第6話 おもち
クリスマスも過ぎれば、すぐにお正月。
もういくつ寝るとお正月―――がやって来る……
スーパーもあくどい者で、クリスマスイブの営業が終わった瞬間、お正月に鞍替えして、クリスマスを無かった事にする有様だ。日本ではクリスマスイブが最高調を迎えてしまうのだ!
やって来たお正月には、たくさんのご馳走が並ぶ……
その辺は割愛するが、お正月に食べる機会が大変に多いだろう…。それは……
逆を言えばお正月以外で餅を食べる習慣は、和菓子(お菓子)を除いてあまり無いだろう……
餅が嫌いな人も居るらしいが、私は好きで有る。
餅の原料は普通のお米(うるち米)では無く、もち米で有る。もち米を蒸して、
私が子どもの頃は、機械の餅つき器で有るが、家で餅をついていたため、昼食に、つきたてのお餅を味わうことが出来た。
つきたてのお餅は本当に良く伸びて、それをからみ餅(味付けした大根おろしに餅を絡める)にしたり、きな粉をまぶしたり、小豆あんと一緒に食べると非常に美味しい!
つきたてのお餅はびっくりするほど美味しい!!
子どもの時は、きな粉餅が好きだったが、今はからみ餅の方が好きだ。食べる機会が無いが……。家で餅をつくのは年1回しか無く、その時にしか食べられないのですごく楽しみだった。
もち米を
一度だけだが、会社の餅つき会に参加して、臼と
杵が意外に重く、また、臼に確実に命中させないと行けないので(臼の淵に当たると杵の細かい破片が入る)、非常に苦労した記憶がある。体力の限界や素質が無かったため、結局私の力では餅米が餅に出来なくて断念した。(中途半端な餅が出来た覚えが有る)
その時も一応つきたてのお餅を味わったのだが、時間が経っていたのか、少し固くて、しょっぱい味がした……
冷やして固めた餅は保存性も良く、また主食にも成る。
流通の発展と保存性の改善で、年中、お餅がスーパー等で買えるように成り、何時でもお餅を楽しめるように成った。
極端な安価品を買わなければ、混ぜ物が入っていない、もち米だけで製造されている商品が買えるだろう。餅が入っている袋の裏面の表示を見れば分かる。
しかし、メーカー品の餅は当然だが機械で作られているため、良く伸びるが、餅が滑らかすぎるのも気に成る。
それはそれで好きなのだが、欲を言えば、餅の中に有るつぶつぶの食感? と言うべきか、餅米の粒が僅かに残っている“だま?”が残っている方が私は好きで有る。メーカー製の餅は餅を
冷えて固くなった餅をそのままでは食べる事は出来ない。焼くか、煮るかをして餅を軟らかくしなければ食べられない。
餅を焼くと言えば焼き餅で有る。火鉢等が有る家は少ないだろうが、オーブントースターや、ガスコンロのグリル機能で餅を簡単に調理出来る。
焼き餅と言えば、磯辺巻きが私の頭の中に映し出される。
焼いたお餅に醤油を塗って、焼き海苔を巻いた奴だ。醤油には手を加えずに、醤油だけを餅に塗る。
餅が焦げて『カリッ!』とした食感に、海苔の風味と醤油が1つに成って、お口の中に幸せがやって来る!
味わうように良く噛んで、飲み込んだらまた、餅をかぶり付く。
磯辺巻きは、餅に海苔を巻いているため、手で食べやすいのも特徴だ。焼き餅の中では一番好きで有る。
朝食で磯辺巻きが出て来ても、5~6個位は平気で食べられる。それだけ磯辺巻きは私の中では美味しいのだ!
同じ焼き餅でも、砂糖醤油やバター醤油で食べる方法も有る。
砂糖醤油の甘塩っぱさや、バターのコクと醤油の風味がお餅に合うらしい。
まだ私は、バター醤油の焼き餅を試した事無い……
餅を煮る(茹でる)と言えば、私の中ではお雑煮が出てくる。茹で餅にして、きな粉や小豆あんを乗せて食べると美味しいらしいが、私はそれを試した事は無い。
餅の入った雑煮を沖縄県の人々は食べる風習は無いそうだが、お正月に殆どの人が、餅の入った雑煮を食べているだろう?
