第27話 忠告
あの夜から数日が過ぎ、僕たちは琥珀もとい魔王襲来の警戒態勢をとっていた
が、僕以外は正確な魔王が来る時期が分からないためか屋敷の中はピリピリとした空気が巡っていて数日なのに既に皆限界に達していた
(あんまりこういう雰囲気好きじゃないんだよな)
そんなことを考えながら歩いているとシャムルが丁度部屋に戻ろうとしていた
(ん、この時間帯にシャムルがいるなんて珍しいな)
ここ数日間シャムルとネフレンはご飯とお風呂の時以外は屋敷周辺の哨戒任務をしてご飯やお風呂の時ですら交代でやってたっけ
いくら実力が高い2人とは言え女の子が働いて男である俺が行かないってのもなんだかおかしな気がする
そう思った僕はシャムルにある提案をするのだった
「こんな時間にいるなんて珍しいねシャムル」
「ん、そういう君こそこんな時間帯に屋敷にいるなんて珍しいね。いつもならイナクの相手をしてるってのに」
「時には休息も必要ってことだよ」
「そうか、じゃあ私と同じ感じだな」
おおっとどうやらシャムル達も同じことを考えたようだ
確かに休息は必要だが皆が一斉に休んでしまうのは宜しくない
どこかでトラブルが発生した時に対応に時間がかかってしまう
「あぁ、そこで少し提案があるんだが今夜の警備僕が変わろうかなって」
僕がそう言うとシャムルはえ、と驚いたが僕が念押ししてもう一度言うと分かったと言ってくれた
「そういやネフレンはどうしてるんだ?」
「あぁ、ネフレンなら疲れたからって自室で寝ているよ」
そらそうだシャムルと一緒にろくに休まず警備してくれてたんだ
「んでもって君は今の話をネフレンにもしようとしてた。違う?」
(全てわかられてたか、そっちの方が話が早くて助かるんだが)
「その様子だと図星みたいだね。ネフレンには私から言っておくから君も休むといい」
「あぁ、そうさせてもらうよ」
そう言って僕が1歩踏み出したところで後ろから声をかけられた
「そういや最近ここらのモンスターが凶暴化してるんだ」
声の主の方を振り返えるとそんなことを言われた
(へぇ、それは変だな)
ここらで脅威となりうるモンスターといえばスライムかスズメもどきのドラゴンか位のはずだ
「君なら大丈夫だろうが一応言っておくよ」
「ん、忠告ありがとうそれじゃ」
そうして僕は今度こそこの場を後にするのだった
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