第23話 守るために拒む
「……どうして
「私は
「そ、それはつまり……」
「ふふふ、ご想像の通りだよ♪」
「今日は私がしてあげようと思ってたのよ!」
「下手なミクちゃんはお帰りくださーい」
帰路、延々とこの調子で言い合いをする2人に挟まれている莉斗は、家に到着した時には疲れ果てていた。
右からも左からも柔らかいものを押し当てられ、理性の維持だけで目一杯だと言うのに、その話の内容が自分を気持ちよくさせたいというものだったのだから。
「莉斗、大丈夫?」
「す、少し休みたいかな……」
「じゃあ部屋まで行こっか」
そう言いながら体を支えてくれるミク。しかし、ふと一昨日の玄関での光景を思い出した彼は、頼るのを少し躊躇ってしまった。
「きょ、今日は
「……私じゃダメなの?」
「そういうわけじゃないよ! でも、今日はまずいというか……」
そう言ってしまうのも、あの時の
つまり、ミクが莉斗にしていることにはまだ気がついていないのだ。出来ることなら幼馴染まであの目を向けられて欲しくなかった。
「お願いだから今日は引き返して欲しい」
「……わかったわよ」
ミクは不満そうではあったものの、何とか頷いて玄関から出て行ってくれる。
ホッ胸を撫で下ろした莉斗は、「優しいね」と微笑んでくれる彩音と共に家に上がると、既に帰っているはずの美月にバレないようにそっと自室へ入って鍵をかけた。
「ふぅ、これでとりあえず……っ?!」
ひと息つこうかと思った瞬間、彼は強引にベッドに押し倒される。
そして瞬く間に制服のボタンを全て開けられると、「慣れたもんでしょ♪」と笑う彩音に心臓がドキリと跳ねた。
「私だって唯斗君のために、舐め方とか触り方とかコツコツ練習してるんだよ?」
「っ……」
「ふふ、触ってないのにビクってしちゃってるけど」
「うぅ……」
彩音の囁き声を聞くだけで、莉斗の脳みそは快感を全身に伝えてしまう。この短期間に彼はそう作り替えられてしまったのだ。
ここまで昂らせてしまえば、軽く右耳を舐めただけでもあの愛おしい鳴き声を聞かせてくれる。
「それじゃあ、舐めちゃうね」
「ふぁい……」
既に蕩け始めた表情の莉斗に軽く口付けをしてから、彩音はダミーヘッドよりも舐め慣れたその右耳に舌を入れ――――――――――られなかった。
「楽しそうなことしてるね、2人とも」
なぜなら、気付かれていないと思っていた妹が、なぜかクローゼットの中から姿を現したからである。
「美月も混ぜてよ、狂わせてあげるから」
そう言って口元だけをニヤつかせて、彼女はこちらへと歩み寄ってきた。
たった今録音されたばかりの音声を、さぞ満足そうに大音量で流しながら。
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