第4話 捻挫 重症度:軽度 ~治療~
許可も取れたところで体の中の状態を確認するために患部を触ってみる。最初から押したりしてはいけない。痛みが出ている場所を左右同時に軽く触れてみる。そうすると左右差からその人の腫れている部分を知ることが出来る。
「この辺が痛みますか?」
「そこは痛くありません。もう少し下の方で痛みが出ています。」
「わかりました。この辺とかですか?」
「そうです。そこに痛みを感じています。」
ここでポイントとなるのが患部の腫れているところをすぐに触らないということ。色々と理由はあるが、腫れている場所以外にもケガをしていることがあることもあるし、先に痛みを感じてしまうとその余韻でその小さなケガを見つけづらくなってしまうからだ。
「周りも含めて確認してみましたが、やはり捻挫と呼ばれるものですね。」
「捻挫とは、どういったものなのでしょうか?」
「捻挫というのは、人間の骨が変な所に移動しない様に固定してくれている靭帯と呼ばれるところをケガをしてしまっている時のケガの名前ですね。」
「へ~。初めて聞いた言葉でしたが、身体の中にそういったものがあるのですね。しかも、それが触ってわかるなんてスゴイ変わったスキルをお持ちですね。
」
関心されながら初めて聞くという部分に疑問を感じながらも治療を進めることにした真であった。
「(捻挫とかは、かなりメジャーな単語だしこのくらいの年齢の子どもでも、自分でも周りの人でもケガをした人が居れば知っていてもおかしくはないのだけれど…それに、スキル?)」
考えながらも治療を進めていると治療がほとんど終わった時、画面の表示が捻挫 重症度:軽度から回復中に変わった。
「このくらいなら一時的に痛みを抑える処置をすれば、少しは歩けると思いますよ。村までってどのくらい時間がかかりますか?」
「そうだった!急いで戻らなければ…もう、近くまでは来ているのであとは歩いても5分程度の所にあります。」
「それなら、ギリギリ応急手当が終わっただけでもなんとかなりそうですね。こんな時になんですが、道に迷ってしまって…もし良ければ私も一緒に村まで連れて行ってもらっても良いですか?」
「もちろん。ってあれ、立てる!これなら走って村まで帰れます。」
「あっ!急いでいるかもしれませんが、応急処置なので今無理をすればまた悪化してしまって痛みが先ほどより強く出ますよ。荷物も持ちますから、無理せずなるべく早く戻りましょう。」
「わかりました。ではあっちの方角なので一緒に村まで行きましょう。」
村に向かうことになった真の脳内にまた音声が流れてきて驚いた。先ほど男の子が言っていてわからなかったスキルを獲得したようだった。
【 捻挫 重症度:軽度の処置が完了しました 】
-スキル獲得-
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男の子の足を見ると画面には、【 捻挫 重症度:治癒 】と表示されていた。
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