第19話 清々しい朝の奇襲者

「今なんて言った?」


 状況がいまいち把握できてない僕はネフレンにもう一回質問した。それにもしかしたら僕の耳が壊れてるってことも有り得るからな。


「どれで何が見えて誰が来るって?」


「愁さん、それもうわかってるって言ってるのと同じですよ。」


 なるほど。どうやら僕の耳は壊れていないらしい。それにしても…


「はぁ、まじかよ。」


 確かにネフレンは今「魔王が来る」と言った。誠か嘘かはその予知を見といない僕には分からないがシャムルも一緒に見たと言っていたなら予知能力があるのはホントのことだろう。


「さっきシャムルと一緒に見たって言ってたよな?ならその事はシャムルも知ってるんだよな。」


「はい。シャムルさんも愁さんと同じ反応をしてました。」


(そうなのか)


 シャムルが驚くなんてことそうそうないと思っていたから少し意外だった。

 いや、僕と初めても驚いていたな。僕たちがイレギュラー過ぎるのか?


「わかった。僕も用心しておくよ。それじゃあ今日は遅いからまた明日。」


「はい。おやすみなさい。」


(この世界にも『おやすみ』という言葉があるんだな)


        ◇◆◇


 グッと腹の辺りに何かがのしかかる重さを感じる。


(なんなんだ。ようやく色んなことが落ち着いてきたんだもう少しゆっくりさせてくれよ。)


 そんなことを思っていても1回覚醒した脳はなかなか眠りにつくのは難しく、僕は仕方なく目を開けるの…だった……。


「なあ、イナク。お前何をしてるんだ。」


「やぁ、お目覚めかい?随分ゆっくり寝ていたじゃないか。」


(そりゃ、昨日あんたとやり合ったしな)


「それで、なんでここにいる。しかも何故僕の腹の上に乗っかっている?」


「昨日の夜愁は僕と遊んでくれると言ったじゃないか。だから僕が起こしに来たのさ。」


(休日に父親や兄さんに遊んで欲しい子供か!)


「そういう事か、なら起きるために是非とも僕から降りて欲しいな。」


 そう言って僕は無理だとむくりと体を起こし上に乗っかっていたイナクをベットから落とす。

 シュタと着地するみイナクを見て僕は軽いなこいつ。と思うのであった。

 精一杯伸びながら時計を見る。7:48と表記されている。


(確かに少し寝すぎたか。)


 寝間着から軽装に着替え終わった僕はクルッと居なくの方を向き、


「イナクお前とも遊んでやるがその前にちと朝の散歩に付き合え。」


 と宣言した後に部屋を後にした。イナクはこいつは何を言ってるんだと言う顔をしながら僕の後に続いて部屋を後にした。

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