第9話:遊びの約束

 ぴこん。

 勉強机と対峙している中、携帯の通知音がする。俺は迷いなく、携帯を取る。

 画面を見てみると『仲良しグループ』と表示されていた。

 てか、今思ったんだけど、仲良しグループってまだ仲良くなくね?まあそんな細かいことどうでもいっか。

 とりあえず画面をタップしてなんて来てるか見てみる。


 天<みんな明日暇?笑>


 俺が入力しようとすると、トークルームが一気に満たされる。


 雅人<暇ー笑>


 桜良<暇!>


 花音<暇暇暇暇!笑>


 陽乃<暇すぎて死にそー!>


 優芽<暇だよぉー!>


 零菜<まじで暇笑>


 いやみんな返信早すぎ......暇しすぎだろ......。

 秒速で返ってきた返信に驚きながらも俺は指を動かす。


「暇だよ!っと」


 そして、送信ボタンを押す。

 あっという間に7人が既読をつける。

 だからなんでそんな早いんだよ。まあ俺も人のこと言えないか。

 すると、天から返信が来る。


 <んじゃあ明日みんなで遊ばね?>


 おー!いいね!

 心の中で歓喜しつつもスマホを片手に文字を打つ。だが、俺が打ち終わる前にトークルームが満たされる。


 雅人<ありだな笑>


 桜良<遊ぶ!>


 花音<遊ぶ遊ぶ遊ぶ遊ぶ!笑>


 陽乃<さんせーい!笑>


 優芽<遊ぼぉー!>


 零菜<まじでそれ名案!>


 いや、打つの早すぎな?一体どんだけスマホ触ってんだよー。

 にしても、みんな賛成ということに驚いた。

 俺とは会ったことはあるが、直接話したことはない。なのにこんなに乗り気で正直めちゃくちゃ嬉しい。

 普通に<ごめんー私は遠慮しとくー>とか来ると思っていたのにかなり予想外であったのだ。

 しかもみんな1つ年下なのにタメ口。まあ天には普段からタメ口だろうし、仕方ないことだろう。それに俺は敬語よりタメ口の方が好きだ。だってそっちの方が親近感が湧くじゃないか。

 俺は器用に指を動かす。そして、送信ボタンを押す。


 陸人<俺も遊ぶの賛成!>


 7人の既読はすぐについたのであった。

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