第3話 親友の死
ガラガラ🚪💨
休み時間が間もなく終わる頃
よそのクラスの女子生徒が教室に飛び込んで来た
『2組の中山くん死んだらしい💦』
慌ただしく、声を必死に抑えて話している
しかし半数位の生徒はピンと来ていない
中山は中学にあがり、直ぐに脚を怪我してしまい学校には殆ど来ていなかった。
中学には3つの小学校から来ているため、中山と同じ小学校の子以外はあまり記憶に無いのも無理はない。
しかし、橘だけは特別な感情であった。
小学四年生、夏休みの水泳教室
中山『橘は凄いなぁ~、こんな学校レベルの水泳じゃ敵なしだもんな😁』
橘『まぁなぁ5.6年生に早いのもいないもんなぁ』
中山『俺、橘に勝っているものがある🎵』
橘『何々⁉️』
中山『見てみ』
橘『👀お、すげぇ~』
中山は数本生えてきた下の毛を自慢げに見せてきた。
中山が橘に勝っているものはそれだけではなかった。
頭も良く、家柄も良く、人柄も良い、運動も出来る、オマケにウォシュレットを一番最初に付けた家だ🚾
橘は中山の家で初めてウォシュレットを見た時、興味本位でボタンを押して、水浸しにしてしまった💦
水泳と野球を同じ様にしていた2人は、チームは違うものの仲良しであった。
小学6年生になり、お互いの進路を話していた時
中山『橘は中学に上がったら部活はどうするの⁉️』
橘『俺は絶対野球だなぁ』
中山『水泳辞めちゃうの⁉️』
橘『うん、だって野球の方が楽しいじゃん🎵自分がミスしても誰かが救ってくれるし、誰かのミスを俺が助けてあげることも出来る🎵』
中山『水泳ならオリンピックも夢じゃないのになぁ、橘らしいなぁ(笑)』
橘『中山は私立の学校行くんだろ⁉️』
中山『…親にはそう言われてるんだけど』
橘『中山は頭良いし、将来偉くなるんだろうなぁ😁』
中山『…俺、中学に上がったら、橘と同じチームで野球がやりたいよ』
橘と中山は性格こそ違うが、唯一無二の親友であった。
その後同じ中学に進学した2人だったが、中山は友達と遊んでいた時に足を怪我した。
怪我自体対した事は無かったのだが、中々治らない事で検査をしたところ骨肉腫が発見された。
橘は何度も病院に脚を運び、中山を元気付けていたが、ある時から中山のご両親から『もう来ないでくれ』と伝えられた。
橘は良く誰かを傷付けたり、怪我をさせては相手の親に『もううちの子とは遊ばないでくれ』と言われていたので、同じ様な気持ちでその言葉を受け止めていた。
中山の両親は日に日に弱っていく息子を友達に見せたくなかったのだろう。
橘が次に中山に逢えたのは、棺の中で小さくなった親友の姿だった。
2人で写っている写真、野球のボールを棺に入れ橘は久しぶりに泣いた。
泣き虫の頃の橘に戻った。
悲しいと言うより、悔しかった。
中学に上がり、野球部はやっているものの、これと言った目標もなく、中途半端な自分に嫌気がさした。
『悔しかっただろうなぁ😭』
『もっとやりたいこといっぱいあっただろう?』
『俺じゃなくて、何で中山なんだよ😭』
『俺なにやってるんだよ😭』
橘はタバコも止め、夜中遊ぶのも止め人が変わったように野球に打ち込んだ
高校に入り、甲子園に必ず行くと誓って橘は必死になった。
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