第4話 『四王会議』

GM:準備は良いかな


PL一同:おー


GM:さて、ではやっていきましょうか。真銀物語第四話 『四王会議』


GM:猛獣魔将グロティガとの激戦を終え、君たちはクレイモルに数日滞在している。そんなある日、アイロング王子から話があると呼び出された。


ミミィ:真面目な予感だにゃ(最初から今まで真面目では?)


GM:ずっと真面目だぞ真銀は


ずっと真面目な話をやれているのも、PLさん達の協力あってこそなので、有り難い話です。


アイロング王子:「やあ、よく来てくれた。君たち……というかまあ、ユスティーツェとリーゼロッテに話があってね」


ユスティーツェ:「話?」


ミミィ:「秘書(護衛)だからお気になさらずだにゃ」


アイロング王子:「ああ、今後の話だ。君たちが猛獣魔将を倒したことによって、地方全体の人族国家の士気が上がっているんだ。我々は決して蛮族に蹂躙されるだけではない、とね」


ユスティーツェ:「士気の上昇か、よいことではあるだろうがそれがどうした?」


アイロング王子:「うん。そこで考えたんだけど、各国の王や指導者を集めて、今後邪王軍へ対抗するための会議を開こうと思うんだ。クレイモルから僕の父、ハルシカからマティアーシュ・ヒプシュタル、ギギナールからエルヴィン・クドリチュカ、そしてミストルティアから君たち。この4つの国と指導者を中心とした、名付けて“四王会議”さ。まあ、マティアーシュ氏は王ではないけど、ここは語感的にね」ハハッと誤魔化し笑い


ミミィ:「議長も王様も、国の看板と言う意味では同じだからにゃ」


ヒルダ:そうそうたる面々ね


GM:ってかこの地方の公式NPCが少なすぎる。あと居るのは魔王様の旧友くらいだし蛮王の烙印後だから出せへんし


ミミィ:ルルブの地図も寂しいからにゃ


ヒルダ:まぁそこは生やしてネ!!って事なんでしょうねぇ……


ヒルダのPLさんが言うとおり、それ故にこうしてオリジナルの国家を作りやすいという側面はあるので、一長一短ではあります。


ユスティーツェ:「どのみち殆どの周辺国はいずれ当事者になるだろう、良い案だ」


ミミィ:「(それに向こうから周辺国を巻き込む提案が来るのは願ったり叶ったりだにゃ)」


アイロング王子:「ユスティーツェに賛成してもらえてよかったよ」


ユスティーツェ:「それで?いつになる、あまり悠長にしているわけにもいくまい」


アイロング王子:「なるべく早くするつもりだけど、まずは邪王によって分断された連絡網を繋ぎ直さなくちゃならなくてね。それで、その準備のために、近隣の蛮族達を一掃しようと思っていてね。君たちにも手伝ってほしいんだ。友人を、それこそ冒険者か傭兵のように使うのは気が引けるけど、報酬は弾むし、それに君たちが率先して動いてくれれば宣伝にもなるからね」


ユスティーツェ:「構わん、どうせやる筈だったことだ……じっとしている訳にもいかん」


GM:邪王軍側の現状:我々のことは一旦放置。ミグドノレシアがとある国を攻略中、サーガ、アワンでギギナールを攻略中。邪王とバレトは城で待機


事前に幕間で描写はしていましたが、ここで改めて説明を挟みました。


ヒルダ:今のうちに精々経験点を稼ぐ事ね……


GM:まあそういうこと


アイロング王子:「じゃあ、少し説明をさせてもらう。国内のいくつかの村の周辺の蛮族を倒してほしくてね。君たちに頼みたい村は3つある。距離的にはどれもあまり変わらないからどこから行ってくれても構わないが……まあ、目撃情報や実際に被害のあった村から行って欲しいのはそうだね」


ヒルダ:「なるほどね?」


リファー:「成程」


ミミィ:「ふむふむ、これは武勇伝の稼ぎ時ですにゃ」


PL達には、以下のようなメモを見せました。


村は3つある。仮にABCで呼称




村A:現状、被害は無い。目撃情報はあるにはあるが、精々がゴブリン程度で、それも村の戦力だけで対処出来ているらしい。




村B:昨今一番被害報告が多く、強力な蛮族が指揮を執っているとの報告もある。




村C:被害は無いが、目撃情報が多く報告され、何か大きな動きがあるのではないかと囁かれている。


どのような順番でどの村に向かうかによって、シナリオの展開が変化するというシナリオです。


ヒルダ:CorBから攻めるが吉……と言いたい所だけど、基本情報だけだとちょっと怖いわね。城下で聞き込みとかもしてから向かうとしましょう?


