第3話

十四時七分 PM

フランケンシュタイン家 リビングにて――


「……やれやれ、天が僕の天才っぷりに、今日も泣いているよ」

「ただでさえ連日の雨でイライラしてんだから、来世まで黙っててくんない?」

「そんな、間接的に死ねって言葉、初めて聞いたよ!」

「そんなのどうでもいいけど、この雨、どうにかなんないの?」

「どうでもいいって、歩く胸キュン製造機と言われて……」

「あんたはただの、人類史上最大のバカよ」

「いる僕を……まてやコラ」

「あぁイライラする、一発でいいから殴らせて」

「そ、その一発が致死レベルだということをお忘れで⁉」

「だったら、三秒以内になんとかしな」

「どうして君はいつも、猶予が秒単位なの⁉」

「変態バカのチビ科学し……あんた天才なら、この雨なんとかして」

「君、言い直す気ぜんぜんなかったろ!」

「あたしはね、ヴィクター……」

「えっ?」

「あんたをボコボコにして身体中の骨を粉砕してから排水溝に捨てたくないの」

「ご丁寧な説明、どうもありがとうございますぅ!」

「雨をどうにかするか、あたしのイライラを抑えるためにサンドバッグになるか、あんたに残された道は二つに一つよ」

「どちらも、『はい、わかりました』って素直に答える人なんていないよ!」

「だったら、もうアレしかないわね……」

「ア、アレって?」

「今からでも遅くはないから、弟子入りしな」

「だ、誰に?」

「シャーマン」

「それ違うから、ぜんぜん違うから!」

(ていうか、シャーマンって……)

なんとか、なんとか説得に説得を重ね、雨が止むまで我慢をしていただくことになった。

雨が止むまでの間、僕が知るシャーマンについての知識を教えた。

そうしたら、『胡散臭いのは変わらないじゃない』の一言で、勉強会は終わってしまった。

僕はその時、なんとも言えない表情になっていたんじゃないかなぁと思う。

パパ、ママ、僕はいったいどこで教育を間違えたんだろう――


























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