第5話 裕也は卑怯ではなく戦略的



 「実戦で使う武器は、事前に用意してこい。」と、阿久津先生に言われたので、爺ちゃんの形見の剣を持ってきた。



 ◇



 試合会場に入ってみると2年生や3年生の先輩の人達も来ていた。

 最初の試合は、同じクラスの立花葵と裕也の試合だ。

 そして、試合開始の鐘が鳴った。


 裕也は「おりぁぁー!!俺のグレネードを喰らえー」と言いながら、グレネードの形に削った石を投げて、立花の背後に向かって走った。


 立花は前方に、魔法で障壁を張ったが、何も起こらない。気づいた時には首筋に裕也の短剣が突きつけられていた。


 「卑怯だぞ!!天野!!」


 すると裕也は、「引っかかって方が悪りぃんだよ!マヌケッ」と言いながら笑った。


 「裕也は昔から卑怯だよなぁ。」


 「戦略と言え‼︎」



 ◇




 「次、優の試合だろ行ってこい‼︎。次はお前が勝つ番だぜ!優。」


 俺は「ああ、勝ってくるよ。」とハイタッチをしてコート内に入って行った。


             ーー続く


 

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