第3話 捻挫 重症度:軽度 ~状態~
「(なんだこの透けている画面は…とりあえず、はい。でいいのか?)」
【 それでは治療を開始します 】
1、まずは、症状を聞きましょう。
2、よく、痛めた足を観察してください。
3、足を動かしてもらいましょう。
4、触って患部(痛めた場所)を触りましょう。
5、原因を見つけたら、さっそく施術を開始してください。
心の中で はい と考えると脳内で 治療を開始します。 という音声が流れ画面の文字が変化して治療のための手順が書かれている。ただし、魔法とかみたいにすぐ治るわけではなく手順が書かれているだけであった。
「(こういった展開だと、足が光に包まれて瞬間に治ったりとかしてくれないのか?)」
「大丈夫ですので、そんな深刻そうな顔をしなくてもいいんですよ。」
「あっ!すみません。もしかしたら、私でも回復させるためのお手伝いができるかもしれません。(腫れてる場所や肌の色、内出血はなさそうだし、やっぱり画面の表示通り軽度の捻挫の可能性が高いか…)少し足首を動かしてもらってもいいですか?」
この透けた画面は真にしか見えていないようであった。真は、現実世界では柔道整復師や鍼灸師と呼ばれる仕事をしていた。いわゆる接骨院や鍼灸院の先生である。主に、ケガをした方への回復までの道筋を示す仕事である。そのため捻挫や肉離れなどの施術は日常茶飯事であった。
「足をこの手の動きを真似して動かしてもらってもいいですか?」
「これは、痛くないです。これは…いてっ。この動きは痛みますね。」
「やっぱり一番痛めやすい場所をケガしてそうですね。少し触っても大丈夫ですか?
中の状態を確認させてください。」
「触ってわかるのですか?もしかして、お医者さん?お気付きかもしれませんが、痛みがかなりあるせいで、走って村まで帰れそうにないので困っていました。」
「医者ではありませんが、少し医学の知識がありますので応急処置なども可能だとは思いますよ。」
いつもの施術をしていると不安だった気持ちが一時的にでも忘れられた真であった。
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