第6話 のりまき君とフィシュアンドチップス君
フィシュアンドチップス君はのりまき君の隣のクラスの2年生です。
のりまき君は、フィシュアンドチップス君は礼儀正しいし、女の子にも親切だし、 紳士だなあといつも思っています。
今年の秋の町の子供スポーツ大会はサッカーのトーナメントです。
フィシュアンドチップス君はサッカーが上手な仲間を集めて、サッカーチームを作ろうとしています。
すでにエスカルゴ君とフランクフルト君はチームのメンバーです。
サッカーがすごく上手なパエリア君とパスタ君も、もちろんメンバーです。 のりまき君はそんなフィシュアンドチップス君のチームに入りたくてしかたがありません。多分2年生の中で一番強いチームです。
のりまき君はサッカーが下手ではありませんが、パエリア君やパスタ君ほどではありません。でも勇気をだしてフィシュアンドチップス君に頼んでみることにしました。のりまき君がフィシュアンドチップス君のところへ行くと、エスカルゴ君やパエリア君などチームのみんなが何か相談しています。
のりまき君が遠慮がちに「フィシュアンドチップス君、ちょっと話があるんだ。」と言うと、フィシュアンドチップス君は「何?」と笑顔で答えました。
のりまき君は「僕もフィシュアンドチップス君のチームに入れてくれない?」 のりまき君はフィシュアンドチップス君の顔がちょっと、こわばったように見えました。
フィシュアンドチップス君は「今、サッカーのメンバーについて話し合っていたところなんだ。のりまき君は同じクラスの天津飯君のチームのこと知っているよね。」
のりまき君「知っているよ、副キャプテンはピロシキ君だよ。」
フィシュアンドチップス君「え、ピロシキ君、それはすごい。ピロシキ君は作戦考えるの上手だから。」
のりまき君「ほかにはハラルミート君、レーメン君。」
パスタ君「レーメン君って走るの速いよね。」
のりまき君「ゴールキーパーはビビンバ君だよ。」
それを聞いたパエリア君は「ビビンバ君、ゴールポスト動かさなきゃいいけど。」
フィシュアンドチップス君「僕らのチームの問題は強いゴールキーパーがいないことなんだ。」みんなもそれにうなずきました。
ちょっと考えてから、フィシュアンドチップス君がのりまき君に言いました。 「のりまき君、ビビンバ君に僕らのチームにかわるように説得してくれない?」
のりまき君は驚きました。そんなことしたら天津飯君になぐられるかも。 なんて答えたらいいんだろうと考えていると、「もしビビンバ君が僕らのチームに入ってくれるんだったら、のりまき君も入れてあげるよ。」
のりまき君はフィシュアンドチップス君のチームにすごく入りたかったのでつい、「オッケー、ビビンバ君説得してみる。」と心にもないことを言ってしまいました。
一人になったのりまき君は考えました。ビビンバ君に何て言おう。天津飯君こわい。ビビンバ君は白い図書カードから青い図書カードになってから、僕が白い図書カード持っているのおもしろくないみたいだし、最近ほとんどしゃべってないし、僕の言うことなんかきいてくれないだろうなあ。 でもビビンバ君は天津飯君のチームに入る前、フィシュアンドチップス君のチームに入りたいって言ってたなあ。だけどパエリア君と仲悪いから入れてもらえないって言ってたっけ。
どうしたらいいんだろう。
のりまき君は今晩、眠れそうにもありません。
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