リプレイ:10(深夜)奇襲1-2

 戦闘に入る前にもっとも近いオビが、サンリアに対してノックアウト攻撃(卓ルール:気絶を目的とした攻撃)をしてサンリアを無力化する方向に動く。サンリアはオビの存在を警戒している為、命中判定を振る。


GM「それでは回避判定16です」

オビ/PL2の素「16!?」

フィー/PL1の素「高いな……無理じゃないか?」


 オビがノックアウト攻撃を行うも外してしまう。

 ここから戦闘に入る。



・1ターン目 自軍



 まず、ユグは主動作を使って起き上がる。

 移動距離的にフィーが離れていても介入出来たため。


フィー「分からねぇ奴だな!」

オビ/PL2の素「急に出てきたな。笑」


 宣言攻撃の魔力撃を行う。しかし、回避値16は越えず回避されてしまう。

 次にクランクが支援攻撃をしてくれるのだが、その前に台詞が入る。


GM/クランク「てめぇ……まさかスカウトギルドの刺客か!?」

オビ/PL2の素「スカウトギルド? また新しい要素出てきた……」

フィー/PL1の素「何か訳ありなのは分かるんだけどな……」

オビ/PL2の素「スカウトギルドだし、ラージャハ帝国の裏の組織に追われているとかだったらめんどくさいな」

フィー/PL1の素「いや、むしろラージャハ帝国は生け捕りを望んでいた気がするし……」

オビ/PL2の素「それは表側の作戦で、秘策として用意した裏の役目がコイツだとか?」


 情報が錯綜するが、とにかくふん縛ろうとことになる。

 クランクは銃を使い命中判定無しの魔法の12ダメージを与える。

 この状況下では本当にありがたい支援ダメージだ。



オビ「何をしているんですかサンリアさん!」


 オビは庇う姿勢に入る。



・1ターン目 相手



 サンリアはクランクに向かって攻撃するが、オビの迅速な対応で前に躍り出た。サンリアはナイフでオビへ斬りかかる。


GM「(ダイスロール)……物理の12点ダメージ」

オビ/PL2の素「……防護点を甘味して5ダメージ。1/10消えた」

GM/サンリア「マルチアクション発動」

オビ/PL2の素「おほほ!?」

フィー/PL1の素「マルチアクション……」


 サンリアが宣言した「マルチアクション」とは、オビが先程宣言していた「かばう」と同じ戦闘特技と言われるもので、冒険者レベルが奇数点になると身に付く技である。

 その中でも「マルチアクション」は近接か射撃攻撃と同時に魔法を唱えることが出来る戦闘特技なのだ。

 実質二回行動出来るのだ。


GM「神聖魔法のフォースを使用者。(ダイスロール)……魔法の13点ダメージ」

オビ「……この数字だと3ターンもたないぞ」


 盾職がどれだけ耐えられるかが勝負所になる展開だろう。



・2ターン目 自軍



 オビはかばう体制。

 動ける様になったユグだが、PL1の提案で薪を消す動作を行うことになる。

 環境が夜で光源が薪だけの為、暗闇状態にするのだ。


フィー/PL1の素「命中と回避判定に-2の補正をかけさせる。オビは盾職、ユグは魔法使いで影響が無い。フィーは獣状態なら暗視がある」


 何とか当てに行くフィーだが……


フィー/PL1の素「(ダイスロール)……1のゾロ目ファンブルった! 50点!」

PL2「ああ……」

フィー「(カンペ)身体が思うように動きませんわ!」


 次にクランクだが、攻撃では無く懐から、


GM/クランク「畜生! コイツを使うしかねぇ!」


 と、白いマギスフィアを取り出す。


二人「「ほー」」


 白いマギスフィアは市販で売っている物より少し高価そうであり、スイッチのような物が付いている。クランクはそれを押そうとする体制となる。


フィー/PL1の素「何をしようとしているんだ? 攻撃か?」

オビ/PL2の素「逃げようとしてるんじゃないか?」


 それが何なのか知りたいなら次のターンロールプレイをしてもらうことになる。



・2ターン目 敵軍



 サンリアの姿か変わる。

 肌の色が変わり角が生え始める。


オビ/PL2の素「オーガか?」

フィー/PL1の素「ナイトメアか?」

GM「そう、ナイトメア。彼女は感情が高ぶって変身しました」

フィー/PL1の素「なんだコイツは!笑」


 PL1が爆笑しているが、サンリアがクランクに攻撃するがオビが庇う。


