第4話 ドレス
次の日、メイドによって着飾られた優傘は招待客の集まるホールへと歩いていた。
今日の優傘は扇情的に背中が空いた真っ赤なドレスを着ており、その冷徹な表情と合わせて招待客を魅了していた。
ある若い貴族たちは、
「やっぱり優傘様は美人だよなあ?」
「だよな、俺もタイプだわ」
「あのクールな瞳も美しいしな!」
「なぁ!わかるだろ踏まれて罵られたいよな?」
「いやそこまでは‥‥」
「まぁ、とにかくお付き合いしたいよな」
「そ、そうだな、でもなぁ庶子なんだよなぁ…」
「そうだよなぁ親が許さないよな」
「「ハァ‥‥もったいないよなぁ」」
と、優傘に見とれながら話をしていた。
そんな話を片隅に捉えながらすました顔をして優傘は席へと向かっていったが内心は少しイラついており、
『そんな庶子だなんだとか言っている奴なんてこっちから願い下げよ!』
とか考え少し機嫌が悪くなっていたが、それでもいつもより優傘は機嫌が良かった。
なぜならそれは昨日見つけたあの綺麗な腕輪がドレスにとても合っているからだ。
赤のドレスの儚さと、金とガーネットの腕輪の輝きは自分が思っていたよりも合っており、優傘の持つ冷徹な雰囲気と合わせて妖艶な雰囲気を醸し出していた。
優傘もドレスを着させてもらいながら鏡に映る自分を見てとても満足しており、朝から、パーティーに出るのが少し楽しみになったくらいだ。
そんなわけで機嫌の良かった優傘だったが、それも長くは続かなかった。
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