第26話 説明と頼みと魔王の情報
プスプスと煙を立てている灰を見ながらシャムルに尋ねる
「なぁ、こいつって倒しちゃってよかったのか?魔王の情報とかもっと聞き出せたんじゃ」
「あ」
(マジすかシャムルさん)
何も考えてなかったと言う顔をしているシャムル
「いやでもその事は未来を読める大剣もあるし、それに君の方が色々と知ってるんじゃないかい?」
早口で捲し立てるシャムル
間違ってはないんだが貴重な情報源を失ったことには変わりはないからな
「はぁ、わかったよじゃあどこから話そうか、っても僕も話せることはそんな多くないんだけどな」
それに今から言うことを言ってしまうともしかしたらシャムルが対峙するときの邪魔になってしまうかもしれない
「それでもいいよとりあえず全て出してくれ」
でも真っ直ぐな目をしてこの言葉を聞いてくるシャムルに隠し事をする気にはなれなかった
「そうか、じゃ1つずついくぞ。まず魔王の正体は俺の妹でなんなら昔と性格やらなんやらが違ってるってことだな。んでもって…」
「ちょっとごめん君今なんて言った?」
話を続けようとした時ネフレンと同じ反応をしたシャムルに止まられてしまった
やっぱりここでもネフレンと同じ様な反応をするシャムル
(この2人実は生き別れの姉妹とかなんじゃ…)
そんなことを思い浮かべながら話を続ける
「ん、だから魔王の正体は僕の妹だって」
「それは本当かい?」
「あぁ、ついでにさっき話そうとしたことを言っちゃうとイナクでも手も足も出なかった」
「本当かい?」
もう一度同じように聞いてくるシャムルに僕は軽く頷いて返答する
「それが本当なら大変なことになってしまうね」
あぁ、全くもってその通りだシャムルやネフレンがその辺の理解力が高くてすごく助かる
「あぁ、そうだ最後に一つ言いたいことがあったんだ。この問題は僕だけでどうこうできる範囲じゃないってことは分かったし、その真意については僕にしかまだ分からない」
シャムルもネフレンも僕が2週間後から来たってことを概ね理解してる感じだけど実際どうか分からないし
「だから僕の身勝手なワガママなんだけど僕の妹…魔王が来た時には私情を挟まないで欲しいかな」
全力で笑顔を作りながらお願いしてみる
「そんな悲しい笑顔でワガママを言われたら断りづらいね」
何かを悟ったかのような表情で僕を見てくるシャムルに感謝しながら僕は部屋を後にするのだった
「そう言ってくれてありがとう。それじゃまた明日」
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