第16話貴方にとって恋とは?

「「ご馳走様でした!」」


ヤバい...新鮮な野菜ってめっちゃ美味しいんだな。


「ふふっ...相変わらずいい食べっぷりでしたね?」


「あはは...すいません。やっぱり男の一人暮らしだと、どうしてもコンビニ飯かカップラーメンとかになってしまって...」


「あ〜...ちなみに和泉さんはお料理とかは出来るんですか?」


うぐ...料理...。

この前作ろうと思った時があり早速やってみたけど出来たのはダークマター。

食べてみたけど苦くてジャリジャリして口の中で奏でられるあの狂想曲は今でも忘れられない。


「料理って...難しいですよね...」


俺はあの日のことを思い出し遠い目をする。


「えっと...今度簡単なの教えましょうか?」


「良いんですか...?」


「はい。誰でも最初は出来ないものです。でも、諦めずやれば絶対に出来るようになりますよ?私だって最初は出来なかったんですから」


そう語る水瀬さんは優しい顔をしていた。

きっと何かを思い出しているのだろう。


「じゃあ今度お願いしてもいいですか?」


「はい!...っと、そろそろ片さないといけませんね」


「あ、それなら洗い物は俺がやりますよ。水瀬さんは休んでいて下さい」


「え、でも...」


と、水瀬さんは申し訳ないなと言う顔をしているが、料理は全てお任せしてしまったのだ。洗い物は任せてくれないと俺が困る。


「良いんですよ。水瀬さんはテレビでも見てて下さい」


俺が洗い物を持ち笑顔で言うと水瀬さんは諦めたようで...


「分かりました。よろしくお願いします」


と、言ってきた。


「はい。任されました」


俺はそう言い洗い物を流しに持っていき洗い始めた。

そして気づいたことだが、水瀬さんは使ったものはすぐに洗っているようで実際に俺が洗い物をしたのは食器ぐらいだった。


そして10分程で洗い終わり水瀬さんの元に戻ると、どうやらテレビを見ているようだがその番組で特集されているのは恋愛の事だ。


『では、貴方が異性に求める事は何ですか?』


と、リポーターが街を歩いている若者に質問していた。


『そうですねぇ...やっぱりイケメンが良いですよね!』


『イケメンですか〜。そこのお隣の貴方は?』


『私は...外見より中身ですかね!』


その人がそう答えると、イケメンが良いって言っていた人は『え〜!』と言い始めた。


『イケメンでお金持ちが1番いいって!』


『う〜ん...でも、そんな人居るかな〜?』


俺はそれを見て「うわぁ...」と呟いてしまった。

そしてそれに気づいた水瀬さんは「クスッと」笑い俺に聞いてきた。


「おかえりなさい、和泉さん。ちなみに和泉さんはどんな人が好みですか?」


「どんな人が好み...ですか」


「はい。男の人が女の人に求めることって何だろうな〜って思いまして。で、どうですか?」


と、水瀬さんは『私、気になります!』と言うようにじっと俺の事を見つめてくる。


俺はなるべく目線を合わせないように目を瞑り考える。

好きな人...あ〜...。

思い出されるのは初恋が実ったのにイケメンに寝盗られた事だ。

その日から俺は誓った。『イケメン滅ぶべし』と。

しかし、今はそれは関係ない。


「少し、気持ち悪いとは思うのですが...一途で家庭的な人がいいですかね...」


「成程、ちなみにその心は...?」


「ちょっと昔嫌な事がありまして...やっぱり好きな人には自分をしっかりと見てもらいたいですし...時代錯誤だと思うんですけど、やっぱり男の心としては好きな人の料理が食べたいと思ってしまうのです」


俺がそう言うと水瀬さんは『ふむ...』と呟いた。

俺はそれを見ながら質問した。


「ちなみに、水瀬さんはどんな人が好みなんですか?」


俺がそう聞くと水瀬さんは少し悩みながら答えてくれた。


「実は最近友達とも話したのですが...恥ずかしながら私初恋もまだなんです」


「え...?」


初恋がまだ...だと?


「あはは!そんな顔しないでくださいよ。これにはちゃんと理由があるんです。私が住んでいたところは年上が多くて、1つの教室で全校生徒が授業出来るほど人が少なくて...そして私が最年少でした。だから、異性を見てもお兄ちゃんぐらいにしか思えなかったんですよね」


「あ〜...成程」


まぁ、狭いコミュニティだとそうなるのかな。幼い頃から同じメンバーで育つと恋愛に発展しずらいと言うからなぁ...。しかもみんな年上。尚更だ。


「だから...よく分からなくて」


「でも、水瀬さんなら大学とかでも告白とかされるんじゃないですか?」


お世辞抜きで水瀬さんは可愛い。

清楚でお淑やか、性格もいいし料理も出来る。これほどの人を周りは放って置かないはずだ。

俺がそう思い聞くと水瀬さんら苦笑いで答えた。


「う〜ん...確かに告白はされますけど...あまり話したことのない人が多くて。申し訳ないのですがお断りさせて頂いてます」


「そうなんですか?」


「はい。やっぱり怖いじゃないですか」


と、言うが。...あれ?俺は?あぁ、俺は犬枠だったか。...はは。


俺は地味に心にダメージを受けながら...


「まぁ、水瀬さんはまだ若いですから。これから出会いは沢山あるはずですよ。無理してもしょうがないですから」


と、答えた。


「そう、でしょうか...?」


「えぇ。いつかこの人だって思える人が現れると思います。今は居なくても焦る必要は無いのですから」


俺がそう言うと水瀬さんは微笑んだ。


「ふふっ...和泉さんはやっぱり年上の方なんですね。考えがしっかりとしていると言うか...凄く頼りになりますね」


と、言ってきた。

俺は少し恥ずかしそうにしながらも答える。


「ははっ...伊達に社会人はしてないですから」


「そっかぁ...社会人か。うん、ありがとうございます和泉さん。なんか、スッキリしました」


「それなら良かったです。忠犬としては主人の悩みは解決したいですから」


「忠犬?主人?」


「あ...なんでもないです!気のせいです!」


と、俺が失言した!と、慌ててそう言うと水瀬さんはお腹を抱えて笑い始めた。


「ふふっ...あはは!」


俺もなんか笑いが込み上げてきて2人で笑い会うのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


皆さん!おはこんばんにちは!

青の空です!


今回少しだけ2人は前に進めたかな...と思います。

でもまぁ、そろそろイベント事が欲しいですよね。


ちなみにご報告でございます!

昨日のPVなのですが、遂に2000を突破致しました!

大変感謝でございます!


ブックマークも176になりまして...感激です!


そして星も増えていました!


そしてその☆をくれた...


@suitou893 さん

坂木灯 さん

@DLsnie さん

@sutegon24z さん


本当にありがとうございます!!!


コメントは夜頃に纏めて返信しますのでよろしくお願い致します!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る