第6話 冒険者になる決意
「あ、ああ。でも今はまだ無理だ。僕は魔法が使えない。それ下級魔法なんかじゃ効かないだろう。」
「そうなんですね。」
しょぼんとするネフレン。
「なぁネフレン。もしかして魔王に家族とか殺されたじゃないよな。」
失礼なことを聞いていることは自覚している。だが、これは聞いておかないといけないことだろう。
「え?何言ってるんですか?私のお父さんもお母さんも元気ですよ。」
ケロッとした感じで返されてしまった。
「でも、愁さん。私もどうしても魔王を倒さないといけない理由があるんです。」
「これから話すことは私の昔話になります。」
「私がまだ6歳の時私のおじいちゃんはこの国の中でも特に凄い腕前の冒険者だったんです。
おじいちゃんは魔王を倒しに行くために王国の魔王討伐隊の人達と一緒に行ってしまったんです。」
なんだその思春期の青年共が拗らせて名付けちまったような軍隊名は
「おじいちゃんは魔王を倒しに行く前日に私にこういってくれたんです。」
おじいちゃん!それ死亡フラグ!
「そしておじいちゃんは魔王を倒しに行ったっきり未だに帰ってきていません。」
うん。そりゃそうだよ…
「これが私が魔王を倒したい理由になります。」
「そうか…つまりネフレンはおじいちゃんの仇を取るために魔王を倒しに行くってことか。」
「おじいちゃんが生きているのがもっともなんですがそういうことになりますね。」
そりゃそうだ。だが、現にネフレンのおじいちゃんは帰ってきていない。
「さて、私の話はここまでです。私が話したんですから愁さんのお話も聞かせてもらいますよ。」
そりゃそうだ。あっちが話したらこっちの話もする。当たり前かどうかは分からないが当たり前のことだろう。
「僕の話はまた後でだ。それよりも早く飯を食ったちまおう。せっかくの飯が冷めてしまう。」
僕の話はとても長い。こんな事なんかに時間は使っていられない。話すとしたら宿かなんかなどの一息つけるところじゃないといけない。
「そうですか。それじゃあ後でちゃんと話してもらいますからね。」
そして、僕達はまだ冷えきっていない料理を口に運ぶのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます