと意外と簡単に乗れるらしい。


リューズ「でもあの娘の着ていた制服は第一等じゃなかったけど....まぁ乗せてもらえるなら何でもいいか。」

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