第4話

 目が覚めると不思議な事に怪我が全て治っていた。

 不思議に思ってお祖母様に聞いてみると記録水晶に私の最新の健康体情報を複数取り置いてあったそうで【置換】でそのデータをローディングしたと説明された。

 4次元構築式……やりたい放題だな。


 私が眠っている間に御父様とお母様が駆けつけてくれたそうだけど問題無いとお祖母様に言われ、すごすごと仕事に戻ったらしい。


 次の日、学生院に行こうと準備しているとお祖母様に全治3ヶ月だから行かなくて良いと言われ、代わりに4次元構築式の講義をお祖母様からミッチリ受ける事になった。


 私に何も無ければ教えるつもりは無かったそうで私が余りにも呑み込みが早い為、4次元構築式の危険性と有用性と応用について学ぶ事になった。


「アーシャには悪戯程度で終わって欲しかったのだけれどねぇ」


「あ〜、やはりヤバヤバな知識なのですね。これって」


「ええ、そうですよ。……ふふ。ヤバヤバですね」


「う〜」


「今更怖くなりましたか?アーシャ」


「はい。正直言えば……ですが後世に残すべき知識であるとも言えます」


「そうね。ただこの4次元構築式はセンスと器が無いと受け継げないのよ。だからエゼキエルには使えなかったの」


「御父様は使えないのですね。あれ?お母様と御兄様は?」


「あの子達とは一緒にいた時間が余りなかったからね。私は旦那様と領地経営してたしね」


「あ、なるほど」


「だからアーシャと逢えて良かったと思っているわ。まあ、貴女にもセンスと器が無ければ諦めてたけれどね♡」


「センスと器ってどういった基準で分かるのですか?」


「ん〜そうですね。読解力と柔軟性かしら?後は自ら知識を取り入れる意欲と好奇心かしらね」


「一般にはお教えにはならないのですよね」


「そうね。これはある意味私達の家系の秘術だもの。それに結構危険ですしね」


「分かりました」


「アーシャも自分の子供に教える時は慎重になさい」


「じ、自分の子供って私まだ13歳です!」


「あら、でもいつかは素敵な旦那様が出来るでしょ?」


「そ、それはそうですけど…」


「その為に学生院に通っていると言っても過言ではないでしょうし…」


「か、過言です!」


「あらあら。アーシャはまだまだ初心ですね。でもアーシャ、4次元構築式は大変危険です。受け継がせるにしても良く考えて。貴女の代で途切れさせても構わないのだから」


「……はい。お祖母様」


「では、早速講義を始めましょうか」


「はい。よろしくお願いいたします。お祖母様」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る