餅も焼き餅してからお椀に入れたり、餅をあらかじめ茹でたりと、地域によって様々な調理法が有る。つゆの味も味噌味、醤油味と地域によって全く異なる。
具材も魚や肉、野菜をふんだんに使った、味噌汁やけんちん汁に餅を入れた豪華な雑煮から、もち菜(小松菜)、餅、お椀にかつお節を乗せただけの質素な雑煮。更には餅の中に小豆あんを入れて(あんこ餅)、それを味噌味のつゆで食べる雑煮も地域も有り、また、雑煮の餅をきな粉等に付けて食べる地域も有る。
私の地域で食べられている雑煮は質素側に入り、すまし汁に、もち菜、餅、かつお節だけシンプル雑煮で有る。
私の家では、もち菜の入ったつゆで餅を煮込んで、かつお節は乗せなかった。その代わり、途中から溶き玉子を入れるように成った。他の地域と比べれば遙かに見劣りするが、私の慣れ親しんできたお雑煮で有る。
鰹だしの効いた優しい醤油味のつゆに、もち菜と程よく煮込まれた餅、溶き玉子が絡まって、シンプルだけど美味しい。
もち菜の野菜らしさの味と、すまし汁の相性は抜群で有る。油っぽさが全くないので、お酒を飲んだ後でも平気で食べられて、体にも優しい!?
私の地域では、もち菜を使うが他には、水菜、三つ葉、
焼き餅、雑煮と記してきたが、まだ記してないのが有る。
そう、それは、おしるこ・ぜんざいで有る。
ちなみに、おしるこ・ぜんざいの違いは、簡単に言えば小豆粒が有るか無いかで有る。おしるこは、小豆あん(こしあん)から作れるが、ぜんざいは小豆を煮る所から始まる。
鏡開きで鏡餅を割り、その餅でおしるこ・ぜんざいを作る。
鏡餅は、包丁を使って餅を切っては行けない。
私は、おしるこ・ぜんざいは嫌いでは無いが、磯辺巻きや雑煮程好きでは無い。おしるこ・ぜんざいは、お椀1~2杯で十分で有る。
毎年、餅に依る事故は絶えないが、それでも餅は販売禁止に成らない。私はお餅が好きなので、販売禁止にはして欲しくは無いが……
餅の粘り気が事故の原因で有るが、高齢による
餅だけで食べずに、雑煮なら、つゆや具材と一緒に食べたり、焼き餅なら必ず飲み物と一緒に食べる。大口で一気に食べない。良く噛んで、飲み込みやすくする。特に小さい子どもやお年寄りには、餅を小さく切ったり、もち米で作られていない、代替餅を使う等の配慮が必要かも知れない……
餅料理の中で私が一番好きな餅料理は雑煮で有る。その雑煮も、もち菜(小松菜)、餅、溶き玉子だけのシンプルな雑煮で有る。
焼き餅と比べてつゆが有る分、お腹がいっぱいに成りやすいし、素朴の味がたまらない! 本当にお腹いっぱいに成るまで食べられる!! その後は満足感は有るが、少々、食べ過ぎで苦しい……
もし、最後の晩餐で『好きな料理を食べさせてやる』と言われたら、先ほどの雑煮をリクエストするかも知れない……。贅沢な料理は満足感も大きいが、その分飽きやすい。
結局、思いが残る料理は以外にもシンプルな料理かも知れない……
世の中、他にも沢山の餅を使った料理やお菓子が有る。
メインでは無いが、餅きんちゃく、力うどん、お好み焼きに餅を入れたりする。
お団子、大福、羽二重餅も、もち米を使ったお菓子で有る。
餅は身近な食べ物で有る。
流通の発展のおかげで、餅を気軽に食べられるように成った。
私はこれからも、お餅と一緒に生きてゆくだろう……
第6話 おわり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます