第2話:出会い

 いつも通りの学校の日常。

 友達と廊下で会話しながらも若干の退屈を感じている現在。

 別に学校が楽しくない、というわけではない。さっき言った通り物足りないのだ。

 だから何か、面白いことが起きてくれないだろうか。

 そう思っていると、噂の転校生が俺の視界に入ってきた。そして、目が合う。

 俺も転校生に興味が無いわけではないので話している友達に一言告げてから、その転校生に話しかけてみることにした。


「ねえねえ、君が噂の転校生だよね?」


「え?うんそうだよ」


「名前は何?」


松下まつした雅人まさとだよ」


 俺が聞くと、にっこりスマイルで返してきた雅人。

 別に顔はイケメンというわけではない。どちらかというと普通だ。

 くっきりと強そうな瞳に、髪は短め。細い体をしており、筋肉も多め。そして、初対面でも話しやすそうな明るい雰囲気。俺は嫌いではない。


「そっちは?」


「あ?俺?」


 俺は訊かれたので、にっこりスマイルで返す。


「俺は酒井さかい陸人りくと。陸人って呼んでくれ!」


 急に距離を詰めようと、手を前に出す。

 握手しよう、という俺なりの友達宣言みたいなものだ。

 雅人は若干驚きながらも笑顔で俺の手を取る。


「おう!よろしくな!陸人!」


 これが俺と雅人の最初の出会いであった。

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