リプレイ:02冒頭の酒場
君等はウマイパン亭に向かう。
フィー「うまいパン?」
ユグ「うまいパン屋」
フィー「名前がなめてやがるな」
ユグ「パン屋さんに行くみたいだから止めてほしいわ……」
ウマイパン亭は、依頼の受注を行っており簡易的な冒険者ギルドの役目を担っている酒場。酒場の中には12人の冒険者が集まっている。
ユグ「12人って少ないね。本当に小さい村なんだ」
フィー「ドア蹴破って行くわ! 気にくわねえ騎士は何処だ!」
ユグ「蹴破るな!」
オビ「もう、蛮族なんよな……」
蛮族とはゴブリンやオーガのような魔物、つまり人間界の敵である。
因みにフィーの種族である半獣人のリカントは、蛮族のワーウルフに似ているという認識がこの世界にあるため毛嫌いされているのだ。
フィー「リカントなめてんじゃねえぞゴラァ!」
GM「その言動、リカントが更に差別されちゃうから止めて。笑」
フィー「大丈夫。差別した奴からコ○スから」
ユグ「いやいやいやいや。笑」
GM「もっと差別が生まれる。笑」
オビ「絶対この街、リカントアンチがいるって……」
皆で笑いつつ話を進める。
改めて……酒場の中には12人の冒険者が集まっており、その前には甲冑姿の騎士団。そして、その中心で気丈に振る舞う眼鏡エルフ女騎士がいた。
GM/女騎士「これで本当に全員か? ま、少人数であった方が好都合か……」
女騎士が冒険者を見渡し確認し終え話し始める。
フィー「なんだコイツ」
ユグ「めっちゃ偉そう」
女騎士が自己紹介する。女騎士の名前はエイザンと名乗りラージャハ帝国の第六師団騎士団長だと自己紹介する。
オビ「エイザン?」
ユグ「エイパム?」
GM「そんなポケモンいたね」
エイザンの話を続ける。
GM/エイザン「さっそくで悪いが、我々から緊急の依頼を申し出たい。内容は知っている者もいるだろうが、数日前、少し離れた隣町に出現した奈落の件だ……」
数日前突如現れた奈落によって時空が歪み、隣町ゴハンヤと共に周辺が一気に飲み込まれてしまった。
フィー「? ご飯屋さん?」
オビ「……ゴハンヤっていう街の名前ね」
ユグ「そう言うことか! 店が潰れた話かと思った!」
フィー「GMのイントネーションが悪い! それで騎士さんよぉ、俺等に何で頼むんだ? アンタらで行けば良いだろ?」
GM/エイザン「もっともな意見だが、我々は奈落から現れる魔神や魔物を塞き止める役目を命じられている。こちらの人数も限られている為、こうして人手を募ったのだ」
ユグ「つまり斥候ってことね」
更にエイザンは続ける。
GM/エイザン「……ここまでは正直、国家騎士としての建前に過ぎない。君達に対する本当の依頼は、その奈落に自ら逃亡した男を捕まえてきてほしいのだ」
その男の写真を見せられ名前はクランクという30代人間の男性だそうだ。
マギテック技師であるが、国内にある物を盗み逃亡したとのこと。情報によると、さっきまで話していた隣町の奈落へ自ら入っていったとのことだった。
エイザン「この依頼を受けてくれるなら準備として前金1000Gを全員に渡す。そしてその男の身柄を確保し我々の元へ連れてきた場合、依頼を受けた全員に20000Gを渡すことを約束しよう」
と、エイザンは宣言する。
GM/エイザン「それと、これは私からの個人的なお願いであるが、飲み込まれてしまったゴハンヤの街の住民達の救って欲しい」
と、彼女は頭を下げた。
オビ「20000ってかなり高額だな。相当重要な依頼ってことか」
フィー「何か権力に振り回されてる感じでムカつくなぁ……そもそも何で、騎手達が俺達を呼びに来ねえで、朝からアイザックのアホ面を見なきゃならねえんだよ!」
オビ「ひでぇ。笑」
ユグ「どんだけアイザック嫌いなんだよ。笑」
そうフィーが聞くと、急を要する依頼だった故、我々も今着たばかりだっのだとエイザンは言う。冒険者達が何処の宿を使っているのか分からなかった為、酒場にいたアイザックに、ここにいる冒険者全員集めてもらうよう頼んだ。
GM/エイザン「無礼を詫びる。不快にしてしまってすまなかった」
と彼女は頭を下げた。
フィー「ッチ、結局お偉いさんからの依頼ってことで、姉ちゃんは下っぱってことか。気にくわねぇぜ」
オビ「私は行くぞ」
フィー「誰も行かねぇなんて言ってねぇだろ!」
オビ「えぇ!?」
ユグ「あのリカント誰にでも噛みついていくな……」
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