第5話 恐鬼襲来~attack of the fear~
1.
「ギャアアアアアアアアアアア!?」
ある夜の人気のない河川敷に突如響く断末魔の如き悲鳴。
絶叫を上げた“モノ”は既になく、その痕跡の近くには1つの影がある。
その何か念仏の様な言葉を奔らせた後、更に言葉を外に出す。
「オオ・・・、オオオ・・・!!」
それは嘆きか、それは哀しみか。
しかしそれは己でもいなくなった“モノ”に対してのことではなかった。
悲嘆らしき言葉の中には“怒り”とも言える感情が見え隠れしていた。
「なんたる御無体、なんたる理不尽・・・!また一つ、無辜たる生命が
この世より散華してしまった!!ああ、ああ・・・なんということか・・・!」
芝居掛った様などこか浮世離れの様な他人事とも
捉えることのできる感じでその影は言葉を吐く。
「だが安心めされい。ソナタの無念、ソナタの残念、ソナタの怨念。
全て総て統べて拙僧が受け継ごう。心無き機械の怪物にもなれなかったソナタの憎悪を拙僧が引き継ごう。だから安心してすべてに怒れるがよろしい。」
そう言いながらその場に存在していた“モノ”に対して『形だけの弔い』を行った。
雲に隠れていた月が姿を現し、その月光が眼下の土地を照らし出す。
月の光に照らされてその影がクッキリと全容を露にする。
容姿としては僧侶と形容できるものであったがその体躯は筋骨隆々としており、
その全高は2メートルをゆうに超えていた。
全身は衣装を含めるとおよそ真っ当な僧侶とは言い難く、
破戒僧と形容すべき意匠だ。
そこにもう一つ、その怪僧とは異なる別の存在が現れた。
月の光を背景に土手から新たな影―――レイアムが怪僧に声を掛ける。
「やあカイテン。今夜も励んでいるようだね」
「これはこれはレイアム殿。拙僧に何用で?」
カイテンと呼ばれた怪僧は振り向くと同時にレイアムへ質問を投げる。
質問に答えるべくレイアムは口を開き、言葉を表す。
「なに、とても簡単なことだよ。キミに動いてもらいたいと思ってね。」
「ほほう・・・拙僧を、いや“拙僧ら”を動かす程のことですな?」
ああ、とレイアムはカイテンの言葉に頷く。
「相手はデモンデウス。ボクの言おうとしていることはわかるよね」
「理解できまするがよろしいのですかね?場合によってはかの魔神を殺すことになっても」
「その程度で死ぬのであればそれまでのことだ。好きにやって構わないよ」
レイアムの言葉に怪僧の表情は酷く歪んだ笑みを浮かべていた。
2.
教室の一角でアキラは机に突っ伏している。
朝からこの調子―――という訳ではないがこの前の一件がきっかけなのは確かである。
時間はレイアムとの邂逅及び機怪化獣達を蹴散らせた後まで遡る。
アキラはデモンデウスから元の姿へと戻ったゴウとケンに近寄っていく。
「二人共、大丈夫ですか!?」
「ああ、問題ないよ」
「・・・・・・」
アキラの言葉にケンは答えるもゴウは沈黙で応えた。
それに若干不安を感じたアキラであったがレイアムに傷つけられた胸のことを思い出す。
「そ、そうだゴウさんの傷の手当てを」
「―――いらねぇよ」
ゴウはぶっきらぼうに言いながらアキラの方へと胸を見せる。
彼の胸には切り傷どころか攻撃を受けたと思しき様子もなかった。
「傷が・・・・・ない?」
