第17話清水、今何でもって言った?
さて、今日も今日とで俺は部長と戦いながら仕事をする毎日を過ごしていた。
外も段々と暑くなってきており今日なんて28℃になるらしい。
そんな中外の暑さにも負けない男が居た。
それは...
「出会いが欲しい!諦めなければ俺にもうぉぉぁお!!」
と、パソコンに訴えかけている清水だ。
「清水...お前何してんだ?」
流石にそんな声を聞きながら仕事はしたくない為俺は聞きに行った。
「おぉ!真琴くんでは無いか!」
「なんか、その話し方部長に似てるから辞めてくれ。んで、どうしたんだ?」
「あぁ、そろそろ夏だろ?」
「だな」
「夏といえば、海、祭り、花火、BBQとかあるだろ?」
「そうだな。イベントが沢山あるよな」
「そこで俺は考えた」
「ほぉ、聞こうではないか」
「それを女の子としたいと...」
「ん...?」
「分からないのか?今言ったイベントには可愛い女の子が付き物だ。いいか?俺たちはもう23歳だ。そろそろ彼女ぐらい出来ても良いと思うんだ」
「それならいつも掃除をしてくれてる佐藤さんはどうだ?お前、気に入られてるじゃないか」
旦那は先に逝ってしまったらしく絶賛彼氏募集中らしい...知らんけど。
「お、お前...正気じゃねぇな!俺にも選ぶ権利ぐらいはあるだろ!?」
「いやさ、俺らずっと会社にいるんだぞ?社畜としては会社が恋人のようなものだろうに...」
俺はそう言ったが清水はジト目で俺の事を見てくる。
「ほぉ...じゃあ聞くけどよ」
「何だよ?」
「貴様...最近肌艶が良いし目に光が灯ってるよな?」
「.....」
「くくっ...黙りか。さては、女が出来たな...?」
俺は唾を飲む。なんて感の良い奴なんだ。
確かに最近水瀬さんからのお裾分けや一緒にご飯を食べたりしているので調子が良いのだ。
「ばっ!バカ言うなよ...そ、そんな訳...」
俺は何とか誤魔化そうとするが...
「いや、嘘下手かよ!グギギ...羨ましい...!」
と、自前のハンカチを噛み悔しがっている清水を見ながら答える。
「いや...マジでそう言うのとは違うのだよ清水くん」
「なに...?」
「言うなれば飼い主と飼い犬。主人と下僕そんな関係に近いかもしれない」
「何それ?SMの話?」
「う〜ん...多分違うのかな?まぁ、恋人とかではないって事だよ」
「ふ〜ん。ちなみに聞くけどその子はロリっ子か?」
「いや、全く違うぞ?普通に大人の女性だな。ってか、ロリっ子ってお前...変態か?」
「男は皆無限の変態で出来ている!血潮は推しで心は萌えアニメ。幾度の出資を終え...」
「わーー!!!やめろ!やめてくれ!それは不味いぞ!清水!」
「なんだよ!今お前をはっ倒そうと詠唱をしようと思ったのに!」
「なんで固有結界張ってまでそんなことするんだよ...」
「ふっ...純粋に羨ましいからだ」
「もう清々しいほどの馬鹿だな」
「へへっ...それ程でも!」
「いや、褒めてねぇよ...」
はぁ...清水の奴暑さにやられたか。
俺がそうおもぁていると...清水は俺の手をいきなり握ってきた。
「...なんだよ」
「なぁ、真琴...いや、親友よ。我の願いを叶えたまえ」
「俺は〇龍か?7つの玉を集めてからにしろ」
「おふざけは無しで頼む」
「あ、はい...」
「うむ。でな、俺に...女の子を紹介して欲しい」
「なっ...貴様...正気か?」
「正気で本気だ。頼む...!」
「むぅ...」
正直いえば俺に女の子の知り合いは水瀬さんぐらいしか居ない。まぁ、こいつに水瀬さんを紹介するのは...なんか嫌だし。
う〜ん...そうなると水瀬さんにも相談して彼女のお友達を紹介してもらう事になる。
しかし...コイツの趣味に合う子が居るかどうか...。
「頼む!なんでもするから!一生のお願いだ!」
「...なんでも...か?」
「あぁ!なんでも、だ!」
「...分かった。あまり期待せずに待っておるが良い」
「...あぁ!ありがとう!」
「さて...」
俺はスマホを取り出し水瀬さんにメールを送った。
内容はこうだ。
『こんにちは水瀬さん。和泉です。今日少し相談があるんですが大丈夫ですか?』
そして送って約5分後返信が来た。
『こんにちは和泉さん。水瀬です。ちょうど私もご相談があったので大丈夫ですよ!そうだ、なら今日も晩御飯一緒に食べませんか?』
俺はそのお誘いにOKを出し清水にこう告げた。
「清水...今日俺の分まで残業行けるか?」
「え...?それは...」
「これから交渉があるのだ。それは先程の事にも関係ある。それに...なんでも、だろ?」
「くっ...!分かった。武運を祈る...!」
「おう!」
そうして俺は清水の期待を背負い時間通りに退社するのであった。
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