GM:OK、まあ色々やってみていいよ


ヒルダ:踊り子で聞き込み振っていいkしら?


GM:いいよー


聞き込み判定は任意の技能+知力Bと表記されているため、私達の間で行われるセッションでは一般技能でも積極的に振って良いことにしています。高くても5レベルのため、序盤は良い具合に助けになる、程度になっていると思っています。


ミミィ:大きな動きの予感についてはこのご時世、広い範囲について考えときたいところだにゃ


ユスティーツェ:「被害が報告の出ている場所から向かうべきだろうが……もう少し情報が欲しいところだな」


ユスティーツェ:というわけで聞き込みとかするか


元々聞き込み判定は想定していなかったのもあり、特に場所や技能の指定などによるボーナスやペナルティ修正などは与えず、振って貰いました。

結果、全体的に出目が良かったのですが、なんとリファーが6ゾロを振り、自動成功。こういった予定していなかった場での自動成功は、どう処理すべきか少し悩みます。結果、それぞれの村の状況をそれなりに細かく描写することに。


GM:Aの村はドワーフを中心とした鍛冶師の村ですね。今は武器を売って戦費を集めているそうです


GM:Bは農村です。防衛力もあまり無いので兵士を送っていますが、それでもやっぱり土台が無いので厳しいみたいな具合。ここが落ちると、Aもヤバそう。あと敵の指揮官が焦っているような雰囲気を感じたという話も聞けます


GM:Cは小さい街って感じで、防衛力は十分なのでそうそう正面から落とされることは無さそうなんですが、ちょくちょく斥候的な蛮族が偵察に来てるらしく、不安。


GM:こんな感じかな


ヒルダ:ふーむ……やっぱこうなるとBからかなぁ、危急だしね


リファー:まあBが危険そうな感じはある


ユスティーツェ:とりあえずBかな?


GM:国としてどこが落ちたらヤバいかの優先度はC>A>Bということは付け加えておく


ヒルダ:B→C→Aを基本理念としつつ状況に応じて臨機応変に対応しよう。行き当たりばったりということではないか!!(セルフツッコミ)


一同:(笑)


まあ、SW2.5のシナリオにおいて、特に低レベルのPCがGMの想定を越えて何かをするというのは難しいので、行き当たりばったりは仕方ないところではあります。


ミミィ:寧ろ自分らが行く優先度下げていい、ということでもあるかなCの防衛優先度の高さ


ヒルダ:落ちるとヤバイは落ちるフラグだから


ミミィ:それは言ってはいけない


ユスティーツェ:既にいろいろ入り込んでそう


こういった予想をPL達にされた時、GMに出来るのは「さあどうでしょう」と言って、精々意味深な笑みを浮かべるくらいです。


GM:ではBの村に向かいましょう。道中は特にイベントとか作ってないのでカットで


GM:Bの村です。今は大丈夫そうですが、火をつけられたのか焼けた家屋などが目立ちますね。村の入り口で君たちのことを話すと、村長か村に来た兵士達に話を聞いてくれということを言われます。どっちに会う?


ミミィ:「大分やられてますにゃあ村の方」


ヒルダ:まぁ筋を通しに村長かなぁ


GM:了解


村長:「私が村長です」


ヒルダ:お兄様に任せよう


リーゼロッテ:喋る隙間が無い妹に救いの手を


一同:(笑)


如何せんGMとPLを兼任していると、GMのPCが喋る部分から削られていってしまうものです。特にNPCと会話させるとただの一人遊びになってしまうため、NPCが多く出演するこのキャンペーンでは、無口な雰囲気のユスティーツェより無口になってしまっています。


村長:「あなた方が話に聞くミストルティアの……いやはや、お会いできて光栄ですじゃ」


ユスティーツェ:「蛮族の襲撃があったと聞いた。被害の状況と、何に襲われたかを聞きたい」


村長:「連中はこの村を完全に滅ぼす気のようですじゃ。女子供を隠し、男達総出で対抗しておりますし、兵隊さん達にも来て貰ってますが、如何せん状況は好転しませんな」


村長:「蛮族の親玉は炎を使っておりましたな、種類はわかりませんが……」セージ1知力B2くらいの人


リファー:「炎……」


余談ですが、リファーのPLさんは他のセッションでもこうしてNPCが言ったことをオウム返しするキャラを作ることが多く(そして、その多くが理解出来ていないまま適当にオウム返ししています)、大賢者がこういったことを言う度「本当にわかってる大賢者?」と聞かれていました「大賢者はわかってるよ!」と反論されるのが常でしたが