「あの程度の傷は今のゴウならすぐに治るよ」
「――――――」
無言のままゴウは背を向ける。
特に大事はないとアキラは胸をなでおろす感じではあったがそれを口に態度で示すことはなかった。
それ以上に彼から聞かなければいけないという気持ちが強かったからだ。
「あの・・・・・さっきの人」
「うん?」
「レイアムって人とゴウさんはどういう関係です?」
その言葉に無表情ながらもゴウの纏う空気が変わったとアキラは思った。
ゴウとレイアムの関係はよく分からない。
だけどもあの時のゴウの様子は。
「・・・・・・」
「――――――」
お互いに沈黙を貫く。
聞くべきではないと思ってはいる。
けれども聞かなければいけないとも考えてもいた。
重い静寂が続く。・・・が、それも長く続かなかった。
ゴウは冷徹ともいえる様な表情をしてそのまま立ち去ろうとする。
「え、ちょっと!?」
アキラが声を上げてゴウを引き留めようとするも彼は振り返らず。
「来るな」
「――――ッ!!」
感情を伴わない冷たい言葉にアキラは全身を強張らせる。
背中しか見えてないが彼の言葉は鋭い切れ味のナイフの様な恐ろしさを感じ取らせた。
表情はわからないが背中越しから彼のレイアムに向けていた怒りとも言える感情が
ひしひしと伝わってる。
アキラは言葉を出そうとするも発する威圧感(プレッシャー)から口が上手く動かない。
身体だけでなく魂すらも引き裂かれる様なそんな錯覚を抱かせる程の重さ。
一瞬の沈黙の後、ゴウはアキラに一度も振り返らずにその場を後にするよう歩き出す。
ケンもまたそれに付随する様に踵を返し、歩んでいく。
立ち去っていく二人を何も言えずに見届ける彼女にゴウは僅かに聞こえるだろう小さい声で
「もう、これ以上俺たちに関わるな・・・」
そう言ったのを呆然としながらもアキラは聞くのであった。
「どったのアッキー?」
「自分の無力を改めて自覚して打ちひしがれている所存でございます・・・・・」
時間は戻り、教室の机に突っ伏しているアキラに友人のルミコが声を掛ける。
ううー・・・、と無気力なうめき声を上げているアキラを見てルミコは
彼女の状態を察して言葉を投げる。
「なんというか・・・・・重症みたいだね」
「――――はい。今日は多分立ち直れないと思うから放置してもいいからね」
「それではいそうですか、と言うのもどうかと思うけども今のアンタはそれでいいかもね。ホントは今日いろいろと遊びたかったんだけども仕方ないね」
「ごめん。今度また誘ってくれれば」
「OK。無理に誘っても気分が良くなることも無いからね。気にしなくてもいいから」
そう言う友人にありがとう、と心の中で感謝しながらうつ伏せのままアキラは
昨日のことを再び思い返す。
ゴウの態度。
アレはこれ以上、アキラを巻き込まないとする感じの拒絶だけではなく、
別の意味合いも含まれていると思うがそれでもあそこまでの敵意に近いものを
向けられたのは恐怖も感じていた。
しかし、1日経ったこともあったのかどうかはわからないがショックだったのは
事実だが徐々にイラ立ちの様な感情も沸々と湧き上がってる。
(別にあの人のことを意識している訳じゃないけども、正直ムカムカもしている・・・・・)
そんなイラ立ちを表には出さない様にしつつ、学校を過ごすのであった。
3.
