第5話 私の好きな人は、私の事をもう忘れている人
あなたにとって、好きとは何ですか
君と恋人になりたい、今の関係を壊したくない
壊れるくらいなら今のままでいいっていろんな考えや怖さがありますよね。
好きになると依存してしまう人だっているように
言葉に出してしまえば、その一言でこれからの人生が変わってしまうのだ。
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僕は、意味を理解していなかった。
言葉の怖さを上部だけしか捉えてなかったのだ。
君は僕よりずっとずっと大人でそんな僕は子供に思えた
ご飯を食べ終わった2人は地図を出しどこに行こうか話し合っていた。
佑丞は、気持ちをどう伝えるべきか迷っていたのだ。
辺りを見渡すと、家族連れや恋人にいろんな人達が目に入りきれないほど沢山いたのだ。
「ねぇ、佑丞
話し聞いてるの。どこにする」
「あっごめん。考え事してた
どこにしよっか。帰りが遅くなるのも危ないし買い物して帰ろっか」
「そうだね。ここら辺山際だし暗くなるの早いし」
結香は佑丞の表情に陰がさす所を見逃さなかった。
でも、佑丞は楽しんでもいたのだ。
でも配慮や気配りは結香の方が出来てしまっていた事から段々と陽が落ちていった。
結香のオススメするショップに行く事にしたのだ。
佑丞には初めて見るような物ばかりだった。
遊園地限定のグラスにお皿、被り物に服やお菓子が色々とあった。
ひとつだけミサンガと携帯ストラップを気になって、
こっそりと2つずつ買うことにしたのだ
誰に渡すかはもうあなたもわかっているでしょ。
「なぁ結香
真にお土産買わないと、何にする」
「う~ん、どうしよっか
この携帯ストラップとかは、3人でつけようよ」
焦ってしまったのだ。
まさか佑丞もそれをもうかごにいれていたのだ。
3人のお揃いはなぜか嫌だったのだ
気になったストラップだったことから2人のお揃いにしたい佑丞は拒んでしまった
「お揃いは、、、、、、
真も嬉しいか分からないしやめとこ」
「そっそーだよね。
どうしよっか、お菓子とかにする」
そうだね。といい2人でお菓子をプレゼントすることにしたのだ。
家族のお土産も買ってそのショップを出て2人は、ゲートに向かい出した。
遊園地にも関わらず図書館にいるようなぁ静けさだった。
「なんか今日ごめんね。朝から色々と変なこと言うし、泣いたりさっきだって
楽しい雰囲気壊しちゃって」
「結香のせいじゃないよ。
それに俺は楽しいよ。結香は楽しくないの、、、」
楽しいに決まっていたのだ。
結香からすればやっと会いたかった君に会えたのだから、でもそれ以上に嫌われる怖さがあったのだ。
そんな2人を空のバラ色に暮れていく夕焼けが包むのだ。
「なぁー結香
最後にさぁ観覧車乗って帰らないか
そういえば観覧車乗ってないし」
「そうだったね。
夕日が綺麗に見えそうだね」
2人は観覧車に向かって歩き出す。
そんな中佑丞は覚悟を決めて、話し出したのだ。
「今日は本当に楽しかった。真も来れたら良かったけど、結香と来れて嬉しかったよ。なんか今日の1日が本当に幸せな気分だよ」
「私も楽しかったよ。
朝はガチガチだったもんね、佑丞。
幸せって大袈裟だよ。でもずっと続けばいいのになぁ」
「ガチガチじゃねぇーし。
結香だって、あそこまで泣く女子始めてみたし」
「泣いたのは佑丞のせいじゃん。
女の子を守るのは男役目でしょ
怖かったんだから仕方ないじゃん。
でも、佑丞だってジェットコースターで危うく泣きそうだったし」
今日、一番の笑顔で話が盛り上がったのだ。冗談を言いながら軽く小走りをしたり歩いたり、2人の間に染井吉野と山桜が咲いてるように見えるのだ。
暖かくなるようなぁ小風が辺りに吹くのだ
そうこうしてるうちに観覧車に着いた。
近くから見たことがない佑丞からすればこれ程でかく高い乗り物に乗った事はなかった。
そんなに並んではいなかった。
すぐに順番もきて、一周15分に覚悟を決めたのだ。
2人は向き合うように別々に座った。
急に緊張が佑丞を襲うのだ、そんな事も知らず観覧車は上へと登っていく
辺りを結香は見渡して楽しんでいた。
そんな結香を可憐や綺麗だと思う
バラ色に暮れていく夕焼けが結香を引き立てていたのだ。
「佑丞、すごい綺麗だよ。
人がいっぱい見えるし、桜も見える。」
「あぁ~すごい綺麗だ」
佑丞は結香を見つめながら言ってしまったのだ。完全に目があっている
否定しようにもこれはどうごまかせばいい、でもこれはごまかす必要性はあるのだろうか。
それでも、2人は寒緋桜で赤くなっているがそれは夕陽で染まっている
「ちがっ違うーような違わないような
何て言うか、この角度から見ると夕陽に照らされる結香がいつも以上に綺麗に見えたっていうか」
「佑丞って実は女子慣れしてるの、、、
色んな子に言ってたりして」