ユスティーツェ:「……となれば、首領を潰すのが早いか」


ミミィ:「親玉の炎が村の家々を焼いたのかにゃ?」


村長:「ええ、そうです。消火に手こずり、全焼した家もあります。正直、それが一番辛いですな」


リーゼロッテ:「そうですね……村の防備を固めて迎え撃ちますか?」


ヒルダ:「迎え撃つにしても正直言って不安ね……焔を使われるとなるとそれこそ土を盛るくらいしか対応策が無いものね?鉄や石で防衛線が築けるのなら問題無いけれど……流石に一朝一夕で用意するのは不可能だしね?」


PLを騙すつもりは毛頭ありませんが、リーゼロッテが提案することは大体が次善の策になるくらいのバランス感覚で発言しています。あまりヒントを与えすぎてもつまらなくなってしまうので、中々難しいところです。


ユスティーツェ:「もう少し情報が欲しい、実際に戦った兵士にも話を聞きたい」


村長:「では、仮の詰所にご案内致します」


GM:~兵士詰所~


モブ兵士1:「ややっ!これはこれは、まさかミストルティアの王子様が直接出向いてくるとは!」


モブ兵士2:「望外の幸運」


ミミィ:モブ兵士に混ざろうとしてボブ兵士って打ちかけたので供養するにゃ


一同:(笑)


モブ兵士3(ミミィ):「ゴクリ……あれが噂の剣か……」


GM:混じるな混じるな(笑)


ヒルダ:さぁ王子!!ファンサの時間ですよ!!


ユスティーツェ:この男はファンサしないから……


モブ兵士1:「それで、何用でしょうか?」


モブ兵士2:「質問の要求」


ユスティーツェ:「ここを襲撃した蛮族の情報が欲しい」


モブ兵士:「なるほど。そうですね、親玉の話はもうお聞きになりましたか?」


モブ兵士2:「爆炎の遣い手」


ユスティーツェ:「…………(微妙な顔)※モブ兵士2の口調に対して……炎を使うという事はな、風貌など詳細なものを知りたい」


モブ兵士1:「肌は白く、全身に奇妙な刺青を入れていましたね」


モブ兵士2:「眼球の刻印」


ミミィ:「そっちの喋り方はなにかにゃ、他所の地方出身なのかにゃ?」


モブ兵士2:「神与の運命」


特に変なキャラを出す予定はなかったのですが、最初に「望外の幸運」と言ったせいでなんとなく〇〇の〇〇、という構文でしか喋らないキャラが誕生してしまいました。


ヒルダ:「……恐らく、アルボル……かしらね?」


リーゼロッテ:「アル、ボル……?」魔物知識判定出来ない子


リファー:「アルボル……」魔物知識判定できる?


GM:名前出たししていいよ。知名度だけね


こうして、PLないしPCがメタ知識を使って予想を立て、発言することは特に禁止していません。それによって面白さが損なわれることはないと考えています。


ヒルダ:(コロコロ……)(出目3)(失敗)出目ェ!!


ミミィ:(コロコロ……)(出目7)(失敗)


リファー:(コロコロ……)(出目11)(成功)


GM:大賢者めっちゃ知ってる


ミミィ:大★賢★者


ヒルダ:「ごめんなさい、詳細は知らないのだけれどね?ドワーフが武具を鍛える為に焼いた木々に宿った怨念がイグニスの加護を得て復活したと言われる蛮族なのよね?」


ミミィ:「確か蛮族版メリアって聞いた覚えがあるにゃ」


ヒルダ:「えぇ。今でも彼等を憎んでるらしいわね?」


ヒルダ:やっぱりユーカリじゃない……!


リファー:「えぇ、憎んでいる割にはドワーフに彼らの炎は通じませんがね」


モブ兵士1:「なるほど、そんな蛮族が」


モブ兵士2:「深淵の知識」


ミミィ:「————――」あっという顔


リーゼロッテ:「ドワーフ、ですか。そういえば訪問する村の中にドワーフの村があるとか」


アルボルはモンストラスロアで新登場した蛮族で、詳細はヒルダとミミィが言っている通りです。ヒルダの言うとおり、ユーカリはコアラの主食として有名ですが、自然に発火する植物としても知られており、私達の間では「アルボルはユーカリのメリアなのでは?(メリアと繁殖出来るし)」という説が出ています。