学校も終わり、友人と別れたアキラは真っ直ぐ家路に着く、訳もなかった。
理由は言うまでもなく、ゴウとケンにそしてレイアムのことだ。
あの3人に対しては何故か気持ちが高まっており、彼らが自分を
どうにか遠ざけようとしていたとしてもこのまま消化不良としておくのは
正直ガマンできるほど忍耐は高い方ではない。
「よし・・・・・!」
そう決心した彼女はさっそく行動に移すべく、あの公園へと向かうのであった。
だからといってゴウとケンに会える・・・訳がなかった。
「――――簡単にいけば苦労はしないよね・・・・・」
案の定ではあるが会えなかった。
本当は連絡ができればまだ話は変わったのかもしれないが
スマホにアドレスを登録しているとはいえ、こっちからの応答は反応してくれない。
レイアムより前の“例の3人組”とのひと悶着の後にケンから教えて貰った。
というかされたと言うべきだろう。
「――――ダメ元でやってみようかな」
メールもしくはSNSにメッセージを送信しようとした。
その時、どこかで聴いた様な騒々しい音が響く。
「このけたたましい騒音は・・・・・」
「ふっふ(×10)、そこに黄昏ている迷える乙女の為に。世間よ、小生は帰ってきた!!」
どこからともなくスポットライトが点灯すると1人の人影が現れた。
その人物は白衣を羽織り、携帯用のシンセサイザーを持った科学者風の男である。
「久方ぶりのお方はお久しぶりです。初めましてのお方はこれからよろしくなことで
小生こそ愛と勇気と正義の伝道師!!遠からんものは見て笑え!近くば寄って更に笑え!!で同じのプロフェッサーにしてドクターなトミィ!基本はプロフェッサー・トミィでありますでザマス!!」
「・・・・・・」
アキラはその人物を知っていた。というか思い出したくなかった・・・
「ううーん?そなた、どこかで見たことがあるようなないような?」
月の歩き方の如く、なめらかに滑りながら後ろ姿で接近してきた男は
アキラへと近づき、彼女の顔を見ていぶしかんだ。
「おおお!!そなたはいつぞやの乙女たる少女ではないか!!再び逢えるとはこれは必然的な運命?はたまた数奇な邂逅?」
「えっと・・・・・」
以前と変わらないハイテンションにアキラは困惑を隠し切れなかった。
そこへ更に2つの影が現れ、うち1人はトミィの後頭部に強烈な打撃をぶち込んだ。
「ぶらんにゅううううううう!?」
奇怪な叫び声を上げながら彼方へとぶっ飛んでいくトミィを他所にぶっ飛ばした張本人はフンス!と鼻息を出しながら吹っ飛んでいった人物に言葉を投げる。
「ま~たキョージュは相手を困惑させることばかりしているメカ。ツッコミする身にもなれメカ!」
「フンガー・・・・・」
あんまり人のことを言えないよ、と言わんばかりに少女の隣りに
現れた大男の様なロボットはため息の様な言葉を漏らす。
アキラはこの2人もとい2体を知っていた。
彼らは先程吹っ飛ばされたプロフェッサー・トミィの取り巻きである。
そして吹っ飛ばされたプロフェッサー本人はピンピンとした状態で
プンプンと煙を出している様な表現が似合うような態度で戻ってきた。
「くぉらアーミィ!!吹っ飛ばすのであれば真上にとあれ程言ってるでザマスでしょうが!横だと他の人にぶつかったら大惨事ザマスよ!!」
「そういう問題じゃないと思いますよ!?」
おもむろにツッコミを入れたことに気づいたアキラは
戸惑いの様子を見せるもトミィたちは特に気にしていた様子は無く、普通にこちらへ話を振ってきた。
「はてさて、ここで立ち話もお嬢さんを煩わせるのも忍びないので小生行きつけのお店で色々と語り合おうではないザマスか」
「え?」
「いや何そんな謙遜することはないザマスよ。小生の奢りでザマスからに気にしないでいいのザマスよ」
「いやその・・・・・そういうことを聞いている訳じゃないんですけどー!?」
「レッツラゴー、メカ!!」
トミィとアーミィに戸惑いの声を上げるアキラであったがそれを無視して彼らに
引っ張られる形で彼らのお気に入りの店に向かうことになった。
なおその様子を見て1人置いてけぼりを食らうことになったオーヴァは只々ため息をつくのであった。
「――――フンガー・・・・・」
4.
