第7話 ツンデレとヤンデレ その5

「さて、今日の議題だが……」


 さて、やっと、まともな会議がーー。


「○鈴は果たしてツンデレかどうかだ!!」


 直の発言を聞きき、俺は机にでこをぶつけた。


 ……なんだ、そのどうでも良い話題!!


「あの、会長、質問なんですが……棗○って誰ですか?」


 晴美ちゃん、隠す場所、違うよ。 キラッ。


「さて、晴美ちゃんの天然で議題主がリト○スの鈴ってことが明らかになったわけだが!!」

「あのっ……! ○トバスって?」


 ……隠す場所、間違えてるよ。 キラッ。


「ってか、実際に学園から出てる議題だってあるんでしょ? 良いの? 遊んでて?」

「それなら心配ない!! その辺りの雑務は、薫に任せてある!!」


 …………んっ? 初耳ですが?


 ふと、視線を直の方へ向けると、ニヤニヤと笑っていた。


 まーったく、こいつー。 キラッ


「そうか、その……薫……?」

「んっ?」

「その、大変だったら、あっ、あたしでよければ、その……って、手伝ってやっても良いんだからな」


 ピンポーン。


 量産型ツンデレが、発動されました。


 少し、いや、かなりデレ成分多いけど。


 それに、嫌いじゃないんだよなぁ量産型ツンデレ。


「あっ、あぁ、いいって、今更、慣れてるしな」

「今更?」


 清美が、不思議そうに首を傾げる。


「言ってなかったか? 薫と私は幼なじみなんだ」

「おさな……幼なじみ!? 本当なの? 薫!?」

「あっ、あぁ、生まれた時から顔見知りらしい。それが、どうしーー」

「死ね!!」

 

 何故か、激昂した清美が俺の足を踏んづける。


「いったぁぁぁぁ!!」

「先輩!!」


 晴美ちゃんが真っ青な顔で近寄ってくる。


 なんだ? 何が起きてるんだ!? 俺の足ぃ!? 気になる……でも、見たくない!!


「ふむふむ……」

「先輩!! 今、抜いてあげますからね!!」


 抜く? 抜くって何を!?

 

 もう、嫌な予感しかしないが……。 


 敢えて聞きたいよ、ねぇ、何を! 何を、抜くのさぁ!?


 あまりの恐怖に俺は下を向けず、時折、視界に入ってくるあたふたしていた晴美ちゃんを見るのが精一杯だった。


「ふんっ! 自業自得なんだよ……」

 

 この状況を作り出した本人は、悪びれる様子もなく、そっぽを向く。


「あっ、抜けそうですよ! 先輩」


「おーありがーー」


「そういや、よく二人で風呂入ったな、なぁ薫」


 ザシュという音と共に消えたはずの痛みが帰ってきた。


「あっ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 痛みで、思わず叫ぶ。


 そして、俺の目に、怒っている晴美ちゃんの姿が映った。


 あっ、俺、やっちゃいました?


「先輩の……先輩の、、先輩の……」


 おかしいな、さっきから、足の感覚がない。


「ふむ、悲惨なことになっているな……」


 何が? 何が悲惨なの? なぁ、直?


「……流石に、これは私でも、耐性が……無理……」


 何がァァァァ!!!!!


「ぐちゅぐちゅぐちゃぐちゃ……」


 晴美ちゃん、なんか歪な音をしてるのに、楽しそうだね。


「あはは~先輩は晴美のものなんですから。誰にも、誰にも渡しませんからね」


 病んでる君も、かわいいと思うよ。俺は。 キラッ

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