ヒルダ:「……ナオ?」


リーゼロッテ:「ミミィさん?何か?」


ユスティーツェ:「…………」思うところがあるのか瞑目している


ミミィ:「こっちが落ちたらそのドワーフの村も危なそう、みたいな話、聞かなかったかにゃ?」


ヒルダ:「……なるほどね?此処は橋頭堡というワケね?」


リーゼロッテ:「そう、ですね」


ヒルダ:「となれば、なおの事此処を落とされるワケにはいかないわね?ミストルティアが陥落した今、この国にとってドワーフの工房は最重要拠点だものね?」


モブ兵士2:「流石の慧眼」


ミミィ:「もしも勝てなかった時はナオは何も知らなかったことにするにゃ」


ユスティーツェ:「出来ればこちらから打って出たいところだが……」


モブ兵士1:「近くの森に拠点を構えていそうだということは予想がついています」


モブ兵士2:「暗黒の森林」


ヒルダ:「……なら、突っ込むのが一番かしらねぇ?」


モブ兵士2:「武運の祈祷」


ヒルダ:「大体どっちの方から来るか分かるかしら?」


モブ兵士2:「北西の方角」


ヒルダ:「ありがとうね?」


モブ兵士2:「望外の幸運」顔を赤らめながら


ヒルダ:うふふ……スラっとした美人なおねーさんはこういう時……得!!(素に戻って)……最悪な中の人だなぁ


GM:(笑)


まあ打算的なところも冒険者には必要ということで一つ


ヒルダ:じゃあ探索するとしますか!!買い物とか特に無いわよね?


一同:ないね


GM:ではまあサクッと探索判定どうぞ


しかしここは全員出目が悪く、潜んでいる毒蛇に気が付きませんでした


GM:生命抵抗振ってね


リーゼロッテのミミィの出目が悪く失敗。ヒルダは自身の剣の恩寵まで使ってダメージを回避します。そして、一番生命抵抗力の低いリファーはというと


リファー:(コロコロ……)(出目11)(余裕の成功)


ミミィ:大賢者お前


ヒルダ:大賢者、無駄に……?格が高い


この時気付いていなかったのですが、毒蛇は当然毒属性のためエルフであるリファーは耐性がありました。まあどちらにせよ判定は成功なのですが。


GM:失敗した人だけダメージ食らってね(コロコロ……)9点


リファー:喰らってたら半分持ってかれてたんですが


リーゼロッテ:「つっ……!」


ミミィ:「ビミャ!?」髪の毛が逆立つ


ヒルダ:「フッ!!皆、大丈夫!?」毒蛇を蹴り潰しながら


ユスティーツェ:「……毒蛇か、見せてみろ」


リーゼロッテ:「す、すみませんお兄様、平気ですから、進みましょう」


ユスティーツェ:MPに余裕あるしこっちが回復するか※全然神聖魔法使ってませんがユスティーツェは神官


ユスティーツェ:「放っておけば膿むぞ、無理をするな」


ヒルダ:「平気なワケ無いわね?私達ならともかく、貴方達には厳しい毒でしょうからね?」


ヒルダ:リプロデューサーが欲しい。ナチュラルパワーリプロデューサー、非戦闘時には犯罪と評判


ミミィ:ナチュパで踏み倒す戦闘外、脱法感すごいからにゃ


リプロデューサーは補助動作使用出来、毎ラウンド一定のHPを回復する魔法であり、ナチュラルパワーは主動作でドルイド用の一時的なMPを得る魔法です。これらを組み合わせることにより、戦闘外ではほとんど消費無くHPを回復することが可能になります。

さて、ユスティーツェのキュア・ウーンズは無事二人を全快させます。


ミミィ:「手間かけたにゃ。魔力が足りなそうだったら言ってほしいにゃ」レンジャーなので


ヒルダ:まぁ及第点って感じかしら……やはりメインスカウトは大事ね、今回の事でそれが分かったわ、蛇感謝(踏みつぶしながら)


スカウトは大事。SWをやっていると、幾度となく再確認することになります。


GM:ではそんなハプニングはありましたが、拠点を発見しました。まあ簡易なものです。最低限寝床があるだけみたいな。数体の蛮族がいます。親玉の特徴と一致するのもいますね


ミミィ:「あれかにゃ」小声


ヒルダ:「……みたいね?」


ヒルダ:アンブッシュ※不意打ちの意は一回までなら許される


GM:アンブッシュするなら隠密だぜ


リファー:ヘッショ……ヘッショ……※ヘッドショットの意


ヒルダ:あ、ダメね。私隠密3しかないわ。(素に戻って)マジ??????


