彼女が欲しすぎる先輩達と無邪気で可愛すぎる後輩達によるラブコメ

ysi

第1話:来たる転校生

 人生というものは退屈である。

 彼女は出来ないし、勉強は忙しいし、いいことなんてほとんどない。

 特に今年俺、酒井陸人さかいりくとは中学3年生。中学3年生の9月頃。受験勉強真っ最中であるのだ。

 まあ、受験勉強といってもそこそこ頑張っているくらいだ。授業中は友達と話し、まともに授業は聞いていない。それでも、テストは80点台や90点台で成績は普通に良かった。

 だけど勉強が出来たところで、彼女が出来なければ、人生は退屈であるのだ。

 もちろん、友達と会話するのは最高の時間だ。

 だが、毎日変わらないのだ。毎日ずーっと友達と話す日々。そんな日々に俺はどこか退屈を感じているのかもしれない。

 だから俺はちょっと変わったことを求めている。

 例えば、三角関係の複雑な恋愛だとか、修羅場というものだとか、周りが聞いたら引いてしまうかもしれないが、そうゆう少し変わったものを俺は今求めているのだ。


「なあなあ、2組に転校生が来たらしいぞ!」


「まじ!男?女?どっちだ!」


「男だって!サッカーめちゃ上手いらしいぞ!」


「まじでー!ちょっと2組行こうぜ!」


 俺の周りで転校生の話題をしているクラスメート達。

 俺もちょっと気になり、廊下に顔を出す。

 そこには細い体をした転校生が学年の男子や女子たちに囲まれていた。

 俺はわざわざ輪の中に入るのはめんどくさいと思い、教室に帰る。

 だが、俺はこのとき思ってもいなかった。

 この転校生が俺の中学校の半年、否、これからの俺の人生を変えることを。

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