オビ「見切りました!」

GM「物理ダメージ15」

オビ/PL2の素「いてぇえええ!!」

GM「マルチアクションで魔法ダメージ15」

フィー/PL1の素「大丈夫か?」

オビ/PL2の素「かなりやばいっす。HP6なんだけど!」

GM「やべぇじゃん」

オビ/PL2の素「やべぇよ!」



・3ターン目 自軍



 オビがクランクに話しかける。


オビ「そのマギスフィアは何ですか? 何をする気ですか!」

GM/クランク「何だかわからねぇが、守ってくれてありがとうな嬢ちゃんよ! これでやり直すからな!」

フィー/PL1の素「時間戻す系なのか?」

オビ/PL2の素「ああ……なるほどな」


 時間戻す系……つまりループものの話じゃないかとPL達は話し出す。

 このまま時間が戻る展開ならありがたいのだが、ループもののセオリーだと自分達の記憶とかがどうなるのかが分からない。

 そう考えると阻止するのも考慮に入れた方が良いのかもしれないが、ここはクランクを信じるしかないという方向性になった。

 フィーが最後のあがきでサンリアに攻撃するが……


フィー/PL1の素「(ダイスロール)……くそぉおお2足りない!」


 攻撃はかわされた。


GM「戦闘は一端終了。それではイベントに入ります」




 クランクはボタンを押した。

 辺りは白い光に包まれる。

 冒険者達の意識も薄れていく。

 視界がまだ白い中、


???「おい、起きろ。起きろ!」


 と、声が聞こえてくる。


オビ「うるせぇアイザック、黙れこの野郎が!!」

GM「笑」

フィー/PL1の素「笑」


 GMとPL1が笑いつつ謎の声が続く。


???「起きろ! 冒険者達の徴集ちょうしゅうがかかったぞ! 今すぐ酒場に来いってよ!」

オビ/PL2の素「コイツ、1日目より元気じゃねぇか?笑」

GM「そうだっけ?笑」

フィー/PL1の素「俺もサンリアこの野郎! って言いながらアイザックの顔殴るわ」


 皆で笑いつつ質問がある。


オビ/PL2の素「我々は記憶を引き継いでるの?」

GM「君達は記憶を引き継いでいます」

フィー/PL1の素「能力値とかは?」

GM「持ち物から所持金、能力値の全てを引き継いでいます」

オビ/PL2の素「ループものだな完全に」


 冒険者達は夢うつつの中起き上がる。

 そう、ループしたのだった。



 セッションが終わり、ひとまずここで終わり。

 とりあえず一週目を終えてPL達の雑談に入る。


PL2「あぶねぇえ……頑強なかったら死んでた」

PL1「いやぁ……ひとまず良かった……あれ? アイテム引き継ぐってことはサーマルマント(アイザックからもらったやつ)増えるの!?」

GM「ああ、増えるよ」

PL2「増えるんだ。笑」

PL1「アイザックの名前が書いてあるサーマルマントがこの世に二つあることになったぞ!笑」


 皆は爆笑する。

 GMもそう言えばそんな面白い状況になるとは正直思ってなかった。

 アイザックイジりで盛り上がりつつ、今回の話でいろいろ情報不足な所が多く検討が始まる。

・記憶を引き継いだのは我々以外の人物、主にサンリアも引き継いでいるのではないか?

・そもそもどうしてPL冒険者達は記憶を引き継いでいるのか?

・クランクは記憶を引き継いでいるのか?

・サンリアはそもそも倒せる敵キャラだったのか? 条件がいろいろあるのではないか?

・そもそもゴハンヤに到着していなかった。

・もし、二週目なら遺跡にあったマギスフィア(大)を入れ替えれば何か起こるのではないか?

・白いマギスフィアを盗んでループすればマギスフィアが増えるのではないか?

・誰に対して白いマギスフィアに対して話すべきか?


PL1「とりあえず全部アイザックに聞くか」

PL2「都合が良い奴だしな」

GM「アイザック知ってるのかな……」

フィー「アイザックてめぇ起きろゴラァ! 何寝てんだ!」

PL2「いや、お前殴っただけどな。笑」

フィー「てめぇ、顔面がへっこんでるじゃねぇか!? 誰がこんなことを!!」

GM「それもお前がやったんだろ!笑」

フィー「かわいそうに……何てひでぇ怪我なんだ……」


 皆で爆笑しつつ、今後やるうえでの作戦会議を行い本日は閉幕となる。

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