結香は笑いながら俺を見る。
軽く流されたようだ、俺はもう言ってしまえと思ったのだ。
「お、俺さ
結香の事、す」
その瞬間に佑丞は脳裏にあることがよぎる。
結香にメモを貰った日。
メモには「私の好きな人は、私の事をもう忘れている人だから」と書かれていたのだ。
その言葉は佑丞の一番好きな小説のヒロインの言葉だった
その小説は、学生時代の恋人のお話で佑丞にとって切なすぎた。
そのヒロインの、一つ言葉を間違えただけで喧嘩をして別れてしまったのだ。だから、今の関係を大切だと相手を大切だと思うなら言葉にする前にちゃんと考えてほしいという言葉を最後に残したのだ。
佑丞は、我にかえる。
なぜ、結香はあの言葉をメモに残し俺にに渡したのだと疑問だった。
佑丞は、その小説の事を教えてはいないし、今この言葉を言うことは正しいのか疑問に思えてしまった。
結香との関係を壊したくない、ふられても今の友達という関係に戻れるかはわからない。
結香が呼んでいる声がした
「おーい佑丞、聞こえてる~」
「あっごめん。また考え事してた」
「もう大丈夫、、、、
で、で、なんの話なの、途中でやめたの」
「大丈夫大丈夫
あーなんだったけ。やべっ忘れた。」
佑丞は、告白の途中でしり込みをして笑ってごまかしたのだ。
結香はそっかといい笑顔なのだ。
「なぁー、結香
前にくれたメモって、私はどこから間違えたのだろうのヒロインの言葉だよな
どうして、それを俺に渡したんだ」
「知ってたんだ。それは君がちゃんと考えなきゃ」
その時の佑丞はなぞなぞだと思っていた
そんな佑丞を見て結香は楽しそうだ。
そんな、暖かいひとときはすぐに過ぎた
観覧車は下におり帰ることにしたのだ。
もう2人は疲れきっていた。
辺りは少し、暗くなってきている
バスを待つ間に2人は夜の霞桜を眺めていた。
「暗くなって見る霞桜も綺麗ね。」
「ねぇ結香
朝の事なんだけどさ、命があるから綺麗だと思うんじゃないかな。
季節ごとに咲くからこそ、綺麗に思える
人や花や動物だってさ、命の期限があるから1日1日を全力で生きられるんだよ。
だから命がつきるまで掛け替えのない人とそばにいたいと思えるじゃないかな」
「まさか今日の考え事ってその事を考えてたの。
私もそう思うけど、なんでだろ
それがね」
結香の苦笑いは佑丞の中で引っ掛かっていた。佑丞は人それぞれの考えがあることも理解していたつもりだった。
笑顔でいる人とかよく笑う人は、本当は心から笑えていないんじゃないかとか何かを隠したいんじゃないかって思えてならないのだ。
そんなことを考えているなかバスが到着し、乗って数分もしないうちに佑丞の肩で結香は眠ってしまう。
そんな君を見つめると、切なく尊いと思えてくるのだ。
好きという気持ちがあっても、それは1人では意味がないように、2人が思えて始めて恋人になれるのだ。
「恋って難しいなぁ。君を守りたいと思っても、君の考えが全く分からない
重いなぁ俺って」
駅に着いて結香を起こした。
もう外は完全に暗くなっていたのだ
「送るよ。結香
歩いて10分くらいって真から聞いてたし」
「いいよ、すぐそこだから大丈夫。悪いよ」
「少しくらいカッコつけさせろよ
全く今日俺はだめ男君なんだからさ」
「そんなことないよ」
結香の家まで送ることにしたのだ。
辺りが暗いせいもあるかもしれないが、
結香がやけに近い。
今にも手があたりそうなのだ。
手をここで繋ぐのはおかしいだろ、でも遊園地では繋いでたからおかしくないだろ、佑丞の脳内はそんなことばかりだった。
その一方結香は恥ずかしそうにあくびをしている。
あっという間に家の前まで着いてしまった。
「ありがとう。佑丞
すごく楽しかった。また遊ぼうね」
「俺も楽しかったよ。当たり前じゃん
おやすみ」
離れ際に結香は「私は言いたい事を言えなかった事に後悔しかない」また小説のヒロインの言葉を言って家に入っていった
佑丞は疑問に思ったが、帰ることにした
そんな時スマホがなったのだ。
真からのLINEだった
「紳士な佑丞君は今から帰るのかな。
告白でもしたのかね」
「暗いから送っただけだっつっーの
それに告白なんてするわけねぇーだろ」
「なんだよ。面白くねぇーな
明日、佑丞の家に行ってもいい」
「全然いいよ。あとで家の場所送っておくわ」
佑丞は、今日の事を考えていた。
小夜の寒さが、なぜか寂しくも思った。
さっきまでは結香が隣にいて、寒さなど感じなかったからだ。
2人で歩いた道とは風景が違く見えた。
もっともっと君の事を知りたいと思い直した。今日買ったミサンガと携帯ストラップは、いつか渡そうと鞄の中に眠っている。
そんな事を考えながら佑丞は家に帰っていった。
まぁ当たり前だが、この後佑丞には雷が落ちた事は言わんでも分かることだ
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