第21話 悪夢という名の現実
ポカポカと陽が指し、風が気持ちよく肌を撫でる
そんななんとも気持ち良い朝僕はというと…
「フリーズ!!」
「業火の焔に呑まれよ!ライジングボルトショット!!」
絶賛戦闘中だった………
「アハハハハ!いいよシュウやっぱり最高だ!」
イナクの攻撃にやられ、死に戻りそしてイナクの攻撃をすんでのところで確実に避ける
だが、避けると簡単に言ってもイナクの放つ魔法は殆どが中級から上級魔法、ついでイナクの拳は車程度ならお釈迦に出来てしまうほどの威力を持っている
(この世界に車なんてものは存在しないけど…)
そんな工程をもう何十回と繰り返しただろうか……
「僕の攻撃をしっかり避けてくれる!ここまで『遊び』遊んでくれるのはシュウが初めてだ!」
「そりゃどうもありがてぇ事だ、な!」
そんな戯言を交わし合いながらお互いに息をつかせぬ攻防を繰り出す
と、俺の殴りを避けたイナクが俺がさっき放ったフリーズによって出来た氷に足を滑らせバランスを崩す
ぼくはその一瞬のスキを見逃さず…
「ボルトショット!」
実験ながら中級魔法を放つのだった
◇◆◇
昨日はあの後イナクの相手をここでするという約束をして館の中でゴロゴロして過ごした
そんな生活を数週間送ってきてたある日
俺とイナクがいつもの様に館に帰ると…
夢なのではないかと思わず思ってしまうようなそんな光景…
そんな光景に思わず後ずさりしてしまった
そこには一面が赤く染まったロビーに横たわるネフレンとシャルム
そしてその中で唯一立っている少女が1人いた
朝俺とイナクが館を出る前はいつもと変わらない風景だったはずなのに…
それに、だ
俺は目の前に佇んでいる少女に似ている人を知ってる
だからこそ俺は目の前に佇んでいる少女が俺の知っている人でないことを全力で願う
「あ、やっと帰ってきたー」
そんな少し幼げな可愛らしい少女の声がロビーに響き渡る
「帰ってくるの遅すぎて暇してたんだよねー」
俺が知っているやつも少女の声とよく似た声をしている
「そしたらね、この人たちが私の相手をしてくれたんだ」
だからこそ俺は目の前の少女が誰なのかが分かってしまった
だからこそ俺はこれが夢であって欲しいと思わず思ってしまった
「んーでもね、この人たちすぐに壊れちゃって暇しそうだったんだよね」
「そしたら『お兄ちゃん』が帰ってきてくれたんだぁ」
俺の実の妹だったからだ
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