噂
「ぐぅ~」と
今日はいい天気だ。こんなぽかぽか
そう言えば2日前から何も食べていないな…なんて事を考えつつ意識が夢の中に落ちようとしていた時、「ルービス!」と声がした。
が、僕の意識は迷わず夢に向かって
もう少しだ。もう少しで完全に夢の世界へと
「おい!ルービス!」ほぼ
仕方ない…とりあえず目を開けよう。
「ルっ…おぉ、やっと起きたか」
ねぇ、なんで
…危なかった。もう少し目を開けるのが遅かったら
眠い目を
「何か
このおっさん、ハゲって言うとめちゃくちゃ怒ります。
「相変わらず寝起き悪いなお前…」そう言っておっさんは
「ほら、
「あぁー。いつも悪いねヴィンさん」。
紹介が遅れたね。このおっさんの名前はヴィン。
外見はさっき言った通りで、何かと僕の世話をしてくれるいいおっさんなんだ。
こうして着替えの服を
自分が生きていくだけで
「少しは身なりにも気を付けろよ」。
耳の痛い話だ。ヴィンさんの
「ヴィンさん。今日の日付は?」
「今日は3の月18日目だ」。
決して
何より僕は1年の大半を寝て過ごしているから余計に日付が分からなくなるんだ。
「もう3の月の
「あぁ。今年も大勢の平民がケージ送りになるんだろうぜ。」
そう。3の月の最終日に一斉に【税】の
「また
「そうだな。ケージ送りにされた人間の
ヴィンさんの言った事は
このケージに来る者は皆、毎日毎日【税】を納めるために身を
それでも納税が出来なければ
現実を受け止めケージ内でも生きようとする者、自ら命を
だから【税】の
まるで嵐の前の静けさ、とでも言うかの様に。
「毎年毎年相当な数の人間がここに送られてきてるよね?あと何年かしたら平民がいなくなって
「貴族連中にとってはそっちの方がいいんじゃねぇか?
「妙な噂?」
ヴィンさんは結構な
「いや、何でもねぇ。忘れてくれ。」
「そう言う気になる言い方するのやめてくれない?」
このおっさんいつもこうなの。
わざと気になる言い方して
「あ!そういや大事な事を伝えるの忘れてた!」
話題変えたなこのおっさん。変に
「大事なことってなに?」
どうせ大したことではないだろう。魚が釣れなくなったとか明日から雨が降るとかそんなくだらない事だと思う。絶対。いつもそうだもん。
「最近お前の事を探し回ってる奴がいるらしいんだ。気を付けろよ?」
結構大した事だった。
「え?探し回ってるって何?気持ち悪いんだけど。」
本当に気持ち悪い。
「俺も知り合いから聞いた話なんだが、女が「ルービスと言う名前の人を知りませんか?」ってあちこちで聞き回ってるんだとよ。」
うわー。なんか
「ヴィンさん。僕しばらく
「隠れるってどこに?場所が分からんと食料持って行けねぇぞ?」
「いい場所見つかったら何かしらの方法使って知らせるからよろしく。」
「あいよ。でもあんまり行きにくい場所は
「分かってるよ。」
「んじゃまぁ、伝える事は伝えたぜ。知らせ待ってるからな。」そう言ってヴィンさんは手を
さて、それじゃ少ない荷物をまとめて身を
正直荷物と言うほどでもないが、自分の
そして「どこに隠れようかな?」なんて事を考えながら荷物をまとめ、
しかし…「ルービスさん!」
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