番外 炎上した人の心理状態についての雑な考察

 炎上したコピーライターの心理状態について考えてた。身勝手で稚拙な推察なのでひどい話ではあるのだが。

 SNSでの誹謗中傷を減らすことを目標として今年5月に設立された一般社団法人「この指とめよう」が炎上した事は記憶に新しい。

 そして「この指とめよう」が活動を休止したらしいのだが、公式に何もアナウンスはなかった。非公式だがアドバイザーを務めるジャーナリストの佐々木俊尚氏がツイッターで公表した。

 その事はどうでもいい。俺が気になったのは佐々木氏の発言にある「代表はこの時点でも『この指とめようを批判したのは多くが匿名のネットユーザーで、著名人の批判はほとんどなかった』という旨の発言があり、『ああこの人いまも全然わかってないなあ』と私もガッカリしました」の『多くが匿名のネットユーザー』部分だ。ハンドルネームの人を含むのかという部分も気になるのだが、それはさておきこの発言から色々考え、推察したのだ。

 しばらく考え、腑に落ちたのは、「匿名のネットユーザー」と言う人は、それが彼の人の内面を言語化したモノなのだ。つまりは自己紹介なのだ。

 インターネットでよくある返しに「自己紹介乙」とあるが、何か発現する時に過度の一般化で自己の経験や価値によりすぎた発言をしてしまう。これはインターネットだけでは当然ないのだけれど。

 なぜそういう発言になったか思考をたどろうと試みる。無駄だけれども。

 炎上事件をきっかけに匿名掲示板に入り浸りになったり、ハンドルや匿名アカウントからの発言を過度に目にし、それに過剰反応した。もうひとつは妄想、ただの思い込みである。お前を攻撃する匿名の発言者はいない。攻撃的発言があったとしても、それはお前に対してではなく、考えなしの反応やツッコミである事が大多数だ。

 しかし、炎上する人の反応を見ているとまるでテンプレートのように「匿名の発言者による攻撃が」という発言をするのを見かける。

 これはどういう事なのだろう?俺が気になるのはその点である。

 攻撃者ではなく、そのように思ってしまう、思い込む心理的反応についてだ。炎上したら攻撃的な言動(に見えるがその実何も考えてないノイズの類)が全て自分自身に向かっているように見えてしまう、その理屈だ。被害妄想というのはこういう事なのだろうか。全世界が敵に見える、敵か味方かの二分化。もちろんそれは思い込みであって真実ではない。

 が、事実なのだろう炎上した本人にとっては。なのでそういったモノの見方になったら、休息とカウンセリングと医者による投薬が重要なのだろう。そんな余裕はないとは思うが、何せ炎上にすぐ対応せねばなるまいと焦るわけだし。

 この全ての文脈が自分自身を攻撃してくる感覚は辛い。おそらくこの辛さに苛まれられたのだろうなと推察した。ご愁傷様である。ただ、明確な意図をもって攻撃してくるアカウントや人というのは無尽蔵ではない、数人いや一人か二人もいるかいないかだと思われる。

 炎上の内容が「言論の封殺を普段からしているようなアカウントが関連している」という部分で、不特定多数を巻き込んでしまった感が強いのだが、そいうい人選にならざるを得なかったのは残念という部分と、炎上した人で生き残ったのが、そういうアカウントだったという生存者バイアスがあったのかも知れないなどと思ったりする。誹謗中傷に強い人なんてそうそういないし、オピニオンになれるほど強い人というのは、逆に不向きな役割なのかもしれない。今回の炎上でことさら思うのだ。

 じゃあ誰が適任だったかというと、普段ROMってるだけのチキンだが賢いSNSの使い方をしている人なのだが、そういう人が火中の栗を拾うような真似をするかというのもあるよなと。難しいね。俺?考えなしに発言している側だから「誹謗中傷をやめよう」とは他者へ言いづらい。せいぜい「とどめを刺すな」くらいしか言いようがない。どの言葉がとどめになるか分からんのだけれども。

 病んでいるという主催者へインタビューしてみたい気持ちではある。実際どんないやがらせがあったのかも重要だけど、どんな印象を受けたのか、主観から発せられた言葉を聞いて・見てみたい。彼自身の内面がそうであるのかという部分の考察は他人に任せるつもりだ。

 こういった炎上を描写した小説とかあるのかしら?多分あると思う。

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