第18話 剣の付属品
「あの、愁さん。少し話したいのですがいいですか?」
廊下をフラフラと歩いているとネフレンに声を掛けられた。
「用事もないから別にいいぞ」
「じゃあ、私の部屋まで来て貰っていいですか?」
そう言って僕の事を引っ張るネフレン。
(なんだ?そんなに急ぎのようなのか?)
◇◆◇
「ごめんなさい急に引き留めちゃって。」
「別にいいよ。それより話したいことがあったんだろ。」
ネフレン部屋に着いた僕はテーブルを挟んで向かい合うようにして座っていた。
(それにしてもいい匂いがする。いや、元々この屋敷はいい匂いなのだが、なんというのだろう甘い匂いがする。所謂女の子の匂いってやつだろうか)
「はい。早速本題なんですが、私の持っている龍滅剣。先程シャムルさんとお話してわかったのですが、この剣には予知能力のようなものが付与されてるようなんです。」
ほぅ、それはなかなか便利なもんだな。つまりその剣の能力によって相手の次の行動が読めるって訳か。
「んで、その予知能力がどうかしたのか?
まぁ、確かに次の攻撃が読めるんだから戦いやすくはなっただろうけどさ。」
「ん。なにを言ってるですか?この能力はそんな便利なものじゃありませんよ。」
あらま、そうなのか。
「それにそんな便利な能力が有るならとっくに魔王なんて倒されてますよ。」
まぁ、そりゃそうだわな。
「この剣に宿ってる予知を見るのは少し面倒くさくてですね、
一つ、災害クラスの事でないといけないということ
二つ、剣の持ち主の危険となる場合であること
三つ、半日以降の事でないと見れないということ。
この三つの条件がクリア出来なければ見ることが出来ないらしいんです。」
なんとまたそんな面倒臭い条件付きなんだ…。
「それでですね。試しに1回見れるかもしれないってことでシャムルさんと試したんです。そしたら…、」
そこまで言って珍しくネフレンが言葉に詰まった。
「まてまて、なんでそこで詰まるんだよ!まさかとは思うけど僕が死ぬとかじゃあないんだろうな!」
「そんな事ではありません!いや、そんなことかもしれないんですけどそれ以上のことが起こりそうなんです!」
そんな事なのかそんな事じゃないのかどっちなんだ。
(ん?)
「なぁ、今なんて言った?僕が死ぬ以上のことが起こるかもしれないってどういうことだ?」
そう聞くとネフレンは慌てて口に手を当てるが既に遅く、もう一度僕が問うととても言いづらそうにモゴモゴしながら
「予知に見えちゃったんです。魔王がこの屋敷にやって来るのが予知で見えてしまったんです。」
「……………、へ?」
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