第2話 のりまき君とレーメン君

のりまき君たちは給食の時間が大好きです。

天津飯君は嫌いなものなんて一つもなく、給食をのこしたことなんてありません。

バーガー君はクラスいち背が高くて体が大きいですが野菜があまり好きではありません。

レーメン君のお父さんはすごく太っていて140kgぐらいあるとうわさされていますが、レーメン君はとてもやせています。

のりまき君はピーマンが苦手ですが、お母さんにピーマンを残しちゃダメと言われているので、給食にピーマンが出ても頑張って食べています。   

みんなは給食ででるお茶を飲むために、学校にマイカップを持って来ています。  でもそれには学校の規則があります。マイカップは割れないもの。ですからみんな プラスチックのカップに色々な絵のついたものを使っています。

のりまき君のカップには青い車がついています。

ビビンバ君のカップにも青い車がついています。 

のりまき君は「ビビンバ君はいつも僕のまねする。」

ビビンバ君は「まねしているのはのりまき君だ。それに僕の車の方がカッコいい。」と言っています。

いつもモリモリ食べる天津飯君は太っていて、誰にでもえらそうです。その天津飯君のカップは赤くて、黄色い星がついています。

レーメン君は2年生になって、お父さんに新しいロケットのついたカップを買ってもらいました。それを自慢げに持って来るようになりました。でもそのカップはとても割れやすい陶器でできていたのです。

「割れやすいカップ持ってきちゃいけないんだよ」とのりまき君がレーメン君に言いました。

レーメン君は「これは僕の大切なカップ。落としたりしなければ割れないさ。」

のりまき君「学校の規則は守らないとだめだよ。」

レーメン君「割れなきゃだいじょうぶ。」

その話に入ってきたのか、ビビンバ君と天津飯君。

ビビンバ君「レーメン君のカップかっこいいよね。僕もほしい。」

天津飯君「規則なんて関係ないさ。」                                ある日先生がレーメン君のカップに気づき、やさしく「レーメン君、そのカップを気に入っているのはわかりますが、明日から割れないカップを持ってきましょう。」と言いました。

けれどもレーメン君は毎日ロケットのついた同じカップを持って来ます。

のりまき君は同じクラスのバーガー君に相談しました。「レーメン君は先生に注意されても、まだロケットのついたカップを持って来るんだ。学校の規則は守らないとだめだよね。」

バーガー君は「もしカップが割れて、誰かが怪我したらたいへんだよ。クラスのみんなに相談してみよう。」と言いました。

そこで二人はクラスのみんなにレーメン君のカップについて、どうしたらいいか聞きました。

バーガー君は「レーメン君が割れないカップにかえるまで、みんなレーメン君と遊ぶのやめよう。」と言いました。

でものりまき君はそれには反対です。「仲間はずれはよくないよ。」

どうしたらいいか聞かれたいなりさんやわさびさんたちは、みんなで一緒にレーメン君を説得しようと言いました。

「話せばわかってくれるわよ。」といなりさんがいいました。

みんなはレーメン君に「明日から違うカップ持って来て。」と言いました。

レーメン君は、みんなに言われて「わかった。じゃあ明日から違うの持って来る。」と言いました。

のりまき君は「これで解決だね。」と言いました。

次の日、レーメン君はみんなに怪獣のついた割れないカップを見せました。

みんなはホッとしました。

ビビンバ君も、天津飯君も「レーメン君の新しいカップかっこいい。」と言いました。

いなりさんとわさびさんも説得できてよかったと思いました。

でも誰も、レーメン君のかばんの中からいつものロケットのついた割れやすいカップがのぞいていることには、まだ気付いていません。




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