他人様の事だが、統合失調症の知能低下について考えてしまった日(令和四年七月一一日)

 しんどさ一ねむさ五

 万歩計六五六四、小指手術後一四七日目。

 今朝は六時に起きた。めざまし時計は相変わらずなし。一時すぎに入眠したので相変わらず寝た気がしない。

 ゴミ出しついでに、いつもの隣のコンビニで焼きそばパン、ナイススティック、飲むヨーグルトを購入してきての朝食。朝の薬も飲んだ。

 四ツ辻まよいの、おはまよらじお配信を流しつつ、昨日の日記を慌ただしく書いて、公開した。

 四ツ辻まよいの配信から西園寺メアリの配信に切り替えた。出かける仕度をはじめた。

 八時すぎに自室を出た。今日も病院のデイケアに通うのであった。

 今日のプログラムは午前がのんびりストレッチ、午後が個別活動だ。朝のミーティングで司会をして、午前のプログラムの待機をするのであった。

 のんびりストレッチとは、文字通りのんびりしつつストレッチを行うプログラムだ。二時間くらいかけて、頭のてっぺんから足先までストレッチしたり、ソフトボールを使ったマッサージをするのである。それはとても心地良く、身体のこりがほぐれ結果、心もほぐれる気分になるのだ。

 ヒーリング・ミュージックを流しつつ、デイケアスタッフAさんの主導でプログラムは進んでいった。気づいたら二時間があっという間に過ぎていった。

 心も身体もスッキリした。水分補給のポカリスエットは半分くらい飲んだ。

 午前のプログラムが終わり、午前終了のミーティングになった。これも司会は俺だった。司会のレギュラーはYさんだが、なんとなく手すきの人が司会をしており、仕切りたがりの俺は進んで司会をしている。

 昼食時間までの休憩時間がやってきた。いつも手持ち無沙汰で何をしたらいいのか迷う時間だ。利用者のTさんと首相暗殺についての話などしていた。Tさんは俺より動揺してなかったが、よくよく話を聞くと病気の事を含めた他の事で手一杯で、他者に気遣いする余裕がないようであった。

 これから推察するに、俺の事件への動揺さは、病が癒えてきたから心を動かすだけの余裕があるからであり、ショックをうけてるのも当然だなという事だった。Tさんのように自身の病で手一杯なら、首相が暗殺されてもそこにさく脳のリソースがない訳だ。仕組みが分かって少し動揺もおさまった気がした。

 別の利用者さんのYさんやMさんとも首相暗殺について「他の人は動揺しているように見えないが、俺はまだ動揺しているんだ」という言葉には「いや私(自分)も動揺していて、田上さんも平静に見えるけど」と同じような感想を持っている事を確認できたのは、非常に良かった。その言葉で少し救われた気がした。他の人も動揺してるのか、そしてそのように見えないのか。案外、感情は見えにくいものなのかも知れない。言葉にしないと感情は伝わりにくいのかな、とも思ったりした。

 昼飯は鶏肉の唐揚げ、白菜のスープ、米飯、サラダ、梅ゼリーだった。文句のない美味しさだった。白米がうまかった。昼の薬も飲んだ。

 食事が済み、ソファのある休憩スペースでいつものようにダラダラすごしていた。T内さん(さっきのTさんとは別な人)と雑談をしていたら、急に「早くウクライナが降参しないかな」と訳のわからない事を言いはじめたので、俺は「なんで?どうしてそんな事が言える?根拠は?」と食いついてしまった。戦争をしかけたのはロシアだぞ、この戦争はロシアというかプーチンの悪で(ロシアを戦争に向かわせたのはウクライナのNATO加盟が決定打になったからだという流れがあるものの)確定事項だろうよ、と思っていた俺だから、適度にスルーしつつ話に乗っかるというような余裕はなかった。

 T内さんは深く考えてなかったようで、返答につまっていた。迂闊すぎる発言だろう、統合失調症の認知機能低下による発言(つまりは病気がさせた発言)とはいえ、発言しないという選択肢はなかったのだろうか?そのブレーキも壊れてしまうのがこの病気のやばい点なのだろうな、社会性に働きかける病だというのも納得がいった。単に奇声を発したりコミュニケーションが出来ないという訳じゃなく、コミュニケーションを破壊しちゃうのだ。怖い。

 それだからといって、T内さんに俺が悪感情を持ったり、嫌いになったかというとそうでもなく、まあ友人というか知人というかそんな感じの付き合いだろうと思うのだ。一々そんな出来事で好き嫌いをこじらせても仕方あるまい。割と直感で「こいつとは話があわない」とか思い込みはあるけれどもさ。

 午後のミーティングになった。これも俺が司会をした。つつがなく終わり、午後のプログラム開始の一三時三〇分まで少し休憩時間になった。

 午後のプログラムは個別活動で、俺は自分史の校正と川端康成の「雪国」を少し読んでいた。自分史を読んだら、自分の文才のなさにいらだつし、雪国は書き出しは有名だけど、内容はさっぱりという状態で読み始めていた。

 文章がスッと入って来ない。いきなり回想がはじまり、左手の人差し指が濡れて、女性(との性交)を思い出したりしていておったまげた。匂いや唇の触れた感触や、乳房の柔らかさや乳首の固くなった感触といった五感全てではなく、指が濡れる感触だけだったのは「おや?」と思った。この感覚のずれが当事者批評なのだろうか、とも思った。

 いきなりイチャコラがはじまったのもおどろいたが、主人公が山ごもりしてきたので性的に溜まっている、だから商売女性が必要だ、そこで宿の女中にそれの手配をお願いする、という思考の流れはまあそういう当時の風俗なのだろうなと思ったりもした。手淫(オナニー)でいいじゃんと思ったりもする。この辺の思考がよくわからん。当時のヌキ事情にも精通しなければ(不覚にもダジャレになってしまった)この辺はよくわからんのだろうか?悔しい。

 雪国をダラダラ読んでる途中で、午後のプログラムの終了時間になってしまった。

 帰りのミーティングの司会も俺がやった。会計を済ませ、スーパーに寄り、帰宅した。

 帰宅してMリーグのドラフト会議を見て、佐賀よかの草刈り動画を見て、夕食にした。

 天丼弁当、枝豆、夜の薬。少しだけタンパク質多め。汗をかいたためか、しょっぱさが物足りない気がした。

 一九時半ごろから二三時半まで、ずーっと星月べーるが遊んでいる、テリーのワンダーランドの配信を見てた。配信はゲームの開始から配合を解禁する所くらいまで進んでいた。

 風呂も入らず、日記も書かずだ。安倍ちゃんの事はあんまり考える余裕はなかった。ただ、叔母と母に首相暗殺の事で思った事をラインしてた。

「首相襲撃犯は宗教二世で、両親への恨みや殺意には同意してしまう。テロリストへの同情は禁物なのは分かっている上でそうなってしまう」なんていうような事をラインしていた。

 まあ愚痴なんですけどね。実際、自分史で憎しみや殺意を言語化したら感情は残っているものの、大きさは小さくなったものな。

 サロメ嬢の配信が二四時からだったが、二三時半すぎには寝ていた。おやすみなさい。

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