リーゼロッテ:「蛮族相手とはいえ不意打ちというのは、少し気が引けますが」


ヒルダ:あ、4だった。よっしゃ!!隠密や!!(掌返し)


GM:成功したら不意打ち(自動先制、敵の行為判定-2)出来たでいいけど、失敗したら前衛スタートね


リーゼロッテの苦言は軽く無視され(GMとしては全く構いませんが)、スカウト持ちが隠密判定を振りだします。

しかし、魔力基準で危険感知判定を振ったアルボルにあっさり気付かれます。


GM:はい。どっちも気付かれた


ヒルダ:ダメだった。そういえば格上だったわね


アルボル:「それで不意を打ったつもりか?」


ヒルダ:「―――――――ッ!!」


戦闘の処理に入り、全員で魔物知識判定を振ることになります。無事成功し、シールドフッドとゴブリンシャーマンを引き連れていることがわかりました。ここでもリファーの出目がやたら良く、アルボル以外の弱点はバッチリ見抜かれてしまいます。逆にアルボルに対する出目だけは4と低く、なんと知名度もまともに抜けません。


ミミィ:めっちゃ祝福されてないかにゃ大賢者


リファー:なんでさっき(アルボルのこと)分かってたのに急に分からないんですか


ミミィ:しかし強いですにゃこいつら


メインアタッカーとそれをかばう盾、そしてマジックユーザーと、王道にして最強の構成です。なんだかんだ、こういったオーソドックスな構成が一番対処しにくいものです。


GM:まあ先制判定どうぞ


先制はヒルダが1足りずヒヤッとしましたが、ユスティーツェとリーゼロッテが危なげなく取得。戦闘開始と相成ります。

この時点でユスティーツェがヒート・ウェポン(補助動作、戦闘準備で武器を火属性化、ダメージ+2)を習得し、火力が更に上がっています。ユスティーツェは当然これを戦闘準備で使用。


GM:戦闘準備でフッドはアルボルをかばいます


リーゼロッテ:セイクリッド・ウェポン(蛮族に対し命中+1、打撃点+2)かけます。(コロコロ……)かかった


主な敵を蛮族に設定していると、このようにセイクリッド系の魔法が使えるため、多少レベルを盛ってしまってもなんとかなることが多く、GMとしては事故が減るのでやりやすくなります。


ユスティーツェ:マッスルベアー使ってアルボルに魔力撃


GM:シールドフッドがかばいます


かばったので自動命中し、適用ダメージは26点。いくら大盾を構えているとはいえ、フッドに耐えられるものではありません。


GM:盾ごと両断された


ヒルダ:これは盾割り


続いてミミィがヒルダに命中バフをかけ、ヒルダの手番


ヒルダ:今の命中バフがセイポンウイングフライヤーキャッツアイ導きで+4ね


ミミィ:あとヴォーパルウェポンBも投げとくにゃ


GM:剣の恩寵も切っちゃうという手もある


ヒルダ:そうね


ヒルダ:「不意討ちは通らなかったけど……これならどうかしら……ねッ!!」


アルボル:「チッ、忌まわしいドワーフ共より先に貴様等を焼いてくれる!」


ミミィ:恩寵囮投げ、アドバンテージしかないにゃ


盛大な命中バフが乗った攻撃を避けられるはずもなく、啖呵を切ったアルボルは無様に転がされます。続いてリファーがそこに矢を射かけます。


リファー:(コロコロ……)(出目3)


GM:それなら避けるかも(コロコロ……)(ピンゾロ)なんでだよ!!


リファー:愛されている


ミミィ:セッション通して天を味方にするにゃ!!


狙ったように約2.7パーセントを引くとは。GMの運が悪いのかリファーの運が良いのか。あるいはどっちもなのか……

リファーの放った弓は、イメージに反してかなりの打点を出します


ミミィ:弓、物理だから色々とバフが乗る


これにはアルボルも怒ったのか、ランダムで対象を決めたところリファーに矛先が向きます。フレイムアローを撃つものの、転倒で行使は下がっており、リファーの精神の高さも相まって、あえなく抵抗されます。


GM:マジかこいつ


リファー:精神ならあるんですよ


マルチアクション分の物理攻撃はきっちりユスティーツェに命中し、そこそこのダメージ。物理の方が効いてる程。そして最後にゴブリンシャーマンのターン。


GM:やるか……パニックラン……


パニックランとは闇の妖精魔法であり、かかった相手を強制的に逃げ出すよう仕向けることの出来る魔法です。これ一つで戦闘が終わってしまうタイプの魔法であり、私達のプレイグループではGMもPLも極力使わないよう心がけているのですが、最後に一波乱くらい起こしたいという気持ちで封を切りました。


