第17話 和解
プスプスと煙を上げているそいつはとりあえずは息はしているようだった。
(あれ?もしかしてやりすぎたか?)
(いやいや、こいつが自分から振ってきた事だ。別に僕が気を病む必要など…。)
未だに僕に首根っこを掴まれているそいつは意識を取り戻さない。
(やっぱ、少しやりすぎたか。)
仕方ない。ここに放っておく訳にも行かないからな。
「なぁ、シャムル。こいつの部屋まで案内してくれ。」
「あ、えぇ。着いてきて。」
僕はそいつを背負い。シャムルの後について行った。
(そういやなんでこいつら僕のこと珍しいものを見るような目で見てたんだ?)
◇◆◇
「うぅぅ、ここは?」
「お、起きたか。お前の部屋だ。シャムルに案内させてお前をここに連れてきたって訳だ。」
「そうか。それはありがとう。あと先程は済まなかった。ソエダシュウ、お前はは強い。僕よりも何倍も何百倍も強い。だからこそ聞きたい。何故あそこで僕を殺さなかった。」
「僕は僕自身の強さを把握したかった。これじゃあダメか?」
「ははは。やっぱりお前は面白い。では改めて。僕はクロノス・イナク。姉さんの弟だ。気軽にイナクとでも呼んでくれ。」
そう言って手を差し伸べてくるイナク。僕はその手を掴んで
「言う必要は無いと思うが僕は添田愁。よろしくなイナク。」
こいつ最初はただの狂人かと思ってたが根はいい奴なんだろうな。そう思っているとイナクが立ち上がった。
「また明日僕の遊び相手をしてくれないか。シュウはさっきのゲームを自分自身の強さを知るためにやったと言っていた。その強さを知ることは出来たのか?」
「あぁ、なんとなくは分かってきた。でもまだ分からないことだらけだ。どこまで応用が聞くのか全くと言っていいほどわかっていないな。」
とかなんとか言ってるが結局僕自身もわざわざ外に行くのは少し面倒なところはある。ならここでイナクの相手をしつつ能力について調べるのも一つの手だろう。
「な、なら!」
「あぁ。いいよやってやるよ。」
その言葉を聞いた瞬間イナクは年相応のパッと表情を明るくした
(こいつ、驚くべきスピードでキャラ崩壊してないか?)
「それじゃあ、僕は部屋に戻るから。」
かくして僕はイナクの部屋を出るのだった。
◇◆◇
「あと少し、もう少し。はは、久々の再会がこんな形になっちゃうなんてちょっぴり寂しいな。ね?そう思うでしょお兄ちゃん。」
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