第4話 野球推薦と学校の先生

中山が亡くなってからの橘は人が変わったかの様に、野球に取り組んだ。


職員室

『寺島先生~!橘どうですか?人徳高校に野球推薦取れそうですか?』

『あいつ2年生の途中から人が変わった様に野球に打ち込んでいますからね、今も毎週人徳高校に練習しに行って、中学生で練習に着いていけてるのは橘合わせて2人だけみたいですよ。高校の先生も期待していますよ♪』

『凄い♪中山くんが亡くなってからですよね😢あの子、根は悪い子じゃないんですよ』


橘の1年生、3年生を担当したオバサン先生(久米先生)はいつも橘の味方である。


1年生の時、学校で普通にガムを噛んでいる橘に生活主任のおっかない先生が注意をしている。

『おい!お前ガム噛んでるだろ💢ここは校内だぞ!』

その言葉に何とも反応せず、ガムを噛み続けながら先生から目を背けない橘

一触即発の中、橘は

『癖だよ、噛んでねぇー』


『なんだと💢』


そこに担任のオバサン先生が割ってはいる

『どうしたんですか?どうしたの?』


何も答えず生活主任を睨み付ける橘

『いや、橘がガムを噛んでるので注意したんですが…』

『そうなの?』

『噛んでねぇーよ、癖だって言ったべ』


『嘘つくんじゃ…』


『違うって言ってるじゃないですか💢』

生活主任が言い終わる前に、食い気味にオバサン先生は一喝した。


橘はその言葉に驚きと、『やばっ💦』と言う気持ちでガムを呑み込んだ💦


橘は嘘をついた

もちろん、それは悪いことだ

でもその悪いことはさておき

橘はこのオバサン先生が、味方したことでこの後2度とガムを学校で噛むことはしなかった。


教育とは難しい。

怒る人が居なければ、子供は成長しない。

反発もまた成長であり、何より自分を信じている人が居ることが、道を外した時、迷った時の道標になる。


間違えを起こさないで、大人になった人は居るであろうか?

悪いことや、間違えを正当化するつもりは無いが『マイナスを知らずば、プラスを語れず』と言う言葉がある。

幸せを感じるには、辛いを感じることが大切なのかも知れない。


『久米先生、人徳高校は甲子園こそまだ出場経験はありませんが、凄いコーチが入って来て今年から強化クラブになりましたから、もしかしたら甲子園もあるかも知れませんよ』

『わっ、橘が甲子園行くなんて夢だなぁ❤️そしたら私達も応援に行きましょうね✨』

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