小話編
小話 大河の甘味な日常①
俺の名前は
龍神一族の末息子で将来、この京ノ都を治める予定だ。
今は父上の悪友である儀園神社に棲まう狐のパパ上と可愛い祭。
そして一応、友人になるのだろうか……いや、紙くずより上、新聞紙より下という認識をしている魔術師のカイルと暮らしている。
長きに渡る悩みは、日々の家計が火の車であることとパパ上の悪戯だな。
神である俺だが、やはり神とて疲れるもの。
祭も十分に癒しであるが一人で甘いものを食べるというのもなかなかに癒しの時間だ。
カイルがハデスを使い魔にしてくれたおかげで家計は火の車のままであるものの家事についての俺の負担は大きく減った。
そういう訳で、手の空いた俺のもう一つの癒しは買い物ついでに甘味を食べることだ。
以前、晴明の奴から教えてもらった甘味屋は美味いからな。
奴のそういう所に伝手があることだけは褒めてやる。
「そろそろ春になりつつあるな……」
まだ時折、寒さがあるものの確実に陽気は春に近付いている。
さて、甘味屋へ行って何を食べようか。
俺の中であれもこれもと様々な美味い甘味が思い起こされた。
うむ。
どれも美味そうだ。
だがしかし、俺の財布の中身で食える甘味は多くない。
これは少々アルバイトにでも手を出さなければ家計は助からんかもしれん。
ハデスがいる今、どうにでもなるだろう。
レイキ会の仕事でもいいが……十中八九、鬼喰姫の奴に色々と頼まれるだろう。
っと、ここだな。
何を食べようか考えていたはずがアルバイトやら鬼喰姫やらのことを考えてしまった。
店の主はすでに俺のことを覚えてくれているようで二階席を案内してくれる。
この店の二階席は静かな個室タイプと半個室タイプがある。
今日は半個室に案内された。
畳に簾、桜の木で作られたどっしりとした机が何とも言えず雰囲気に合っていて、俺は半個室タイプが好みだ。
メニューを渡されてしばし考える。
今日の予算では三つが限度か。
どれもこれも美味そうである。
一度制覇しているものの、やはり美味しいので今は少しずつ二度目の制覇をしようと少しずつ食べていっている所だ。
うむ。
よし、今日はこの三つにしよう。
春らしいメニューだ。
続
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