第10話 さよならメモリーズ その1 (涼宮晴美編)

と○る○術○禁○目○。


生○会○一○。

オ○カ○と○辛○。

灼○の○ャ○。

涼○ハ○ヒ○憂○。

迷○猫○ー○ー○ン。

デ○ラ○ラ。

ゼ○の○い○。

バ○と○ス○と召○獣。

え○え○。

一○う○ろ○大○王。


 などなど数多くのライトノベルが世に溢れているが……そんな、今の時代、いったい何人の人間がこんな思いをしているのだろうか……


「だあぁ!! 本当に、紛らわしい」

「あ~止めてくださいよ~会長さーん!!」


 直が、晴美ちゃんの名前をハ○ヒと間違え、それに対して晴美ちゃんが指摘をした結果、直が晴美ちゃんとじゃれている。


 涼宮晴美という人間は、まずその第一印象からして強烈であった。


 その日、直に呼び出された彼女は生徒会室にお気に入りの黄色のカチューシャをして現れた。


 その姿は正に、涼宮ハ○ヒそのものであった。


 そんな晴美ちゃんの姿に直が飛びつかないわけがない。


 ちなみに、晴美ちゃんにはそういった知識は皆無だったわけで……。


 また名前も【ハ○ヒ】ではなく【晴美】であったことで、直の思考はすぐさま、某ホラーゲームの小学生に変わったのだが……。


 そして、今日の生徒会は、俺、直、晴美ちゃんの三人だけが集まっている状況だ。


 理由は、特に議題もないからと、星奈さんは帰宅、清美も部活に顔を出しにいった。


 とはいえ……議題がないというのとは……


「暇、だな……」

 

 俺の心の声を直に代弁される。


「えっと、他の方々は……」

「おそらく、サボリじゃないかな? 晴美ちゃんも用があるなら帰ってもいいからね」


 理由は聞いていたが、なんとなく抵抗するために、言った後、適当に転がっていたラノベを手に、ソファーに寝転がる。


「ふむ、では、私はお花摘みにでも行って来るかな」

「お花摘み?」

「あ~ちょっと、おしっこしに行くだけだ」

 

 その直球の発言に、驚き、盛大にソファーから転げ落ちた。


「ハッハハ」

 

 その様子を一部始終確認すると、直は、満足そうに生徒会室を出て行った。


「ったく……相変わらずーー」

「先輩、ちょっと聞いても良いですか?」

「なんだい?」


 首だけを晴美ちゃんに向けるが、意識はライトノベルに向かっていた。


「あの……男の人って、狼なんですか!!」


 そんな予想外の晴美ちゃんの言葉に、俺は再びソファーから転げ落ちた。


「せせせ、先輩大丈夫ですか!?」

「誰から聞いたの? そんなこと!?」

「先輩……顔が怖いです」

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