リプレイ:01冒頭宿舎

 君達は宿舎で寝ていると、突然扉が開く。

 皆は別々の部屋にいるけど、起きるイベントは同じだから平行に進んでいきます。


PL2(以降オビ)「へーそうなんだ」


 PL同士で話すのはオッケーです。冒険者同士は話し合えない感じで。

 扉の向こうから人間の男が現れます。


PL1(以降フィー)「ワタシに指図するな! って扉に仕掛けておいたブビートラップを発動して頭に剣を突き刺します!」


 男は君達の知ってる人物でアイザックという名の冒険者仲間だった。


GM/アイザック「起きろ! 冒険者達の徴集ちょうしゅうがかかったぞ! 今すぐ酒場に来い!」

オビ「アイザックって……」

PL3(以降ユグ)「工具使って戦いそうなイメージですね」


 アイザックと君達はパーティーを組んで無いけど、この町で知り合った冒険者です。


ユグ「へー、そうなんだ」

フィー「俺は寝起きが悪いってことをアイザックは知ってたことにしていい?」

GM「まあ、いいんじゃん」

フィー「どういう風にお越しにくるの? 起きて下さい閣下! みたいな?」

オビ「親しい間柄みたいだしそれはないでしょ……」


 部屋の中に入ってきて毛布を引っぺがすと思います。


ユグ「もう……なんじゃい」

オビ「何ですかね……」

フィー「余の安眠を愚弄するのか貴様」


 フィーのサムライボイスに皆は吹き出す。


ユグ「愚弄するってなんだ!」

GM「何キャラなんだよ、そいつは!」


 ひとしきり笑い話を進める。


GM/アイザック「王都の騎士様達が、わざわざ訪れての依頼だとよ。偉そうにこの街にいる冒険者をかき集めろって言われてんだ。だからお前を起こしに来たって訳さ」

フィー「へー」

ユグ「王都の騎士様来たんだ」

GM/アイザック「とにかく、酒場に皆集合だ」


 と言って君達の部屋から離れようとした時に、アイザックがそう言えばと君等に向き直る。


GM/アイザック「そうだ。何かこれが刺さってたぞ――」

フィー「あー、お前の頭に突き刺さっていた剣か」


 皆が爆笑する。


オビ「まだ刺さってたの!?」

ユグ「何で生きてるんだよ!」

フィー「俺の剣を返せバカ!」

GM/アイザック「と……とりあえず剣じゃなくてバラが刺さってたから」

オビ「バラが刺さってた?」


 一輪のバラが冒険者達の扉に挟まっていた。


フィー「キザな野郎がいるみたいだな」

ユグ「このバラどういう意味があるんだろう?」

オビ「いったい騎士達は何の依頼をしたいんだ?」


 オビがそう聞くとアイザックは返す。


GM/アイザック「あれじゃないか? 俺もちゃんとは聞いてないけど、最近近くに出来た奈落アビスじゃないか?」


 奈落とはSW2.5で登場した空間の歪みで出来たダンジョンのことである。

 黒い塊が急に現れあらゆる物を巻き込む厄介な現象のことだ。


フィー「そんな物が近くに出来てたのか! っていうかここって今どのあたりなの?」


 改めてここが何処かというと、アルフレム大陸西部ブルライト地方、ラージャハ帝国を少し離れた荒野のど真ん中にある小さな町パンリカである。


フィー「ッチ! 騎士どもが俺達を駒みたいに扱いやがって! ぶん殴ってやる!」

オビ「ぶぶぶ!?」

GM「という訳で皆、酒場に来てくれるよね?」

ユグ「よっしゃ」

フィー「寝間着姿で行くわ」

GM/アイザック「ちゃんと着替えて来た方がいいよ」


 皆吹き出す。


オビ「アイザックに言われてる……」

ユグ「やる気なさ過ぎ!」

フィー「ちくしょう! 冒険者なめやがってよお! 騎士どもがよお!」

GM/アイザック「お前もなめすぎだろ!」

フィー「うるせえ! 冒険者は誉れ高いんだよ!」

ユグ「誉れ高い奴が、寝間着で話を聞きに行くな!」


 こうして、冒険者は酒場に向かう。

 

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