第5話
十時十八分 AM
フランケンシュタイン家 リビングにて――
「二秒以内に答えな」
「単刀直入にもほどがあるから!」
「あんたって、そんなに無間地獄に落ちたいわけ?」
「僕はどれだけの罪を犯したの⁉」
「この世に生まれたことよ」
「んな無茶な!」
「……なによ、これ」
「ち、超プリチーなフリフリのメイド服、ですけど?」
「そんなゴミ以下のことなんて聞いていないのよ」
「ゴ、ゴミ以下って……」
「どうして着替えが、このゴミしかないわけ⁉」
「あ、あのぅ……あんまりゴミゴミ言われちゃうと……うつ伏せになってジタバタしながら泣いちゃうゾ?」
「ちょうどいいわ、あたしの気が済むまで蹴り続けるから」
「君の気が済むころには、虫の息だよ!」
「巧いこと言うわね、その通りよ」
「当たっちゃったよ、チクショー!」
「そんなのどうでもいいけど、あたしの着替えは?」
「どうでもいいって、いつでもどこでも紳士の品格を崩さない僕に向かっ……まてやコラ」
「返答次第によっては、サンドバッグになってもらうから」
「それだけは勘弁してください!」
「だったら、ちゃんと言葉を選んで答えることね」
「あっ、いや、その、屋上にですね……」
「屋上?……あんた、まさか!」
「いやー、ここんとこずっと雨だったでしょう? それでやっと今日晴れたからさ、パーっと洗濯物を干そぶ!」
(俺の運命は、どこで狂っちまったのかなぁ……)
目覚めたら、僕はリビングのカーペットの上で、殺人現場の被害者のようにうつ伏せに倒れていた。
そして、ヴィクトリア――僕の超可愛い妹は、ソファーで優雅にご本を読んでおられた。
この構図が、僕らの上下関係を明確に表していると言っても過言ではない。
目覚めた僕に気づいた時の第一声が、『お腹すいた』だったのが何よりの証拠だ!
パパ、ママ、それでも僕は超幸せです――
萌える女王と僕のキズナ ~変態という名の紳士~ ユウ @codenamezeke1940156
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。萌える女王と僕のキズナ ~変態という名の紳士~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます