おっさんが無双しまくるのはおかしい……んだよなぁ……

影山阿輝

第1話 プロローグ

~とある村にて~



「ふっ!はっ!」

 そう気合いとともに剣を振るっている一人の男がいた。

「疾ッ!」

 手にした剣を縦横無尽に振るう。音すら生じさせぬ剣は最早神業といってもいいだろう。

「はあぁ!」

 剣を奔らせ都合十連撃を繰り出す。

「ふうー」

 剣を下げ息を吐く。すると。

「先生!」

 男をそう呼び一人の少女が駆け寄った。

「ああ、アルテミシアか」

 男が少女の名を呼ぶと。

「はい、おはよう御座います」

 少女はそう男に挨拶した。




~Sideカイゼル~



「おはよう、アルテミシア」

「はい先生」

 彼女の名前はアルテミシア・クロード。 艶やかな黒髪と銀の瞳を持つ15歳の少女だ。

「じゃあ、やるか」

 そう言い俺は剣を構えた。

「はい」

 そう彼女も剣を構えた。

 俺達の立ち姿は同じで剣を構えるというには無形だ。理由は剣の構えから相手の行動がある程度予測できてしまうからだ。

「往くぞ」

「お願いします」

 二振りの剣が織りなす閃光の嵐。他人が見ればそう表現するしかない。並みの戦士では体捌きすら追うことができないだろう。

 絶えず鳴り続ける金属音だけが俺達の手に剣が握られていることの証明だ。

 周囲に絶えず鳴り響く暴風としか言いようがない剣戟の嵐。

「強くなったな」

「ふふっありがとう御座います」

「ふっ……《閃刃》」

 無数の光の刃がアルテミシアを襲うが……

「《閃刃》!」

 アルテミシアも同じ技を繰り出し弾いた。

 この《閃刃》は《剣気》で斬撃を作りだすというものだ。

「《大蛇》」

 弾かれた《閃刃》を曲げ再び斬撃をぶつける。

「フッ!」

 同じ《大蛇》で斬撃を曲げて相殺した。

「《紫電》」

 体を捻り《剣気》をのせた神速の突きを繰り出す。

「クッ!」

 その一撃を剣の腹で受け止めるがそのまま後方十数メートルまで吹き飛んだ。

「どうしたもう終わりか?」

「まだです!」

 そう言い《紫電》を放ってきた。もともとこの技は突進から繰り出すものでさっきは体を捻り無理やり放ったものだからこっちの方が本来の《紫電》だ。

「《剛鬼》からの……」

 魔力で身体能力を強化し剣を鞘に収め……

「《八雷神》」

 超神速による八連抜刀術を繰り出した。

「ガハッ!」

 次の瞬間アルテミシアが全身から血飛沫を上げ倒れた。

「フッ……《起死回生》」

 アルテミシアの体が一瞬光に覆われた瞬間傷が全て治った。

「……ん?」

「目が覚めたか?」

「……参りました」

「そうか」

「さて、シャワーを浴びたら朝食にしましょうか」

「ああ、分かった」

 俺達は自宅へ戻あるために歩き出した。

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