GM:上振れ狙って行使判定は振ります


しかしこれはGMの期待に添えず期待値。とはいえ、前衛二人はどちらも精神抵抗がそう高くないため、十分に抵抗を貫通する目はあります。


ユスティーツェ:「小癪な……!」


ユスティーツェは剣の恩寵も使い、ギリギリで抵抗。しかし最初に恩寵を切ってしまったヒルダにはバッチリかかり、次のラウンドの行動をほとんど封じ、手番が返ります。


リーゼロッテ:とりあえず回復しまーす


ヒルダ:乱戦離脱宣言しなきゃいけないからウイングフライヤーをユスティーツェに


このターンヒルダは戦力に数えられないため、ユスティーツェに様々なバフが集中します。


ミミィ:ヴォーパルウェポン投げて、一応占う?※占瞳で命中バフを与えるか否かの問い


占瞳もバッチリ貰い、ユスティーツェの魔力撃が炸裂します。続いてリファーの弓も命中しますが、ギリギリで踏みとどまり、ターン終了。

返しの手番、シャーマンはアルボルを回復し、アルボルもマルチアクションで抵抗しますが、最早勝負は決したも同然。


ユスティーツェ:真の銀の剣魔力撃


トドメとばかりに真銀王の剣による攻撃が繰り出されます。


GM:誰だ必中効果のある魔剣をよりにもよって魔力撃ファイターに渡したの


ユスティーツェ:お前だが


はい。続いてリファーの弓の命中です。


リファー:(コロコロ……)(出目5)


GM:今度こそ(コロコロ……)(出目4)


ヒルダ:(笑)


ユスティーツェ:ダイスの女神、贔屓しまくってる


威力表の出目も良く、これにてアルボル撃墜。


アルボル:「ぐあっ、ま、まさか真銀王の剣がこんな所にィィッ!」


ヒルダ:よっしゃ!!死ねゴブリンシャーマン!!!!!!!!走り寄って囮キック!!


相当恨みが溜まっていたようです。一発目は回避されますが、囮攻撃の効果で二発目は命中。貧弱なゴブリンシャーマンの肉体に蹴りが吸い込まれます。返しでフレイムアローを叩き込みますが、これはリーゼロッテが恩寵を使い抵抗。


リーゼロッテ:「ヒルダさん、耐えてください!」


ヒルダ:「ッ……!!わかったわ、ねッ!!」


そのまま手番を返し、再びヒルダの囮投げ。


ヒルダ:(コロコロ……)(出目5)出目が奮わんなあ


GM:(コロコロ……)(ピンゾロ)


ミミィ:GMが全く奮わないのでセーフ


GM:泣いていい?


続いてなんとユスティーツェの魔力撃が6ゾロで命中し、シャーマンのHPが吹き飛ばされます。


ヒルダ:真の銀の剣即リキャストは犯罪でしょ


ホントだよ


GM:では勝ちだ


ヒルダ:「あいたた……ちょっと燃えちゃったわね」


ミミィ:よし、富を導こう……いやもたらすんだったにゃ※戦利品判定の固定値を上げる占瞳の名前が幸運は富をもたらす


しかし、ミミィの占瞳で固定値が上がったのにも関わらず、出目が低く、まともな素材が出ません。


ヒルダ:は?※剥いでいた張本人


GM:合計260ガメルっすね。では村に帰って報告しましょう。しました


ダイスの結果に逆らえるのは種族:人間だけですから、こればかりは仕方ありません。


モブ兵士2:「無限の感謝」


村長:「私が村長です。ありがとうございました」


モブ兵士1:「流石は猛獣魔将を倒した英雄様方だ!」


ユスティーツェ:「…………」


ここでユスティーツェが無言なのは、恐らく英雄と呼ばれることにまだ抵抗感があるからでしょう。彼は自分の目的のために敵を倒しているに過ぎないわけですから。


村長:「お疲れでしょう、一晩休むとよろしい」


ヒルダ:警戒しながらスヤァしましょう


リファー:メリアが……メリアがいれば……


GM:まあ何事もなく眠れるよ(笑)


流石にここまできて意地悪は致しませんとも


GM:では翌日。どっち行きます?