場所は変わり、ゴウがねぐらとして使っている廃建物。
寝床に使っているシートを被せた鉄骨の山をソファーの代わりにしてゴウは腰を下ろしていた。
険しい表情のままなのはレイアムとの邂逅からもあってのことだ。
ゴウの人生を狂わすことになった存在。
ゴウにとっては“無二の親友”でもあった存在。
ゴウの全てを奪った不俱戴天の怨敵でもある存在。
そして同時にアキラのことも思い出していた。
「――――」
彼女にはすまないことをしたと思っている。
ツラく当たったことに関しては罪悪感がないわけではない。
だが彼女をこれ以上、自分らに関わらせたくないという彼なりの気づかいでもあったが他にも理由がないわけではない。
よく似ていたからだ、彼女がゴウの記憶の脳裏に残っている少女に。
あの時に失ってしまったゴウの平穏なひと時の思い出。
「・・・チッ」
ツラい記憶を思い起こし掛けたことへの苛立ちを隠すことなく、かき消す様に頭を掻く。
そこへ軽い振動を感じ取る。
服からその振動していた物を取り出す。
スマホがメールを受信したことを表す様にシグナルを出していた。
メールの送り主はケンからだった。
そもそもケンとはパスが繋がっている関係もある為か、連絡などにしてもケンからの
一方的ではあるが念話で連絡は付くからか本来ならばスマホは必要ないのだが。
「現代人なら持っているのは当然だろ?」
と強引に渡されていたのだ。
「元々そんなに使ったこともなかったんだがな・・・・・」
そう零しながらゴウはスマホを操作してメールの内容を確認する。
内容を確認したゴウはもう一度舌打ちををしながら立ち上がり、ケンの元へと移動する。
再び場所は変わり、とある喫茶店にアキラはいた。
先ほどトミィが言っていた行きつけのお店である。
そのお店はモダン風な印象の落ち着きのある感じ内装。
音楽も今風のモノではなく、所謂レトロなミュージックとなっているなど
かなりの凝りようであった。
「・・・・・・」
失礼ながらもトミィの行きつけの店ということでクレイジーなモノだと勝手に想像してしまったアキラは心の中で猛省した。
トミィはマスターと常連故に簡潔に話をすると奥のいつも座っていると思われる席に
歩みを進め、アーミィとオーヴァもそれに続いて行ったのでアキラもそれに続く。
席に付いてしばらくすると店長がやってきて彼が淹れてきたコーヒーを一口飲む。
最初はほろ苦い感じだったが後味はスッキリとしたどこか不思議な感じだった。
「美味しいけどどこかあっさりとだけどもスッキリな苦さも癖のある様な感じがしない不思議・・・・・」
「フフフ・・・・・ここの味はいつも素晴らしいザマスな。やはり天才が通い詰める所はひと味違うのザマスよ」
「ドクターの言い分はほとんど無視していいメカよ。大半は支離滅裂の自画自賛メカだから」
自画自賛を何故かしているトミィを無視するようアーミィはアキラに言葉を投げる。
少しの間、沈黙が続く。
店の雰囲気も手伝ってか静寂も間違いではないと思ったけどもこの光景はどこか耐え難い様子をもある。
そこで彼女は浮上した疑問とも言えるかどうかわからない言葉を彼に向けて告げた。
「何故ドクターだったり、プロフェッサーだったりするんですか?」
「どちらでもあり、どちらでもないからザマスよ。小生は科学者ではあるが誰かを教授している訳ではないのでザマス。されども小生は正義とは何か科学は平和と幸せを本当にもたらすのか?日夜様々な課題命題を研究追求し、世界貢献の為に科学者であり学究の徒となっているのでザマスよ」
「・・・・・」
彼の言葉にアキラは言葉を失う。
普通なら彼の事はとんちんかんな人間だと思うはず。
が、決して軽薄な人間でもないともアキラは思った。
あの時はネジが外れたちょっと危ない(?)人だと失礼にもそう捉えていた。
だが実際、彼と真っ向から話をすると色々奇天烈ではあるが
その筋には確かな芯とも言える部分が存在している。
(私は・・・・・何の為にあの二人を探しているんだろうな)
ふとそんな疑問が頭をよぎる。
そこへアーミィがこちらに言葉を掛ける。
「おまえ、名前はなんていうメカ?」
「え、あ・・・・・アキラです」
「敬語はいいメカ。アキラはなんで悩んでいるメカ?どうしてあそこに行ったんメカ?」
容赦なく切り込んでくる少女にアキラは少々困惑する。
「えっと・・・・・その前にアーミィとオーヴァさんはトミィさんとはどういう関係ですか?」
その言葉にアーミィとオーヴァは顔を合わせ、すぐにアキラの方へ向き直る。
「アーミィたちはアンドロイドメカ。アーミィはアンドロイドでオーヴァはガイノイドメカ。二人ともキュージュに造られたメカ」
「フンガー」
簡単にそう答える二人にアキラは啞然とした。
無論、この二人は人間だと思ってはいなかったがこうもあっさり答えることに困惑していた。
「えっと二人は・・・・・ロボットであることに不満とかないの?」
「特に何もメカ。アーミィはアーミィでオーヴァはオーヴァメカ。キュージュのバカな挙動に制裁(ツッコミ)を与えるのがアーミィの役目メカ。」
(それをアイデンティティでいいのかな?)
