第11話 巷で噂の最強魔法使い

「やぁ、君たち危なかったね」


 紫色の電気を纏い、左手にはプラズマを持った女がそこに立っていた。


(服装を見るに魔法使いかなんかだろう。)


「ありがとうございます。おかげで助かりました。」


「それなら良かったよ。目の前で若い男女がスライムに殺されるところなんて見たくないからね。」


 僕たちのことを助けてけれたりこんなふうに話しかけてくれている辺り悪い人ではないようだ。


「それにしてもあの量のスライムを一撃で倒してしまうなんて凄いですね。」


「ん。褒め言葉としてうけ取っておくよ。」


 すると女は少し頬を染めながら返事をする。あまり褒められることに慣れていないんだろうな。


「でも、いくら私でも君たちがスライムの興味を引いて1箇所に集めてくれなければ一撃では難しかっただろう。」


 そんなことを言ってくる女。


(でも、それって一撃では倒せなくても倒せたってことだよな。)


(それを考えるとこの人って…)


 うん。これ以上は考えないようにしよう。この世界はイカれていることなんてとうの昔に分かったことだろう。


「あ、あの。」


 そんなことを考えていると今まで一言も話していなかったネフレンが申し訳なさそうに手を挙げていた。


「どうしたんだネフレン。」


「もしかしてなんですけど、最近村で噂になっている凄腕の魔法使いって貴方ですか?」


「んー…、ここらでそれなりの魔法使いって言ったら多分私の事だろうな。それと同時にそこの少年からもとても強い魔力を感じるのだが…」


 そう言って魔法使いの女は片目を閉じて俺を見てきた。やがて、女の顔が驚愕の色に変わっていく。


「き、君なんだその魔力は!Lv21で8桁て、どうなっているんだ!?」


「え!?」


 これにはさすがにネフレンも驚いたようだ。

 だがこれは俺が転生した時にあのクソ女神から授けられた力のひとつなんだろう。


「うーんと、その話は置いておいて貴方の名前は?」


「あ、あぁ。忘れていた。私の名はシャルム。クロノス・シャルムだ。」


「そうか、俺は添田愁。訳やってまそおうを倒す旅に出ている者だよ。」


 俺はシャルムとそう挨拶を交わした。


「さて、君たち今日はもう日が暮れるここで会ったのも何かの縁だ。うちに来るといい。」


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