ヒルダ:Cに行きますかぁ……


ユスティーツェ:Cかな


ミミィ:多分Cだにゃ。


リファー:うむ


GM:ですな


満場一致でCへ。


GM:ではCです。広くて大きめの街です。賑やか


ヒルダ:あ、あとね


GM:はいはい


ヒルダ;ピジョン・メール飛ばします


GM:あーはいはい


ヒルダ:討伐報告をアイロング王子に


ピジョン・メールはそれなりに遠くまで手紙を届けることが出来る魔法です。ここで態々連絡をしなくとも特にシナリオに影響はありませんが、こういった細かいこだわりのあるロールプレイは好きです。


GM:じゃあ鳥は飛んでいった


GM:改めてCの街です。何します?


ヒルダ:責任者に面通しするわ


ミミィ:まぁ、そうなるにゃ。


GM:はい。じゃあ町長さんと自警団の団長さんが出てくるよ


町長:「私が町長です」


団長:「私が団長です」


一同:(笑)


ヒルダ:様式美ね


ミミィ:「復唱かにゃ?」


団長:「蛮族については私から。えーと、確か北の方でよく見つかっているとか。その、ゴブリンとかが」曖昧な口調


ヒルダ:……


ミミィ:……


ユスティーツェ:「……随分と曖昧だな」


まあ、あからさまに怪しまれるようGMもロールしています。


団長:「はい。君たちに倒して貰いたいわけです」


ヒルダ:無言で圧力を掛けていきましょう


団長:「な、なんでしょう」


町長:「私が町長です」


ミミィ:「どこか具合でも悪いのかにゃ? ちょっと背後霊を占ってみるかにゃ?」


団長:「い、いや結構です」


ヒルダ:「……多くの目撃情報があったと聴いたのだけれどね?――――――その割には、随分杜撰な情報しか無いように見えるのだけれどね?」


団長:「そうですね、いっぱい。あ、でもほら、市民からの報告を全て真に受けて確認していると人手が足りないので、ハイ」


リファー:言いたいことはわかります


団長:「こちらも断腸の思いでね」ダンチョウだけに


一同:(苦笑)


ヒルダ:真偽判定いこうかしらね


ユスティーツェ:「…………」(拳を握ったり開いたりしている)(ギチギチ音が鳴っている)


ミミィ:「ふむふむ。ほーほーほー、これはこれは大変な……」 オーブ越しに真偽判定をだな(?)


リーゼロッテ:「……?」なんか変な人だなーくらいにしか思っていない


町長:「私が町長です」


さて、真偽判定。団長側もダイスを振って隠蔽を試みます。


ヒルダ:(コロコロ……)(出目9)(達成値15)


団長:(コロコロ……)(出目11)(達成値15)


GM:あっ


ヒルダ:一般人ならまずは抜けない筈よ……は?


この場合団長が受動側になるので、このままではわかりません


ヒルダ:ナオー


ミミィ:(コロコロ……)(出目7)(達成値14)指輪割って抜くにゃ


リファー:急に目の前で指輪割れたら向こうもびっくりしそう


かなりドキドキしましたがなんとか成功。良かった。


GM:いやまあ、全部出鱈目っすね。あ、町長は本当のことを言ってます


町長:「私が町長です」


リファー:「それは聞きました、三度ほど」


ヒルダ:よーし絞めましょ


ヒルダ:「……ナオ、どう?」


ミミィ:「おっと失礼、力の入れ過ぎで指輪が……ニャニャッ!」


ヒルダ・トムソン:「――――――OK。町長さん、ちょっと下がっていらしてね?」


ユスティーツェ:「────正確な報告と、スープと粥しか飲めない生活、どちらがいいか言ってみろ」


団長:「私は人間の心臓が食べ……あっ」


ヒルダ:「ギルティ」


ユスティーツェ:「そうか、死ね」


ミミィ:「見えましたにゃ、貴方には嘘吐きの霊が憑いてますにゃ、ナオたちが今すぐ祓ってみせますにゃ」


団長:「ちくしょ~ッ!やっぱ無理に決まってるんだよなァ~ッ!頭が良いのはアンタだけなんだよアルボルの旦那よう!!」レッサーオーガです


ヒルダ:なるほど。Bが本隊でコッチで時間稼ぎしてたのね


リファー:なるほど


レッサーオーガは人の心臓を食べて、食べた人の姿になれるという蛮族です。こういった感じで、色々なシナリオで使い甲斐があります。


団長:「テメエらも手ェ貸せ!」後ろから更に蛮族が数体


GM:一体はシールドフッド


ヒルダ:シールドフッド(笑)


笑って差し上げるな。初期作成相手とかだと平気で詰ませかねないエネミーなんだぞ。


GM:もう一体はなんかデカいやつ。どこ隠れてたの君?


