第3話

 学生院の授業はなんと言うか……非常につまらなかった。


 まあ、首席合格していた時点で気付くべきだったのだけれど、聞く授業どれも昔お祖母様から教えて貰った事だらけで、むしろお祖母様が教えて下さった内容の方が詳しく面白かった。


 真面目に飛び級出来ないのかと先生に相談したのだけれど、駄目でした。

 何でも、勉学や運動だけでなく3年間でデビュタントの為の基礎応用と縁の場でもあるので、そういった特例はされていないとか。トホホです。


 仕方ないので授業中はこっそり4次元構築式の実証実験をする事にしたとお祖母様に話したら4次元構築式を使った色々なお茶目な悪戯や仕返しの仕方を教えてくれた。


 お祖母様。お茶目の次元が違い過ぎます。

 何処の悪役令嬢の嫌がらせかと思いました。

 そんな悪知恵の血が私にも流れているのかと思うと正直冷や汗が出るレベルでした。


 運動の授業でボールを手で突きながらゴールに入れるペルーという競技を初めて体験しました。

 4次元構築式を使って消える魔球をやってみたら誰も私を止められなくなりました。

 そして調子に乗った私はあの事故を起こしてしまったのです。


 エリアコートに大穴とボールの破裂。


 私の足元で起きたその事故で私は右足の骨を折るという自業自得な怪我を負ってしまったのでした。


 そのまま病院に搬送され、自宅への連絡でお祖母様が駆けつけてくれました。


「アーシャ大丈夫かい?」


「お祖母様。ごめんなさい。私、調子に乗ってあんな事に」


「いったいどうしたというの」


「お祖母様。私、私見つけちゃいけない構築式を見つけてしまいました。4次元構築式は上から下への多連続使用で重力加速が可能なんです」


「おや、アーシャはもう見つけてしまったのかい?やはりアーシャはセンスが良いね」


「え!お祖母様はご存知だったのですか?」


「そりゃ気付きますよ。まあ、計算上、最大12Gレベルは出ますからね。

 ふふふ。遠くに水撒く時とかには重宝したんですよ」


「………」


「アーシャの言いたい事はよーく分かるわ。だけど刃物だって使う人間によって凶器にも人の為になる道具にもなるわ。

 要は使う人次第ね。

 だけどアーシャ、私はアーシャを信じてる。だから教えたのよ」


「お祖母様」


「まあ、今回の事故でその危険性を身を持って知ったでしょう?だからアーシャはもう間違えないって私は信じてる」


「はい。お祖母様」


「今はゆっくり休みなさい」


「ありがとうございます。お祖母様」

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