隣でプロフェッサー本人が何かしらの抗議を行っていたがアキラ含めて無視した。
「それよりもアキラは何を悩んでいるメカ?」
話を戻す様にアーミィがアキラに向けて彼女の悩みを聞く姿勢を取る。
アキラは少し黙ってどうすればいいのか考えゴウ達のことを出さずにこの前、起きたことを話した。
「ふむふむ、つまり少女はその連中の力になりたいと?」
「そういう訳でもないんですけども・・・・・でも・・・・・」
「アキラは放っておけないメカね」
「フンガー」
アーミィの言葉にアキラは頷く。
ゴウからはもう関わるなと言われた。
だけどもそれではいそうですか、と納得もできなかったのもある。
そんなアキラを見てトミィはふふんと鼻を鳴らす。
「しからば、この超絶ダイナミック大天才の申し子たるプロフェッサーたる小生もやぶさかではない悩み多き年頃の乙女に力添えして進ぜよう!!!!」
「キョージュの力ってヘンテコ科学で強引な力技メカよね」
「フンガー!」
「何を申すか!小生がただの一度でも特攻精神ありきのガマン技でどうこうしてきたとでも言いたいザマスのか!?」
「フンガー」
「してきたメカ」
容赦のない指摘が飛んできた。
トミィは全身オーバーなアクションと共に「ノオオオオオオオオオ!!」と絶叫していた。
そんな彼らの様子をアキラは笑みをこぼすと同時にふと自分の見ていた夢とゴウたちを重ねてしまう。
もしかしたら自分はこんなことを望んでいたのかもしれないと・・・
「・・・・・・」
だがそう思ったアキラはふとゴウの言葉を思い出した。
『俺たちに関わるな』
それはいわば彼らに関わればアキラはもう普通の生活を送ることは出来なくなる。
ゴウはそれを言いたかったのかもしれない。
(だとしたら私って・・・)
色々と一気に湧き出す様に感情が湧き出してきた。
「ああああああ、もう!!!」
そう言うと同時に席を立ったアキラはそのまま店を飛び出してしまう。
5.
(何やってるんだろう私・・・)
しばらく走った後、息を切らして大きく息を整えながら、アキラはそう思った。
勢いよく店を飛び出したもののすぐに落ち着きを取り戻し、自分の情けなさを恥じる。
結局は自分だけが空回りしているだけに今更ながらに気づくもだからそれでどうなるのかという疑問もまたあった。
どんなに自分が何もできなくてもどんなに自分が役立たずだろうとも“彼ら”はアキラにとっては重要な存在なのだと理由はわからないけどもそう断言できる。
だがそれはともかくとしても急に飛び出してしまったことはトミィたちには悪いことをしたと思ってるのは確かでどうするべきか思案も必要。
(このまま、戻るのも何というか悪いというか何というか・・・)
「!?」
そんなことを考えていると不意にかつ唐突に全身を恐怖から来る寒気が襲う。
後ろに振り向くとそこには僧侶の出で立ちをした大男がいつの間にか立っていた。
「おお・・・・・おお・・・・・世の不定に悩み多き若き乙女よ・・・・・そなたの悩み、拙僧であれば取り除けるやもしれませぬぞ?さあ、心の中の不安を吐き出してみよ。拙僧の持ちし力を持ってそなたの苦悩を開放し、そなたを“救ってしんぜよう”!!」
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