長いメール

 チ○コ事件の後処理から2、3日後、カイルから長いメール。


 ”答える時間を与えて。常習犯だって話す権利が与えられてる。仕事かトレーニングをしてる時(それが僕がしてることの全てだけど)、そんなに素早くメールを受信出来ない。それに加えて僕のスマホの電池は2時間しか持たないし、打つのが大変。それで返信が遅くなる。大きな問題じゃないことは分かってるけど、覚えておいて。

君が「あなたに任せる」って言うのはOKで、僕が言うのはだめなわけ?

対面の時に君が男友達に関して笑ってごまかす問題。僕が言及すると、君はくすくす笑うだけで、なんの安心感もない。それが普段の君の姿だから、僕が君にとって何人かいる男のうちの1人で、選択肢を残してるんだと僕が思うのも無理はない。

日本は恋愛要素に乏しい。それが僕らが知り合ったきっかけだし、それで現実について考えるのをやめた。

君が大好きだし、ちゃんと関係を前に進めて行きたい。

君がここにいる間にプライベートレッスンがキャンセルになってお金がなかった。それでワインを買うことが出来なくて、恥ずかしかったからごまかした。でも僕は安い男じゃない。”

 カイル


 署名入りのメールなんて普段来ないし、レッスンがキャンセルになったというの以外は嘘じゃない気がした。仕事をしてるのに万年金欠の理由は他にありそう。恋愛要素に乏しいという文に関しては英語の文章の意味自体は分かるけど、言いたいことがよく分からなかった。「他に選択肢がないから私を選んだように聞こえるんだけど。」とメールしたら「絶対違う。」と言っていたけど。この長いメールを読んで、信じてもいいかな〜と思った10日後ぐらいに、満を持してFacebookの女が登場。

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