第20話清水よ喜べ。そして敬うがいい!
さて、次の日俺は残業で死んでいる清水の隣に立った。
「清水…おい、清水よ。起きるのだ」
「ん…んぁ?ま、真琴…か?」
「おう、お前が尊敬してやまない真琴さんだ」
「何言ってんだおめぇ…?朝から俺よりイカれてんじゃねぇよ。着いて行けねぇよ…」
ふっ…そんな態度を取れるのも今のうちさ。
「良いのかい?例の件…忘れたわけではなかろう?」
「例の件…例の件…あれか?明日納品の内田産業への納品が間違えたやつだろ?あれはもう済ませたぞ?」
「あ、忘れてた。それは助かったわ。…じゃなくて!夏のイベントの件だよ!女の子と行きたいとかほざいてただろ?」
俺がそう言うとテーブルに俯いていた清水は飛び起きた。
「お!それか!ど、どうだったんだ?」
「……OKだとさ」
「いよっしゃぁぁぁぁぁあ!」
「はっはっは。(水瀬さんに)感謝したまえよ?」
「おう!で、で!ロリっ子は!?ロリっ子は居るのか!?」
「あ…聞くの忘れてた」
「くぁぁあ〜…!ま、いいや」
「いや、良いのかよ」
「まぁな。女の子と遊べるなら嬉しい。俺、頑張れる」
「なんで片言気味かは突っ込まないぞ〜」
「むぅ…真琴くんが構ってくれない!」
「その面倒臭い彼女みたいな演技ほんとに辞めろ!…はぁ。でな、今度顔合わせしようってなったんだけど…何時にする?」
「ん〜…仕事次第だよなぁ」
「そうなんだよなぁ…早く終われば良いが…」
「真琴の方の仕事はどんな感じ?」
「ん〜…クライアントと直接会うのが5件。資料作りが20件。
「大丈夫だ。人間はそう簡単には死なねぇよ…」
「お前はいつの時代のヤンキーだよ…」
「ま、実際1週間で何とかなるだろ」
「だな。そっちは?」
「俺も似たようなもんだ。社畜プロの本気見せてやろうぜ」
「そんなプロ…なりたくなかった…!」
「ははは…そんな君には社畜検定1級をプレゼント!」
「クーリングオフできる?」
「
「「はぁ…」」
そんな漫才のような事をしながらも俺と清水は必死に頑張った。
どれぐらい頑張ったかと言うと…
『お疲れ様です、水瀬です。あの…最近は家に帰ってないみたいですけど大丈夫ですか?』
『水瀬です。和泉さん生きてますか?生きていたら返事をして下さい』
『和泉さん!?本当に大丈夫ですか!?メール見れてますか?』
『和泉さん…どうか無事で居てください…!』
と、水瀬さんから命の心配をされる程だ。
しかも、急いで仕事を纏めた為ほぼ毎日会社に寝泊まりしていたので家にも帰れてない。
そしてこのメールを確認できたのは…漫才をしてから5日後の事だった。
カタカタカタカタカタ…タン…。
「お、終わっ…た…」
俺は何とかやり遂げた。
しかもただ仕事していた訳では無い。問題が起きても対処出来るように色々と仕込んだのだ。
そして俺は清水の方を見ると…
「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…こ、これで…終わりだ…」
と、なんかすごい戦いをした後みたいな清水が仕事を終える瞬間だった。
そして俺と清水は目を合わせると…静かにサムズアップするのであった。
そのあとは出社してした部長に書類やデータを渡した。
そしてその時の反応は…
「おぉ!君たちは素晴らしいね!1ヶ月分の仕事を5日でやり遂げるとは…。私は感動したよ!これからも私の手足となり頑張ってくれたまえ!うんうん!」
…うん。何も言うまい。
そして俺は会社の屋上に向かい久しぶりに水瀬さんにメールを送った。
『こんにちは水瀬さん。返信が遅れてしまいすみません。
「っと、これでいいかな。送信!」
と、送信してから約5秒後。電話がかかってきた。
「はい。和泉…」
『和泉さん!?生きてるんですね!?』
「は、はい…生きてます」
『はぁぁ…良かったぁ…もう!凄く心配したじゃないですか!』
「す、すみません…。メールでも送った通り仕事が忙しくて…あはは…」
『笑い事ではありません!もう…!…それで、体調は大丈夫ですか?』
「はい、大丈夫ですよ。あ、それと明日休みになったので顔合わせしませんか?」
『あ…。はい。大丈夫ですよ』
「良かったぁ…。じゃあ、よろしくお願いしますね」
『はい。こちらこそ。…馬鹿』
そう言い電話は切れてしまった。
「ん?今最後に罵倒されなかったか?」
いや、まさかな。あの水瀬さんが罵倒なんてする訳がないな。うん。
そう思い俺は清水の元へ向かった。
「清水。明日OKだってさ」
「お〜…サンキュ〜…」
「おう…ふぁ〜…眠い…」
「俺もだ…少し寝ようぜ」
「だな…」
そうして俺と清水は約5日ぶりのちゃんとした睡眠をとるのであった。
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皆様!おはこんばんにちは!
青の空です!
特に書くことは…うん。
はい!それでは嬉しいことに☆をくれた方々を紹介します!
@daisuke2 さん
命の月 さん
@nahcoboy さん
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