第11話 真夜中の侵略者
「……ん……?」
深夜2時、
コンコン、コンコン
寝ぼけ眼を擦りながら音が聞こえてくる窓の方へと近付き、おそるおそるカーテンを開けてみる。
すると、ベランダには何故かパジャマ姿の女の子が立っていた。
「あれ、ミク……?」
いつもは高い位置でポニーテールに結っているから、髪を下ろしている姿を見るのが久しぶりすぎて一瞬誰か分からなかった。
莉斗は驚きつつ彼女を中に入れると、夜風の冷たさのせいか頬が赤くなっている彼女は、後ろ手に窓を閉めてすぐに莉斗をベッドに押し倒す。
「っ……な、何?!」
「莉斗、ごめんなさい。私、もう我慢できないの」
「どうしたの……?」
「莉斗が昼休みに女の子といるって噂を聞いて、すごく怖かったの」
耳元で囁かれる声には震えが混じっていて、莉斗の中でくすぐったさや心地良さよりも心配が上回っていた。
「私ね、ずっと莉斗のことが好きだったの」
「……え?」
「でも、いつの間にか莉斗が壁を作るようになっちゃって……嫌われたくなくて近付けなかった……」
「そうだったんだ……ごめん」
莉斗の謝罪の言葉にミクは首を横に振ると、月明かりが反射する涙を拭いながら、思わずドキッとするような美しい笑顔を見せた。
そして首元へ顔を寄せると、舌をちろっと出しながら―――――――――。
「おかげで思い切って伝えられるから」
「……へ?」
「ずっと舐めたかったの、大好きな莉斗のこと♥」
「っ〜〜〜?!」
ツーっと首筋に舌を這わされ、体に電気が走ったようにビクンと跳ねる。こんなこと、彩音にもされたことないのに……。
「離れて見てるだけだったから、あんな
「あぅ……」
「耳はあの女に取られたけど、ここならきっと初めてよね?」
「ひぅっ?!」
カプっと首に甘噛みされた後、ミクは舌を這わせたまま下に移動して鎖骨に沿って何度もキスしていった。
直接的な快感と違って、支配されていくような感覚がどうしようもなく莉斗の体を火照らせる。
「……本当はもっと舐めたい箇所があるけど、それは莉斗の彼女になるまでお預けかな」
彼女は莉斗の下腹部をチラ見しながら寂しそうに微笑むと、その分の穴埋めをするかのように何度も首筋や鎖骨回りを刺激してきた。
「あの女には渡さないから。覚悟しておいて」
結局、莉斗が疲れ果てるまで舐め続けたミクは、最後にそう言いながら首に吸い付くような熱いキスをしてから立ち上がる。
「おやすみなさい、莉斗」
「っ……うぅ……」
彼はもう言葉を発することも出来なくなっていた。
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翌朝、登校してくるなり莉斗の首筋を見た彩音が、メラメラと対抗心を燃やすということは言うまでもない。
「き、キスマークなんて付けおってぇ……!」
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