第6話魔力強化……
名前: 久道明人
称号: 異世界人 セツナの友人
種族: 人間
Aスキル: 〈言語理解〉
Cスキル: 〈守護霊使役lv3:左腕lv1 右腕lv1〉
守護霊使役スキルが上がっているのはステータスで明らかだが何より魔物を倒した時に感じたのは、身体に力が漲る感覚である。
目に見えて実感できるものではないが、少しではあるが身体能力なんかも上がっているだろう。
順調に行き過ぎていることに笑みを溢してしまうのも仕方ないだろう。
そして守護霊使役スキルのレベルが上がったのならばやることは1つである。
守護霊lv3 左腕lv1(能力:魔力吸収) 右腕lv1(能力:魔力解放)
左腕lv2 or 右腕lv2
(今回はどっちでもいい気がするな。どっちにしようかな。まぁ今回はこっちだな。持ってる能力が強化されるのかな?)
守護霊lv3 左腕lv1(能力:魔力吸収)右腕lv2(能力:魔力解放 魔力強化)
(あれ? 能力増えてる? まさかレベル上がるごとに新たな能力が? だとしたらこのスキルだけで他のスキルを賄うこともできるんじゃ……まぁ何はともあれ能力の確認してみよう)
「スキル:守護霊使役 両手」
まぁ言わなくても発動させることはできるが。言った方が気合いも乗るというものだ。
前と同じように力が抜ける感覚が襲ってくる。目の前にお馴染みの左手が召喚される。
そしてその右側に一回り大きくなった右腕が現れた。
両手で大きさが違うのに違和感を覚えてしまうが、早く新たな能力を使うことが重要だ。
「セツナ、何か魔法出してくれる? 雷とかが良いな」
「キュイ」
セツナが鳴くと、パチパチと音を立てながら電撃がこちらに向けて走ってくる。それを左手で吸収させて……
岩に右手を向けて魔法を解放してみる。
すると……セツナが出した電撃よりも明らかに威力の上がっている電撃が岩へと走っていく。
電撃が着弾したその瞬間、耳を覆いたくなる程の轟音と共に岩が粉砕された。
「んな、えぇぇ……」
自分でやったことでありながらも結果に少しばかり引いてしまう。
気になってセツナの方を向くとセツナもアキトを向いて呆けていた。
「とりあえず、隠れようか。魔物が来るかもしれないし」
「キュウゥ」
音を聞いて魔物が来る可能性が高い。
2人して近くの巨木に登り、ひっそりと息を潜めて様子を窺う。いかに魔物を倒した経験があったとしても、冷静に考えればあれは奇襲だったし卑怯なものであったと言える。
しばらく様子を見ていたが結局何も起きなかった。ということでもう一度地上に降りて倒した魔物を詳しく観察してみることにした。
狼の魔物は2メートルくらいの身体を持ち、背中側は灰色の毛に、腹側は白い毛に覆われている。さらに目は赤く鈍く輝き、牙、爪に至ってはナイフのように鋭く鋭利である。
対して熊の魔物の方は真っ赤な毛皮に覆われている。他に目立ったところは、逆立った橙色の鬣が生えているくらいである。
「解体してみようと思ったけどナイフないしなぁ。セツナ氷も出せる?」
「キュイ」
セツナは直ぐに50cm程の氷の塊を出してくれた。さらにそれを吸収させ、解放してナイフの形に整える。
ついでに発動させた魔力強化のせいで強化された氷の塊から作られたそのナイフは、大剣とも言えるような大きさになっていた。しかし大剣であっても扱えない様なことはない。
一度守護霊を介せば、どんなモノであっても正確にコントロール出来る。
その証拠にアキトは文句を言いながらも大剣を簡単に振り回している。
「でかいなこれ。でももう作っちゃったし面倒くさいからな」
解体するための知識なんて一般人が持っているわけがない。だから完璧に手探り状態で始めていく。
肉を啄んでいるセツナを尻目に、解体を進めていくと魔物の体内から宝石のようなモノを見つけた。
狼からは緑色、熊からは赤色の宝石。
「これ絶対魔石じだよね……どうしようかこれ。セツナ食べてみる?」
「キュイー」
冗談で言ったのだが、セツナは凄まじい食いつきを見せた。飴を食べるかのようにポリポリと美味しそうに食べている。
「身体は大丈夫?」
「キュイ、キュイ」
「なら良いけど……」
「キュイ? ……キュイー」
ほっとしたのも束の間、セツナがいきなり魔法を使い始めた。
風の刃に火球。それは紛れもなく2匹の魔物が使っていた攻撃魔法であった。
巨木を深く傷つける程の魔法は、攻撃手段をもっていなかったセツナには十分すぎるモノである。
「ええ? ほんとに? 魔石食べるとそんなことできるの?」
「キュイ!」
(セツナ……マジ? そんなの際限なく強くなってしまうのでは? もしかしてセツナは食べれば食べるほど力が増していく?)
自分の能力とセツナの能力を組み合わせたなら……考えるだけでアキトは万能感を得られる。
しかし嬉しそうに身体を寄せてくるセツナを見ていると、そんな考えはどうでもいい。
「可愛いなぁ、セツナ。それじゃあ魔石は全部セツナに貢ぐことにするよ」
動物に餌付けをしてしまう心理がわかった気がする。
その後は、内臓等を取り除いた熊を丸焼きにしてセツナと一緒に食べた。
狼の方は適当に切り分け、そこらの葉っぱで氷を入れながら包んでセツナの毛皮の中に押し込んでおいた。セツナの羽毛は万能で、汚れなどを完全に弾くのだ。
もちろん持って行く量はセツナの負担にならないくらいの量。それでも結構な量を持っていけることになった。
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