第5話:帰り道
美術の居残りが終わり、ようやく帰れる。
俺らは美術の先生に「さようなら」と言ってから美術室を出る。
居残りをしていた中でどうやら俺らが終わるのが1番遅かったらしく、俺らは美術の先生にため息をつかれた。
申し訳ない······。
美術の先生への申し訳なさを残して俺らは学校を後にする。
「今日の居残り楽しかったな!」
「それな!」
俺らは学校を後にしそんな他愛のない会話を始める。
実際、美術の先生は優しいので、俺らが雑談をしていても特に何も言わない。だから恋バナだとか色んな話をしていたわけだが。
「なあ、
ねえよ······。実際あったら学校生活を退屈に思ってねえよ······。
俺はため息をつく。それを2人は察する。
「んじゃあ今度あの子と遊ぼうぜ」
「あの子?」
「美術の居残りにいた
急にほぼ実現不可能な提案をする雅人。
こいつは一体何を言っているのだ······。
大体、俺はあの子と面識すらない。可愛いということと
それにどうやって関わればいいんだ?急に話しかけてもビックリされるだけだろうし。
「どうやって遊ぶんだよ」
俺が2人に訊くと、2人は考える素振りも見せず即答する。
「「あの子の友達も遊びに誘う」」
まじか······。
俺は驚く。たしかに、友達も誘って遊べば楽しいだろう。だが、本当にそんな簡単に遊ぶことが出来るのだろうか。
思わずため息が出る。
「んじゃあ俺、
たしかに天は1つ下の学年、いや
「んじゃあ俺からも零菜に頼んでみる」
続いて雅人がそう言った。
雅人も零菜と関わりがあるのか、と驚くがまあ
「だけど雅人って美歩と付き合っているんだろ?美歩束縛激しそうだけど大丈夫なのか?」
「んーまあ美歩から許可取れなかったら行かないけど、許可取れたら俺も行くわ!」
「曖昧な返事だな······というか天ほんとに遊べるのか?」
「あったりまえだろ!俺に任せとけ!」
さすが天。可愛い女の子の話になると、もう目の色が変わってしまっている。
俺はそんな天に呆れながらも結構楽しみにしていた。
同時に、その女の子の中に俺のメインヒロインはいるのか、とわくわくしていた。
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