第8話 証拠の品!!

「あなたが凶器に使ったモノはよ!!」

 阿井アイアイはバッグからビニール袋に入った細長く丸まった金属を出した。



「なにィィ……!!」

 容疑者の飯沼勝利の顔色が変わった。


「こッ、これは!!」なんだと言うんだ。

 オレも眉をひそめた。

 なんのヘンテツもない針金のような金属だ。これを首に巻きつけて殺したと言うのだろうか。



「もちろん証拠の品!!

 よ!!」



「ぬうゥ……!!」

「形状記憶合金だって……!?」

 



「まずあなたは、事前に奥さんの由香里さんへ睡眠薬入りのワインを飲ませ、昏睡状態にしたの」



「ン……、そしてバスルームに」

 オレもそこまではわかっていたが。

 問題はアリバイだ。

 容疑者の飯沼には確固たるアリバイがある。




「その後、これを被害者の由香里さんの首に凶器の形状記憶合金を巻きつけ、お湯を出したまま、あなたはバスルームを立ち去ったのよ!!」



「く……!!」


「そうか。バスタブに湯が徐々に溜まっていき、湯がに触れると、ギュッと首が絞まるッてワケか!!」

 ようやくオレにもわかった。



「ええェ、そうよ。これがアリバイトリックのすべて!!」



「うゥ……!!」








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