第3話の1 伝えたかった気持ち(問題編)

 僕は、いつものように学校の下駄箱から、上靴を取り出そうとすると封筒が入っていることに気づいた。淡い桜色の花柄が印刷されたかわいらしい封筒だった。

 もしかしてこれはラブレターではないか。漫画やドラマで見るようなシチュエーションだ。僕の胸が高鳴ってしまったのは、仕方がないことだった。手紙の差出人は、すぐに分かった。ご丁寧に封筒の裏に名前が書いてあったからだ。

 その子は、うちのクラスの女子生徒、高山 愛だった。

 愛は、成績優秀でハキハキとしゃべる女の子で、同級生だけでなく先生方からも好かれているように僕は感じていた。

 そんな子から貰った手紙に、僕は正直困惑していた。どうして僕なんだろう、と。しかし、意を決して手紙の文面を見ると、想像していた内容ではなかったことに驚いてしまった。

「あれ?」

 と思わず声が出てしまったのも無理はなかっただろう。

 その手紙の内容はこういうものだった。


『あなたへ伝えたいこと

 4/5 10/1 11/3 6/4

 1月2日 4月4日 より』


 きっとこの文章の意味が分からないと、伝えることはできないということなのだろう。きっと彼女なりに考え抜いたに違いない。その気持ちも少しは分かる。彼女の意をくんで、僕は暗号の謎解きを開始した。

 手紙の数字それぞれが何を指しているのか。それが分かれば彼女が僕に伝えたいことが分かるのではないかと思うのだが……。

 果たして、彼女が僕に伝えたかった気持ちとは何なのでしょうか?

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