一同:(笑)


ミミィ:こう、倉庫かなにかにだな


魔物知識の結果、デカいのはトロールだということが判明。シナリオ的には先程のアルボル達がボスだったため、ちょっと弱めです。

戦闘開始されますが、まあ消化試合。ダイジェストでお送りします


ユスティーツェ:レッサーオーガに魔力撃(コロコロ……)


GM:まあ当たる


ユスティーツェ:(コロコロ……コロコロ……コロコロ……)2回転して52点


一同:(笑)


GM:死


リーゼロッテ:「ひやっ!?」


ユスティーツェ:真っ二つになったな……


ヒルダ:大賢者ー、弓ー


リファー:はいはい弓(コロコロ……)(6ゾロ)


ミミィ:寵愛を一心に受けてる


こんな具合で、PC達の出目も良く、2ラウンドほどであっさり決着。


町長:「私が町長です……」感謝しているらしい


ミミィ:「お、おう、気の抜ける挨拶どうもにゃ……」


GM:では最後の村に行きましょう


ヒルダ:というワケでレッサーオーガに成り代わられてたので代理を寄越してくださいとピジョンメールを送ります


ミミィ:便利だにゃー


GM:最後の村だぜ、ドワドワしているぜ


ドワーフの鍛冶師:「おう、あんた達がミストルティアの王子様ご一行かい?良く来てくれたな、ほれ、約束の戦費だ、あんたらで使ってくれ、話は通ってる」一人3000ガメル貰えるよ


この村は後回しにすればするほど貰えるお金の量が増えるというイベントが起こる村でした。最後に来たため見事に最大額をゲット。


ヒルダ:ごっつあんです


ドワーフの鍛冶師:「武器に困ったら俺達に相談してくれよ。おかげさまで今のところ平和だが、やはりミストルティアが滅んだのは大きいな、質の良いミスリルが手に入りづらくなった。王子様が持ってる剣より良いものを作るのは、まあほぼ無理だろうなぁ」


ユスティーツェ:「……そうか」


ヒルダ:そもそも作れるのかしら……


GM:今の技術で作るのは無理だな。魔法文明時代の品であることに間違い無いので


リーゼロッテ:「真銀王の剣は、王家に伝わる宝ですから、そう簡単に超えられても困りますが……」


ドワーフの鍛冶師:「ああ、いやしかし、あの銀山に籠もってる偏屈な鍛冶師ならあるいは……」


ヒルダ:「さて、此処は何か問題は起きてたりするのかしらね?」


ドワーフの鍛冶師:「問題とかはとくにねえよ、ちっと蛮族が出たりしたが、それも群れからはぐれたヤツだったみたいだしな」


ヒルダ:「ふむふむ……となると、やっぱりあのアルボルが親玉だったみたいね?」


ユスティーツェ:「今のところではあるが、蛮族の心配は無いだろうな」


ドワーフの鍛冶師:「まあ、なんかあったらこっちだって報告するさ。もう帰ってくれて大丈夫だぜ。武器や防具を見たいってんならあそこだ」武具が売ってる店を指さす


ヒルダ:「報告も兼ねて一晩泊ってきたいわね……ふぁ……」毎回MPがカラッケツなヒルダさん


ドワーフの鍛冶師:「ならウチに泊まっていきな、美味い料理を食わせてやるよ」


ヒルダ:「あらあら、嬉しいお誘いね?」ドワーフ料理だー!


ミミィ:「ドワーフ料理は楽しめそうだにゃ♪」


リファー:(素に戻って)どわーふたべる……?


GM:食うな


ユスティーツェ:食わんが……


ドワーフ“を”使った料理ではなくドワーフ“が”作った料理です。当然。


GM:ではまあ、一晩ゆっくり過ごして君たちはクレイモルへと帰還します。アイロング王子から報酬が支払われまして、四王会議の準備が進んでいきます


GM:ということで今回は終わり!


一同:お疲れ様でしたー


今回の経験点は3000+270点。お金は5000とドワーフ村から3000と剥ぎ取り226で8226ガメル。名誉点が30点となりました。


5レベルになるPCも登場してきて、序盤一番楽しいレベル帯(そしてGMが無理をさせて事故が起こりやすいレベル帯でもあります)になってきます。データが複雑になる分、計算ミスや処理の間違いなども起こりがちになってきますが、それはまた、その時に解説します。では、また次回。今回以降、しばらく幕間はありません。

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